うつ症状との関連

抑鬱気分や興味関心の低下などの精神状態はEDリスクの一つとして認識されています。



EDリスクの一つ」

 

うつ症状は勃起不全の発生危険因子の一つです。


<当ページの項目リスト>

  1. 【EDリスクとうつ症状】
  2. 【うつ症状とは】
  3. 【EDリスクとの関連に関する研究報告】
  4. 【なぜにこれらは関連するのでしょうか?】
  5. 【予防のために】

1.【EDリスクとうつ症状】

EDリスクにうつ症状がある事が認識されています。 これは抑鬱気分や興味関心の低下など気分障害を慢性的に来した人に、 ED発症のリスクが高まるという事を示しています。 また逆にEDがある人はうつ症状を来すリスクが高くなるとも報告されており、 この二つの状態は相互に行きかう可能性が高いとされています。


EDもうつ症状も非常にポピュラーな状態で、男性においては生涯有病率のリスクがどちらも髙いです。 実はこれらの間には強い関連性が研究上も報告されており、 日本性機能学会の編纂するED診療ガイドラインにおいても、 勃起不全の代表的な13種のリスクファクターの中に、このうつ症状が内包されています。 うつ症状とは詳しくは後述しますが、鬱病に伴う抑鬱気分などの事を示しています。 こうした状態である事は、そのまま鬱病の確定診断になる訳ではなく、 鬱病の診断にはまた別に厳密な診断基準があり、 またその診断はメンタルヘルスを専門とする医師によってなされます。 鬱病の診断に至らないまでも鬱病に典型的なうつ症状が存在する事自体が、 EDリスクに相当するという訳です。


うつ症状として典型的に見られる気分障害を常態的に示す人において、 EDリスクが高まるという事実は様々な研究でわかるようになったのですが、 実はこのうつ症状はEDリスクなだけでなく、 心血管疾患などの重病の発生とも関連が深いと報告されており、 多角的な身体への悪影響があるとされています。 抑鬱気分や関心の低下などのネガティブな気持ち、 つまりうつ症状がEDや心血管疾患などのリスクを高める事は、 これら精神面を中心にした病態を軽んずるべからずという体からの警告とも思われます。 本稿ではそれを踏まえ、これらの詳細に関して解説しております。 どうぞご参照くださいませ。


ちなみにうつ症状などの精神面のリスクで発生する勃起不全は心因性EDといって、 勃起不全の原因分類の大きな一角をなすものです。 心因性EDは比較的他の原因のものと違って勃起改善薬が奏功しやすい傾向が有りますが、 昨今は通販による偽造品がとても増加しているので、 これら勃起改善薬は偽造品の健康被害リスクを考えて、 必ず正規のものを使用するようお願い申し上げます。


2.【うつ症状とは】

EDリスクの一つとして認識されるうつ症状とは、 鬱病に典型的に見られる精神状態の事を示しています。 また上記したようにうつ症状がある事がそのまま鬱病の確定診断になるという訳ではなく、 鬱病の診断には専門家による高度な判断が必要です。


その一部をここに説明致しますと、 いわゆる典型的な鬱病は大鬱病性障害と言いますが、 大鬱病性障害とは①抑鬱気分、②興味関心の低下、③睡眠障害、④食欲不振もしくは過食、 ⑤精神運動性の抑制か焦燥、⑥易疲労感もしくは気力の減退、⑦思考力もしくは集中力の低下、 ⑧無価値感、⑨自殺念慮、  これら①-⑨に代表される多彩な精神状態が一日中もしくはほぼ毎日あるいは、 少なくとも2週間以上持続する状態を示します。 EDリスクに関連したものとして、 この大鬱病性障害では性欲などの減退がほとんどの患者に認められるとも報告されています。 上記①-⑨の病状の内①と②を必須として、 メンタルヘルスの専門家から見て5項目以上当てはまれば大鬱病性障害と診断されるとの事です。


EDリスクに関連する代表的なうつ症状としては、 やはり①の抑鬱気分と②の興味関心の低下が主体のようです。 ちなみにこの抑鬱気分という、うつ症状は少しわかりにくいと思われますが、 一般的には「気分が落ち込んでいる」と表現されるような憂鬱な気分を示す状態です。
まとめると、こうした「気分が落ち込んでいる」 などのうつ症状が慢性的になるとEDリスクになってくるという訳です。


3.【EDリスクとの関連に関する研究報告】

上記で説明させて頂いたうつ症状がEDリスクになるという事実は、 複数の研究報告によって指摘されているものです。


まずマサチューセッツ男性加齢研究というアメリカにおける大きな疫学調査があるのですが、 この1265名、40~70歳の地域住民調査においては、 うつ症状によるEDリスクは調整後のオッズ比で1.82倍と強い関連性が確認されたとの事です。 同様の調査が日本の4都市でも実施されており、 こちらは1419名の40~64歳の男性で検討されたものですが うつ症状によるEDリスクは多変量解析による調整オッズ比において、 上記のマサチューセッツ男性加齢研究を超える2.02倍が示されたとの事で、 同様にこれらの強い関連性が確認されたとの事でした。


一方、非常に興味深いのはアイルランドにおける研究ですが、 5年間、地域住民1380名を追跡調査した所、 調査開始時にうつ症状の無い人で、勃起不全が発生した人は千人中37人だけだったのに対して、 うつ症状がある人で、勃起不全が発生した人は千人中59人と明らかに多かったとの事で、 上記の報告同様にEDリスクへの高い関連性を示したとの事です。 また逆に、 調査開始時に勃起不全が無い人で、うつ症状が発生した人は千人中11名だったのに対して、 勃起不全がある人で、これが発生した人は千人中20名とこれも明らかに多かったとの事でした。 このアイルランドでの検討の結果は、EDとうつ症状は互いにリスクを持つ、 双方向性の関係にある事が示唆され、 つまりEDのある人はうつ症状を引き起こすリスクがあり、 一方うつ症状のある人はEDを引き起こしやすくなるというリスクがある事が判明しました。


このようにEDリスクとうつ症状の間に濃厚な関係性が有る事は、 世界中の複数の研究によって確認されており、 そうした背景をもってうつ症状は日本性機能学会編纂のガイドラインにおける、 ED発生の代表的なリスクファクターの一つとして加えられました。


4.【なぜにこれらは関連するのでしょうか?】

上記にうつ症状がEDリスクとなるという根拠となった複数の研究報告について記載しましたが、 それではうつ症状はどのようなロジックでEDリスクになるのでしょうか?


性欲の低下は直接的なEDリスクですが、 この性欲とうつ症状における憂鬱な気分などの情動は、 同じ中枢神経の視床下部また大脳辺縁系などでコントロールされています。 情動は実はとても複雑なシステムで、複数の脳領域が複合的に関与する事で発現するとされています。 うつ症状がEDリスクとなるロジックに関しては、 この状態による憂鬱な気分などの情動が視床下部や大脳辺縁系における、 神経活動を圧排してしまう事で、勃起の根源たる性欲を引き起こす事が難しくなってしまい、 直接的なEDリスクである性欲の低下が発生する事で勃起不全に至るのではないかと推察されます。


また2.【うつ症状とは】に記載しましたが、大鬱病性障害においてはそのほとんどの方が、 性欲などの情動が減退する事が指摘されており、 その髙い頻度からすると性欲の低下によるEDリスクは、 ベースとして大鬱病性障害に随伴するものと考える事もできそうです。


また事態を複雑にしている要因でもありますが、 大鬱病性障害の治療方針の中には薬物的治療が内包され、 これの治療に使用される三環系抗鬱薬、SSRI、MAO阻害薬、 また催眠鎮静薬のバルビツール系などの薬剤もまたEDリスクになると報告されております。 うつ症状自体がEDリスクですが、 これらが双方向性の関係がある上に、 さらにうつ症状をコントロールする薬物療法もまたEDリスクになるという、 きわめて多角的かつ複雑な関係性です。


ちなみに抗鬱薬のコントロールは非常に難しく、 そこはプロフェッショナルな要素がとても強いので、もちろん他の処方箋医薬品もそうなんですが、 処方された抗鬱薬などの服薬内容を自己判断で調整したりする事は非常に危険なので、 自己判断での服薬内容の調整は必ずされないよう、 また調整を希望する場合は必ず主治医の先生とご相談されるようお願い申しあげます。


5.【予防のために】

以上、うつ症状とEDリスクについて、 研究報告や関連性のロジックなどに関して記載させて頂きました。


うつ症状によるEDリスクの予防に関しては、 やはり出現早期の内にEDリスク予防のための介入をされた方が望ましいと思われます。 それは状態が軽いうちにカウンセラーやメンタルヘルスの医師の介入を加える事で、 これによるEDリスクを抑制できる可能性があるという事です。
うつ症状のマネジメントに関しては、まず血管の問題など器質的要因の検索そして治療がまず検討され、 それらが無く、かつうつ症状が心因によるものであると判断された場合に、 カウンセリング、精神療法、作業療法、状況因への介入、そして薬物療法が検討されます。


しかし上記4.【なぜにこれらは関連するのでしょうか?】の末尾に記載した通り、 うつ症状の薬物的コントロール自体がEDリスクになってしまう場合があるので、 うつ症状に関して薬物治療が適応された際には、使用薬剤に関する説明をしっかり聞いた上で、 メンタルヘルスの主治医と緊密に連絡を取り合い、 その種類や量を調整される事が薦められます。


ちなみに薬剤リスクによるものでも、うつ症状によるものでも、 勃起改善薬によるEDのコントロール成績はどちらにおいても非常に良好とされております。
うつ症状、もしくは薬剤によるEDリスクでお悩みの方はどうぞ当 新宿ライフクリニックにご相談にいらして下さい。 当院は安い価格で、 正規国産の勃起改善薬をご用意できる保健所認可の正規勃起不全治療施設です。