分類

EDは大きく3種、小さく分けると7種の原因に分割されます。



EDの種類」

 

勃起不全の分類は原因治療上、大切です


<当ページの項目リスト>

  1. 【EDとその分類とは】
  2. 【EDの分類内容】
  3. 【タイプ判定のための検査】
  4. 【タイプに応じた治療】
  5. 【今後の勃起不全治療】

1.【EDとその分類とは】

EDには実は分類があり、原因によってそれは複数に分けられています。 この分類は大きくは器質性・心因性・混合性に分かれており、 さらに器質性EDは4種に分類され、 そのうちの血管性がさらに3種に分類されます。 EDの原因治療を検討した場合、こうした分類は非常に大切な意味を持ちます。


ED(イーディー)つまり勃起不全はすでに日本人の中に定着し、常用されている言葉です。 しかしこの疾患がどれだけの人の勃起機能を侵食しているのか、 またどういった原因分類で発症するのかについては一般への周知はまだまだと言えます。
EDはその疾患単体で人の生き死に関わるようなものではありませんが、 実は「生きがい」など日々を支える生活の要素に関わりが深いと報告されており、 このような「生きがい」を総じて医学的には「QOL=生活の質」と申しますが、 EDの存在はこのQOLを大きく下げ、日々の暮らしの「生きがい」を奪ってしまうと、 複数の研究・統計によって発表されています。


そんなEDですが、実は一言にEDと言っても、これは原因によって様々な種類に分類されます。 こうした疾患の分類は実は一般的には疾患の原因治療にはとても重要なものです。 例えば同じ外傷でも、分類された「切り傷」と「打ち身」では治療方法が違います。 「切り傷」に対して「打ち身」の治療が奏功しない事は容易に想像できると思われますが、 このように疾患は一般的に原因によってその最適な治療方法が変わるものです。 ただ外傷の「切り傷」と「打ち身」のように発症のエピソードと見た目で分類がある程度可能なものと違い、 EDは結果的には同じ勃起の不具合であっても、またその原因を分類するためには、 ある程度詳細かつ客観的な検査が必要な場合が多いです。


EDが上記の外傷の例と違う所としては、17年前にバイアグラがデビューした事によってその分類を問わず、 簡便かつ高い治療効果が示されるようになった事があります。 バイアグラによる治療効果の体験について は当新宿ライフクリニックでも数多くの患者さんから、 感謝の言葉とともに良くお伺いするものです。 しかし、そうした望ましい状況の中で新たな問題が副次的に生まれています。 それはバイアグラのような勃起改善薬によってもEDを改善できない患者さんが具体的な治療から取り残されてしまった事です。
分類を問わず包括的に改善を図るバイアグラ等で治療効果が見られない患者さんの場合、 そのEDの原因を分類し、その上で原因に対しての治療アプローチをする必要が出てきます。 そうした状況においてはEDの検査による原因分類の意味は相対的に大きくなります。


本稿ではそうしたEDの分類とその判定のために基本的に施行される検査、 またその分類に応じた治療方法などに関して詳しく解説をさせて頂いております。 宜しければ、ぜひご参照くださいませ。


2.【EDの分類内容】

EDの分類をする意味などに関して上記させて頂きましたが、 この疾患は実際どのような種類に分類されるのでしょうか?


まずEDは学会による現在の分類に従うと、大きく3つに分類されます。 それは「器質性」・「心因性」・「混合性」の3種です。 そしてこの「器質性」は血管性・神経性・解剖性・内分泌性の4種に分類され、 さらに「血管性」は動脈性・海綿体性・混合性の3種に分類されます。 これら器質性EDは、血管や神経の障害など人体の機能やシステムの障害によって発症するものを示します。


一方「心因性」は細かくは9種のサブタイプに分類されますが、 これは人体の機能やシステムの障害ではなく精神的問題、 例えばプレッシャーやストレス等、言わば心の問題から発症するEDを示すものです。


最後の「混合性」は、上記の心因性と器質性がともに存在する事で発症するEDを示します。 心因の場合は確定診断が難しいという性質もあり、心因を否定しきれないもので、 健在した器質的な要素を持つ方もこの分類に内包される傾向が有ります。


3.【タイプ判定のための検査】

上記にEDの分類に関して詳しく記述させて頂きましたが、 この疾患を分類するための検査にはどのようなものが有るのでしょうか?


こうしたEDの分類のための精査は主に5種に分かれます。 それは「病歴による調査」「身体所見による精査」 「海綿体注射・リジスキャンによる器質性と心因性の分類」 「超音波カラードプラによる血管性EDの精査」 「男性ホルモンなど内分泌の検査」 がその5種に該当します。


「病歴による調査」はとても大切で、例えば既往上に脊髄外傷があって、 明らかにそれ以降EDを発症しているという状況であれば神経性の可能性が高くなり、 これに特化した検査がさらなる病状の分類の為に進められて行きます。 ちなみに前立腺癌手術後などのエピソードも神経性を示唆する事が多いものです。


「海綿体注射とリジスキャンによる検査」ですが、じつは心因性EDの場合は器質的な問題が無いので、 海綿体注射のような陰茎に直接血管拡張薬を投与する検査では正常な勃起が見られるケースが多いです。 また心因性の場合はセックスの時にEDでも、夜間勃起現象つまり「朝立ち」は見られる場合が多く、 リジスキャンは夜間勃起現象を主にチェックする機械なので、 こうした心因性との分類上で海綿体注射とともに有用とされています。


「超音波カラードプラ―検査」は非破壊的に血流の流れを確認する事が出来るので、 血管性EDの動脈性・海綿体性・混合性の判別に有用な検査です。 こうした判定には3DCTなどの最新の画像技術が使用される場合もあります。


「内分泌の検査」に関してですが、例えばプロラクチン、甲状腺ホルモン、 テストステロンなどのホルモンの動態はEDの発症に関わりが深いとされており、 これらの採血による検査は、内分泌の問題によってEDが発症しているのかを分類する上で有用です。 このように複数の検査や調査によってEDはタイプ分類する事が出来ます。


4.【タイプに応じた治療】

上記にEDの分類をする上で代表的な検査など記載させて頂きました。 例えば、バイアグラのように分類とわず包括的に作用する薬剤が奏功しない場合には、 これらの検査の必要度が上がり、それによる分類に応じた治療方法が検討されます。


例えば内分泌の検査で明らかな男性ホルモン:テストステロンの低下が確認されている患者さんに関しては、 ホルモン補充療法は一つの原因治療になる可能性が有ります。
また超音波検査や3DCTによって動脈障害がEDの原因と分類された場合には、 動脈バイパス手術など手術的方法によって、状況を改善させられる可能性が有ります。
また海綿体注射やリジスキャンなどによって心因性EDと分類された場合、 バイアグラなどのPDE5阻害薬以外の治療オプションとして、 脱感作療法、感覚焦点法、カップル療法、行動療法などの精神療法も検討されます。 ただ当院も含めてEDの精神療法に対応している施設は少なく、 心因性における勃起改善薬の有効度の高さから、 これら精神療法が選択される事は多くはありません。


他、バイアグラ同様にED分類のタイプに応じない治療として陰茎海綿体注射、 陰茎プロステーシス挿入術(手術的治療方法です)、陰圧式勃起補助具などが挙げられます。 しかしこれらの治療方法は合併症の多さや手技の煩雑さから、 精神療法同様に適応されるケースは多くはありません。


5.【今後の勃起不全治療】

以上、EDの分類に関して、そして分類のための検査、 またそれに応じた治療などに関して概説させて頂きました。


実はED治療はいまだ未発達と言えます。 その治療内容の比重は、 バイアグラ・レビトラ・シアリスなどの勃起改善薬に大きく依存している状況は否めず。 EDの分類に応じた安全かつ簡便な治療は今だ、 これら勃起改善薬を代勘し得る存在感のあるものは希薄です。
しかし冒頭でも述べたようにセックスが人間の生きがいなどQOLに大きく影響したり、 性ホルモンを介して人間の認知機能や身体の維持に大きく影響するという現状を考えますと、 EDの治療はその分類に応じてもっとバリアブルに、もっとシステマティックに発達する必要があり、 それは突き詰めると個人個人に応じたオーダーメイド的医療とでもいうべきものになります。


じつは医療全体を俯瞰すると現在は大きな技術変動期と言えます。 それは再生医療などの細胞、よりミニマムな領域への治療アプローチが、 どんどん具体的になって来ている事など多くの医療技術に及ぶ話です。 それらの中にはEDの改善に応用可能とされるものもあり、今後の10年で、 過去にバイアグラが出た時のようなインパクトのあるED治療が生まれる可能性が期待されています。
そしてそれは、バイアグラのような分類を問わずに作用するものと言うより、 よりターゲットが細分化された、 EDの分類に従ったオーダーメイド的な概念のものになると思われます。


新宿ライフクリニックからは適宜、 こうした最新のED治療などに関しても、 インフォメーションを続けさせていただきたいと存じます。
またEDで悩まれている方は新宿ライフクリニックへのご来院を心よりお待ちしております。