ペニス願望の説明



ペニス願望とフロイトの精神分析


【ペニス願望とは?】
ペニス願望Desire of penisとは、幼児期の精神的発達における男根期にて、 女児がペニスが無いことを無念に思う、もしくは女児がペニスがある男児をうらやむ気持ちです。 フロイトの精神分析上では乳幼児期のリビドーの発達は口唇期から始まり、肛門期、男根期と続きます。 ペニス願望はその男根期における女児の精神分析概念です。


【口唇期とは?】
フロイトの言う口唇期とはリビドー発達の第一段階で、母乳を飲むことを中心に、しゃぶる、吸う、 かむなどの動作によって、 精神的な満足を得るという期間になります。おおよそ生後1年くらいが口唇期に該当します。 口唇期はおかあさんと子供のリレーション形成上も大事な時期です。 こどもの指しゃぶりもこうした口唇期における精神的充足のためにされる代償行動の一つです。


【肛門期とは?】
フロイトの言う肛門期とはリビドー発達の第二段階で、 便をためる、また排泄するなどの動作によって精神的な満足を得るという期間になります。 おおよそ生後1年後から3年前後くらいが肛門期に該当します。 肛門期は周囲の人的な環境とのリレーション形成上、大事な時期です。


【そして男根期とは?】
そしてペニス願望の関わる男根期とはリビドー発達の第三段階で、 それまで口唇と肛門に集中していた精神的な満足が性器にも移行し、 結果として性器に興味を持ち始める様になる時期です。 おおよそ生後3年から4年が男根期に該当します。 男根期は自尊心の発達上、大事な時期です。 この男根期の女児にペニス願望が発生します。


【男根期におけるペニス願望】
ペニス願望は男根期女児の精神分析上の概念です。 ペニス願望は性器に対する興味から、 自分にペニスが無い事を認識して、それが無い事を無念に思う、 もしくはそれがある男児を羨ましく思う観念がそれに相当します。 この男根期は女児においてはペニス願望という形で表出しますが、 男児においては性器に対する興味から、 ペニスを無くしてしまうのではないかという不安が生じます、これを去勢不安と言います。 男児ではこの去勢不安によって父に対するエディプスコンプレックスを抑圧して、幼児性欲が潜伏期に入ります。


こうしたペニス願望のような性器に対する精神発達は、 成人になってからの健全な性認識上も大事な成長過程と言えます。 健全な性認識が無い性的環境は心因性のED/勃起不全などの発症因子となる可能性もあります。


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