『うつ症状でEDは発症します。日本性機能学会専門医が解説する、うつ症状に伴って勃起不全が起きる2つの原因とその対策』

勃起不全の原因の説明

うつ症状が原因となってEDが発症する事が有ります。 またこの状態に対して投薬される抗うつ薬もEDの発症原因になる事があります。


うつ症状は 『心理的および精神疾患的要素』 として、 また抗うつ薬は 『薬剤』 として、 どちらも日本性機能学会が編集する 『ED診療ガイドライン』 にインポテンツのリスクファクターとして記載されています。


リスクファクターとは 『ある特定の疾病を発生させる確率を高めると考えられる要素』 とされていますので、 『うつ症状』 、また 『抗うつ薬』 によって、勃起不全の発生する確率が高くなるという事になります。


こちらでは日本性機能学会専門医が、何故これらが原因となって勃起不全が起きるのか?
またその場合はどのような対策があるのか?
これらについて分りやすく解説をさせて頂いております。


宜しければ、ご一読下さいませ。


<当ページの項目リスト>

  1. 【うつ症状自体が原因になります】
  2. 【うつ症状が原因となっている場合の対策】
  3. 【うつ症状に対する投薬も原因になる事が有ります】
  4. 【うつ症状に対する投薬が原因となっている場合の対策】

1.【うつ症状自体が原因になります】

うつ症状は勃起不全の原因になる場合が有ります

まず 『うつ症状』 自体がED発症の原因になります。


この症状は一般的に 「気分が落ち込んでいる」 と表現されるような 『憂うつな気分』 が代表的ですが、 考えて見ると、誰しも一時的にこうした気分になる事は有りますよね?


しかし、これはごく一時的な気分によって勃起不全になってしまうという事では有りません。
こうした気分が 『慢性的』 に発生している状況が本疾患の原因になります。


こうした気分が慢性的になってくると、脳の内側視索前野、また扁桃体などの 『性行動の中枢』 において、 代謝機能の低下がみられるようになり、その結果としてインポテンツが引き起こされると考えられています。


ちなみに、必ずしも 『うつ症状』 はイコール 『うつ病』 という訳では有りません。 うつ病の診断にはこうした症状の存在だけでなく、その他に多岐にわたる基準があり、 それはメンタルヘルスの専門医によって判定されます。


2.【うつ症状が原因となっている場合の対策】

心理カウンセリングは対策として有用です

『うつ症状』 自体がEDの原因になっている場合は、 もちろん、こうした気分のコントロール自体がそのままEDへの対策となります。


どのようにして、こうした慢性的に続く 「気分が落ち込んでいる」 と表現されるような 『憂うつな気分』 をコントロールしたら良いのでしょうか?


それにはまず、こうした気分になる 『根拠』 (仕事や対人関係などの悩みである場合が多いです) があるようでしたら、 その根拠となるもの自体の解決や改善に向けた介入が望ましいでしょう。


しかし、なかなか仕事や対人関係の悩みなどは、即時の解決は難しいケースが多いかと存じます。
それでは、そうした根拠となるもの自体への解決や改善が上手くいかない場合、
あるいはこうした根拠自体が思い当たらない場合はどうしたら良いのでしょう?


その場合は、まずは専門家によるカウンセリングをお勧めいたします。
臨床心理の専門知識を持つ第三者によって気持ちを 『整理』 してもらう事は、 想像する以上に大きな意味が有ります。


それでも気分のコントロールが上手くいかない場合は、各治療方法を検討しましょう。
これは代表的には精神療法・薬物療法などが有ります。 カウンセリングを担当して頂いた専門家をガイドに、こうした治療をメンタルヘルスの医師に相談してみましょう。


ただ、この薬物療法に関しては後述しておりますが、 こうした 『気持ち』 をコントロールする製剤自体が薬剤性勃起不全の原因となる場合も有りますので、 その適応は主治医の先生とよくご相談された方が宜しいでしょう。


また残念ながら、こうした治療によっても気分のコントロールが上手くいかず、 結果としてインポテンツが改善しなかった場合ですが、 これは原因への直接的なアプローチにはなりませんが、
バイアグラなどのPDE5阻害薬による、インポテンツの一過性の改善も対策として検討されます。


3.【うつ症状に対する投薬も原因になる事が有ります】

抗うつ薬がEDの原因になる場合が有ります

うつ症状に伴ってEDが起きる原因、その二つ目は、
こうした症状の調整目的で投薬される 『抗うつ薬』 です。


抗うつ薬のすべてが原因になる訳では有りませんし、 勃起不全にとってうつ症状の薬物調整が望ましい場合も有ります。 しかし、時にこうした製剤がインポテンツの明確かつ主要な原因となっている場合が有るのです。


なぜに抗うつ薬がこのような事態を引き起こすのでしょうか?
それは、抗うつ薬がその薬理作用によって 『ドーパミン活性の低下』 また 『セロトニン量の増加』 などを起こす事によって、 脳における性行動中枢の活動を抑制し、 その結果としてインポテンツを引き起すからです。


ちなみにうつ症状に対して既に抗うつ薬が投薬されている状態ですと、 結果的にはどちらの原因に由来したEDなのか分かり難くくなってしまう事も有ります。


それ故に、勃起不全の調整目的で、うつ症状のコントロールをする場合は、 まずは薬物療法以外のアプローチをされた方が、状況は整理しやすいとも言えます。


4.【うつ症状に対する投薬が原因となっている場合の対策】

抗うつ薬の調整は対策として有用です

うつ症状に対する 『抗うつ薬』 の投薬が勃起不全の原因となっている場合、 この薬剤の調整自体がその対策となります。


抗うつ薬は自分で勝手に中止しては絶対にいけません。
せっかくコツコツとコントロールを進めていた症状が同薬の自己中断によって、 もとに戻ってしまったり、あるいは以前より増悪してしまう事が危惧されます。


また抗うつ薬の中には突然服薬を中断するで様々な離脱症状を示す製剤も有ります。 本剤の自己中断はとても危険です。絶対にしてはいけません。


こうした薬剤の調整は、処方して頂いているメンタルヘルスの先生と相談しながら、 ゆっくりと進めて行きましょう。
具体的には、より勃起不全発症リスクの少ない製剤に切り替えてみたり、 あるいは種類はそのままで薬用量を少し下げてみたりと、 それぞれの症状を見ながらゆっくりと調整して頂く事をお勧めいたします。


また、上記の 『うつ症状』 の調整と同様になりますが、 抗うつ薬の調整が出来ない、 もしくは調整によってもEDのコントロールが上手くいかなかった場合においては、 これは原因への直接的なアプローチにはなりませんが、 バイアグラなどのPDE5阻害薬によるインポテンツの一過性の改善も対策として検討されます。


以上、うつ症状に伴い勃起不全が発症する2つの原因、 そしてそれぞれの対策に関して解説させて頂きました。


『うつ症状』 はEDの原因になりますが、逆にEDもまた 『うつ症状』 の原因になり得ます。
実はこの二つの状態は双方向性の関係にあるのです。


この二つの状態に関して共通して言えるのは、 『改善のための介入は早い方が良い』 という事です。 どちらも早期あるいは軽症での介入が望ましいので、お悩みの方は早々に各専門家へのご相談をお勧めいたします。

(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2019-10-15)


日本性機能学会専門医証
※日本性機能学会について詳しくはこちら
新宿ライフクリニック院内看板
※新宿ライフクリニックについて詳しくはこちら