太ると男性ホルモンが低下する事によって性機能障害が発生する事が有ります。



肥満とテストステロンの低下とEDの発症

ばいあぐらは新宿ライフクリニック。


【肥満】
日本人の肥満率は、近年急速に上昇して来ております。 日本やアメリカのような市場経済を牽引する先進国家では、食糧供給に難渋する事はまず無いため、 国民の殆どの人が望む時に望むだけのものを飲食する事が可能です(内容の豪勢さはさて置き)。
こうした状況に日本が到達したのが高度経済成長を迎えた時期であり、 モータリゼーション以による運動量の大幅な低下も重なり、 この時期を境に体重の過増加や生活習慣病が爆発的に増加しました。
つまり、人間は食料供給の安定化に従い、肥満率が上がると言う、 自制力の問題というより、人間が本質的に肥満し易い生き物である事が浮き彫りになり、 近年の研究では、氷河期などの厳しい時代を過ごすのに適切であったエネルギーを体内に蓄積するシステムが、 その原因に関わっているとも考えられております。

メディアを見ていると肥満は一個性として捉えられている傾向が有り、 ほほ笑ましく許容されている状況が見受けられますが、 数多くの大規模臨床試験から、肥満は個性などでは決して無く、 数多くの害悪を振りまく、独立した疾病誘発因子として捉えられ始めております。
いずれは、高血圧や糖尿病と並ぶ「疾患」としてインデックスされる可能性も有ります。

肥満は、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病の原因となるばかりか、 独立した脳梗塞・心筋梗塞発症のリスクとして認知されております。
さらには変形性関節症などの整形外科疾患の発生を来たし、運動量の低下、カロリー消費の低下を来たし、 減量が困難な状況を生みだします。
肥満者の性機能障害は、QOL生活の質に関わる問題となります。
命にかかわる疾患から、QOL生活の質に関わるものから、 多岐に関係しております。

本項では、肥満に伴うテストステロンの低下とEDにスポットを当て、解説させて頂いております。


【肥満の診断】
ボディマスインデックス(以下BMI)が代表的な指標になります。
BMIは、『体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}』で算出される疫学調査から開発された体格指数になります。
標準体重とは、『{身長(m)×身長(m)}×22』で算出される指数で、この標準体重に近似した体重であるほど、 疾患発症の頻度が少ないとされています。
BMIで言うと、25以上が肥満とされます。
BMI 18.5未満を低体重、18.5から25未満を普通体重、25から30未満を肥満1度、 30から35未満を2度、35から40未満を3度、40以上を4度と設定されています。

診断基準は、BMIのみによって定義されているわけでは無く、標準体重から20%以上の体重増加、 体脂肪率が男性で25%、女性で30%以上のいずれかが該当することで下されます。

医学的分類としては、運動不足とエネルギー過剰摂取によって発生する単純性と、 内分泌疾患・視床下部疾患・遺伝性疾患などの疾患や薬剤の副作用によって発生する症候性とが有ります。 頻度的には単純性が圧倒的に多くなります。

ちなみに過体重は、異なった定義の言葉であり、 過体重は、筋骨の重量が体重に対して大きい状態と言えます。 この判別する為には体重、体脂肪量、除脂肪体重を推定する必要が有ります。


【肥満によるテストステロン低下の研究報告】
肥満に伴う男性ホルモン:テストステロンの低下は、海外においても盛んに研究され始めており、 肥満は総じてテストステロンを低下させる事がわかってきました。 欧米では、本邦と比較して、重症肥満者のパーセンテージが高く、その程度に関しては大きな開きがあります。 よって、機序を共通にしているにしても、その程度が異なるという可能性が有ります。 そのため、海外での研究報告を、そのまま日本に適応させる事には、注意が必要です。

本邦の報告においては、血中の総テストステロン量と遊離テストステロン量は、正常範囲の体重群に比較して、 肥満者の群では、統計的有意差を持って明らかに低下しており、 年齢に応じて発生する生理的なテストステロンの低下とは、独立して見られる内分泌障害で有る事がわかっています。 しかし、テストステロンの低下は、肥満度とは明確な比例関係が見いだせてはいません。 これは、テストステロンの分泌に関与する因子が、肥満や年齢以外にも無数に存在している事が、 ストレートな比例関係を見出しづらくさせている原因である可能性が有ります。
また、今回の検討上ではテストステロンの分泌上の上位ホルモンである、 LH:黄体化ホルモンの変化は確認されなかったとの事です。

また、食事に対する介入研究では、適切な食事によってEDならびに、 テストステロン値の明らかな改善が見られたと報告されています。


【テストステロン低下機序】
いくつかの機序が想定されており、研究結果としての裏付けが待たれている状況ですが、 まず、肥満者ではPRL:プロラクチンの分泌増加が有る事が確認されております。 このPRLがLHの受容体に結合してしまう為、 男性ホルモンであるテストステロンの産生が低下してしまう可能性が指摘されています。
また、肥満者では中枢性の内分泌障害が発生している可能性が有り、 その結果、LHの分泌が相対的に低下し、結果としてテストステロンの分泌が低下を来たす事も考えられています。
さらに、これら性ホルモンの運行とは独立して、脂肪細胞から肥満に応じて産生量が増加するレプチンが、 精巣におけるテストステロンの合成を低下させている可能性も指摘されています。


【肥満とEDの相関関係】
従来、肥満者におけるEDの発症は、 糖尿病・高血圧・脂質異常症などの動脈硬化性疾患の発症に伴う、二次的な関連が想定されていましたが、 肥満そのものがEDを発症もしくは悪化させる可能性が示唆されています。
実際に、米国の医療従事者2万人をサンプルに施行した研究では、肥満とEDの悪化には明確な正の相関があり、 EDの改善には減量が有効であることが確認されています。
上述のテストステロンなどの内分泌障害以外にも、 血管内皮機能障害による勃起作用の障害などが考えられております。

ちなみに糖質の過剰摂取によって肥満は発生し易いですが、 糖質の過剰摂取は直接的にもED/勃起不全を発症する可能性が有ります、 詳しくはコチラをご参照下さい⇒甘いものでED/勃起不全になるリスク


【対策】
原因治療的には、やはり減量(ダイエット)に尽きます。 ただ、減量(ダイエット)と一口に言っても、その難しさに関しては自己経験上からも把握されている方も多いかと思われます。 減量(ダイエット)は、漫然と取り組んで、奏功する事は非常に稀であり、 高度な計画性と継続する為のモチベーションの設定が不可欠であると言えます。
実際的には、運動主体で体重削減を図るのは難しいので、 食事コントロールを体重削減の主体として置いて、運動は優秀な地固め因子として活用する方が効率的です。 食事コントロール無くして体重のコントロールをする事はとても難しいとも思われます。

本質的な真実として、人間は根拠なく努力を継続する事は出来ません。 根拠とはモチベーションとも言いかえられます。 ダイエットにはモチベーションがとても大切です。 それはネガティブなものよりもポジティブなものの方が継続した力になります。 「健康な性生活を取り戻したい」と言うのは、十分なポジティブモチベーションになり得ると思われます。


肥満に伴う男性ホルモン:テストステロンの低下やNO合成障害による血管機能不全も、 男性にEDを発症し得ます。このような場合でも、バイアグラレビトラなどの勃起改善薬は効果的な事が多いです。 当院では、ED薬を処方するだけでなく、ご希望の方には、 生活習慣病の専門医が肥満対策の食事療法・運動療法をご教示致します。
また別項にて肥満男性のED/勃起不全に対する運動療法に関してまとめております。 是非とも、ご参照くださいませ⇒肥満男性のED/勃起不全改善の為のエクササイズ


written by れびとら処方なら新宿ライフクリニック.