ばいあぐらは新宿ライフクリニック。
【PDE5阻害薬と無効なED/勃起不全】
せっかく処方してもらったPDE5阻害薬つまりバイアグラ、レビトラ、シアリスがED/勃起不全に無効であったら、
患者さんは大変ショックを覚えられると思われます。
バイアグラ、レビトラ、シアリスなどのPDE5阻害薬を処方してもらうのは、最初はとても勇気が入ります。
自分がEDであると認める為の勇気、気恥ずかしさを押してクリニックを受診する為の勇気、
こうした勇気をかき集めて、初めて正規品のバイアグラ、レビトラ、シアリスなどPDE5阻害薬を手にする事が出来ます。
それなのに、やっと手に入れたPDE5阻害薬が自分のED/勃起不全に無効であったら、
その患者さんは、こうしたED/勃起不全の治療方法自体を見限ってしまう可能性が有ります。
実の所、PDE5阻害薬は万能のED/勃起不全の治療薬では有りません。
正しい服用方法、正しい服用タイミング、自分の状態に見合った力価の薬剤の選択、
こうした要素を外してしまえば、ED/勃起不全の改善効果が無効化してしまう事は大いに有ります。
良くあるケースとしては、高齢なので力価をかなり控えめにしたい等、
患者自身の希望で低用量のPDE5阻害薬を選択される場合です。
これらバイアグラ、レビトラ、シアリスなどのPDE5阻害薬は、
罹患されている疾患や年齢に応じて推奨される用量が異なって来ます。
その推奨量を大幅に下回った場合には、
PDE5阻害薬が「弱く効く」と言うより「効果を示さない」すなわち無効化する場合が有ります。
またバイアグラ、レビトラ、シアリスなどのPDE5阻害薬は製剤によって、
使用方法が少しずつ変わって来ます。例えばバイアグラ、レビトラは空腹時に服用すべき薬剤ですし、
シアリスは服用してから効果が顕在化するまで他剤よりも時間がかかるとされています。
こうした使用方法や特性を踏まえず、これらPDE5阻害薬を服用してもED/勃起不全に対する効果が弱くなったり、
無効化したりする場合が有ります。
その他、大変残念ながらED/勃起不全の基礎疾患が重症であったり、コントロールが難しい場合には、
上記の内容に気を付けてもPDE5阻害薬が無効化してしまう場合が有ります。
本邦の研究にて、こうしたPDE5阻害薬が無効であったED/勃起不全に関して報告をしているものが有ります。
本稿では、そうした実際の報告を踏まえて、無効化に対する対策などに関して記載させて頂いております。
是非ともご参照くださいませ。
【PDE5阻害薬が無効だったED/勃起不全の報告】
この報告は2581名のED/勃起不全の内、おおよそ5%に相当するPDE5阻害薬が無効だった症例に関して、
解析をしているものです。
PDE5阻害薬無効例におけるED/勃起不全の原因疾患は、その多い順で述べると、
原因が不明瞭なものが最大多数派で、以下糖尿病、前立腺癌などを含む骨盤内手術症例、
精神疾患、加齢、脊髄損傷と続いて行きます。
確かに糖尿病と前立腺への手術操作を受けている症例は、比較的難治のED/勃起不全を発症しやすい傾向が有り、
結果として高力価のPDE5阻害薬を使用する事になる場合が多いです。
またED/勃起不全は良性疾患からの発症が主体なので、
服薬内容や罹病経過がPDE5阻害薬の処方上問題無いようであれば、患者の希望によっては、
その原因精査が進められていない事も多々あり、原因が不明瞭なED/勃起不全がカテゴリーとして、
無効例の上位に入る事も納得できます。
しかしおそらく、この原因が不明瞭な症例集団はそれぞれ詳細に検査を加えた場合、
初期や境界域の生活習慣病や動脈硬化性疾の症例が内包されている事が判明する可能性が有ります。
本報告におけるそれぞれの製剤の有効率に関しては、基本的に低用量より高用量の方が、
無効率が低い傾向が一貫しており、
PDE5阻害薬の無効例には製剤の用量不足が原因となっているものが潜在している可能性が示唆されます。
また割と内服方法の誤りによってPDE5阻害薬が無効化している症例も多く、
バイアグラ、レビトラの食後服用例、また服用方法は正しいが性的刺激がされていない症例等が、
その内訳だったようです。
【PDE5阻害薬の無効なED/勃起不全に対する対策】
前提として、20~30%のED/勃起不全に対してバイアグラ、シアリス、レビトラなどのPDE5阻害薬は無効とも言われています。
上記報告上は、もっと無効例の総体に対するパーセンテージは少ないですが、
PDE5阻害薬のED/勃起不全に対する報告は施設間較差が比較的大きい傾向が有ります。
本稿においては上記の報告などから、
ED/勃起不全に対してPDE5阻害薬が無効化するのを防ぐ為の対策を勘案させて頂きました。
①まずベーシカルにはそれぞれの製剤に適した使用方法を医療従事者がしっかりと説明する、
もしくは患者さんはこうした医療従事者の説明をしっかりと聞くという事が非常に大切です。
意外に患者さんが説明をしっかりと聞かないで使用し、効果が無い、もしくは希薄だったという事も多いです。
②次に、自分でPDE5阻害薬の用量を規定する前に、
専門家であるEDクリニックの先生の推奨用量を聞いて参考にする事が重要です。
しかし正しい推奨用量を先生から聞くためには、
ご本人の罹病経過や服薬内容などを詳細に説明する必要が有ります。
またこうしたインフォメーションをしっかりとしておく事は、PDE5阻害薬による思わぬ事故を予防する上でも、
とても大事です。
治療内容や服薬内容に関して記載してある書面を持参してEDクリニックを受診する事も非常に望ましいです。
③次に、一回無効でも何回かトライする事がとても大切です。
勃起という生理現象は若い時分でも良い時、悪い時と揺らぎが有るかと存じますが、
PDE5阻害薬のED/勃起不全に対する効果も、
こうした揺らぎのある生理現象をターゲットにしている関係上、その効果には揺らぎが有ります。
最初が無効でも二回、三回と使用する事で良好な効果を示す場合も有りますので、
一回であきらめずに何度かアプローチする事が大切です。
④最後に、ご自身の体のコントロールも、キチンとPDE5阻害薬の効果を出す上でとても大切です。
適正体重へのダイエットや、ウォーキングなどの適量の運動負荷、
それぞれ原因となっている生活習慣病・動脈硬化性疾患のコントロールの改善は、
ED/勃起不全自体を改善させる可能性が有りますが、
ED/勃起不全におけるPDE5阻害薬の効果も改善させる可能性が有るとも報告されています。
written by しありす処方なら新宿ライフクリニック.