前立腺肥大症

本疾患はED発症リスクの一つです。



EDリスクの一つとして認識されています。」

 

前立腺肥大症は勃起不全発症原因の一つです。


<当ページの項目リスト>

  1. 【EDリスクと前立腺肥大症の関連】
  2. 【なぜ前立腺肥大症はEDリスクなのか】
  3. 【その治療自体も影響する事があります】
  4. 【改善のためには】
  5. 【今後の傾向として】

1.【EDリスクと前立腺肥大症の関連】

ED/勃起不全にとって前立腺肥大症は代表的なリスクファクターの一つです。 この疾患は下部尿路症状を伴う事により、 骨盤内血管床の虚血や交感神経の過活動などを発生させて、 血管性・神経性に跨るEDを発症させるリスクがあると言われています。 また前立腺肥大症に選択される治療法の中には、 これ自体がED発症リスクとなるものもあります。


EDも、そして前立腺肥大症(BPH:benign prostatic hyperplasia)も非常にポピュラーな疾患で、 どちらも男性にしか発症せず、 かつ加齢とともに発症リスクが増加するというを多くの共通した特徴を持ちます。
この二疾患がどのくらいポピュラーかと言うと、 EDは日本人男性総人口の内1100万人、 つまりおおよそ5から6人に一人が罹患するリスクがある疾患であるのに対して、 前立腺肥大症は日本人男性総人口の内480万人、 つまりおおよそ12から13人に一人が罹患している疾患と報告されており、 皆様自身にもしくは皆様の周囲の人にEDもしくは前立腺肥大症の罹患者が存在するリスクは結構高いです。
このどちらも加齢による影響で発症しやすい疾患ですが、前立腺肥大症に関してはその影響はとても顕著で、 50歳以上の男性では5人に一人が本疾患を持つとされています。 EDの加齢リスクに関しては別項にて詳細に記載しておりますので、 よろしければご閲覧くださいませ。 ⇒加齢の影響


この前立腺肥大症はED発症リスクがとても髙いとされていて、 日本性機能学会が規定する勃起不全の13個のリスクファクターにも内包されており、 その影響もあって50歳以上の場合のED診断時には、 前立腺肥大症の触知所見の採取が推奨されています。
このEDリスクに関連する前立腺肥大症はどのような疾患かと言うと、 加齢とともに内腺がだんだんと大きくなっていくのが病像の主体ですが、 元々この内腺が尿道周囲を取り巻くように分布しているため、 これが大きくなる事によって尿道すなわちおしっこの通り道がだんだんと狭くして行きます。 その結果、前立腺肥大症には下部尿路症状と言う排尿障害が伴うようになり、 それとともにEDリスクが上昇していきます。


この前立腺肥大症の治療は大きく分けて、薬物治療と手術治療の二つに分かれますが、 実はこのどちらもがEDを起こすリスクがあるものを含んでいます。 この内容に関して、詳しくは後述しますが、 前立腺肥大症自体がEDリスクを持ち、その治療もまたEDリスクがあるため、 この二疾患は多角的関連性を持ちます。


本稿ではこの前立腺肥大症のEDリスクを主題に、その発症機序、またその治療における勃起不全への影響、 そして前立腺肥大症によるEDリスク改善の方策などに関して記載させて頂いております。 どうぞご参照くださいませ。

≪自己調整・自己中断は危険です!≫

*本稿では前立腺肥大症の薬物治療の一部がEDリスクとなる可能性に関して記載しておりますが、 これはこうした投薬を自己調整したり、自己中断したりを推奨するものでは全くありません。
前立腺肥大などに対する処方箋医薬品、 つまり医師から処方された医薬品の自己調整・自己中断は非常に危険であり、 また現疾患である前立腺肥大症、またその症状の増悪を招く事があるので、 必ずこれらの自己調整・自己中断はされないようお願い申し上げます。
EDリスクに関連してこれらの調整を希望される場合には、 必ず処方元の主治医と相談の上進められるよう重ねてお願い申し上げます。


2.【なぜ前立腺肥大症はEDリスクなのか】

冒頭より前立腺肥大症(BPH:benign prostatic hyperplasia) がEDリスクになると記載させて頂いておりますが、 なぜにこの疾患は勃起不全の発症に関連するのでしょうか?


それは前立腺肥大症の存在によって発生する下部尿路症状がEDリスクの直接の原因とされています。 本疾患の進展によって内腺の増大が進行して行き、段々と尿の通り道がふさがって来ますと、 前立腺肥大症の進展に伴い排尿障害に代表される下部尿路症状が引き起こされるようになります。 これはおしっこの出口が狭まる事で尿意があってもおしっこが出ずらい、もしくは出ない状態であり、 結果として尿をストックする役割の膀胱が慢性的に大きく拡張した状態になってきます。
この膀胱は骨盤という丈夫な骨によって区画された部位にあり、 その中で前立腺肥大症により膀胱が膨らんでいく事は、 他の組織や臓器を圧迫して、部位によっては虚血すなわち血のめぐりを悪くしていきます。 これを前立腺肥大症による骨盤内血管床の虚血と言いますが、 勃起機能の重要な関連システムもこの骨盤内にあるので、 こうした変化の結果、関連システムの虚血による血管性ED発生のリスクが段々と上がってきます。


その一方で前立腺肥大症による膀胱の慢性的な拡張は交感神経の活動を慢性的に引き上げてしまいます。 これを交感神経過活動といいますが、 じつは勃起というシステム自体、交感神経などの自律神経によってコントロールされてますので、 こうした前立腺肥大症による自律神経の乱れは、実は神経性ED発症のリスクを上げてしまいます。
そのほか前立腺肥大症によるED発症リスクの機序としては、 NOS/NOの低下やRhoキナーゼのup regulationなど、 勃起に関わる体内の生理物質の変調によるものが想定されています。


3.【その治療自体も影響する事があります】

前項にて前立腺肥大症(BPH:benign prostatic hyperplasia)が、 ED/勃起不全リスクとなるその機序に関して記載させて頂きましたが、 実は疾患自体だけでなく、この疾患に対する治療もまた勃起不全を引き起こす可能性があるのです。 前立腺肥大症に対する薬物治療・手術治療、どちらもこうしたED発症リスクが報告されています。


まず前立腺肥大症の薬物治療に関してですが、本疾患に標準的に使用される事が多いα1遮断薬は、 頻度的に多くはないもののED発症リスクが報告されている薬剤です。 また同じく前立腺肥大症に標準的に使用される事が多い5α還元酵素阻害薬という、 男性ホルモンの代謝物を一部ブロックする系統の薬剤は、 上記のα1遮断薬よりも比較的高頻度なEDリスクが指摘されています。


一方、前立腺肥大症に対する手術治療ですが、 経尿道的切除術という手技は本疾患に標準的に施行される手術の一つですが、 この手技には、実は2~10%の前立腺肥大症術後のED発症リスクがあると報告されています。 その他にも本疾患にはホルミウムレーザー核出術など多数の手術治療方法がありますが、 いずれの前立腺肥大症に対する手術治療法もED発症リスクが指摘されています。 ただすべての本疾患に対する外科的処置が同じ頻度で勃起不全を引き起こすわけではないらしく、 報告する施設や手技によって前立腺肥大症手術にともなうEDリスクは可変的です。


またこれら手術治療に関しては、複雑な事に勃起不全を引き起こすリスクと、 前立腺肥大症に伴う下部尿路症状の改善によってEDを改善させる可能性、 そのどちらもが有るとされています。 本疾患にともなうEDリスクがある方で手術的治療を選択される際には、 その施設において提示されるそれら前立腺肥大症の手術治療法における、 EDを引き起こすリスクとそれを改善させる可能性に関してそれぞれよく聞いておく必要が有ります。 治療法を選択するにはこのバランスが重要で、 これらの情報をしっかりと手術担当医に聞いてから、 ご本人にとっての最善の前立腺肥大症に対する処置を選択するのが望ましいです。


4.【改善のためには】

前項にて前立腺肥大症(BPH:benign prostatic hyperplasia)自体、 またそれに対する治療もED発症リスクがある事を記載させて頂きました。 それでは、本疾患に関連した勃起不全はどのように改善したらよろしいのでしょうか?


実は前立腺肥大症とそれによるEDリスクがそろっている状態には、 バイアグラ・レビトラ・シアリス・シルデナフィルに代表されるPDE5阻害薬が非常に効果的です。 なぜならばこれらPDE5阻害薬はEDリスクの改善にも、また前立腺肥大症に伴う下部尿路症状どちらにも、 改善効果が報告されているからです。 前項に記載したα1遮断薬や5α還元酵素阻害薬の方が、相対的にこれらバイアグラ等のPDE5阻害薬よりも、 前立腺肥大症に伴う下部尿路症状の改善効果は高いと思われますが、 PDE5阻害薬はこれらの薬剤のようにEDを引き起こしてしまうリスクが無いどころか、 勃起不全を改善させる作用が主体なので、 前立腺肥大症とそれによるEDリスクがそろった状態には、 バイアグラ等のPDE5阻害薬をお試しになるのはとても有意義です。


あとは前立腺肥大症自体に対するアプローチですが、 本疾患に対する手術療法は薬物療法と違い抜本的な改善を見込める治療方法です。 しかし手術療法には前述のようにED増悪リスクとその改善の可能性がともにあるので、 すでに前立腺肥大症による勃起不全を発症している方においては、 その選択は特に慎重に考える必要があります。
現在は前立腺肥大症に対する手術療法はその選択肢がとても多いのですが、、 前述のように施設によって、 また手術療法によって、 報告されているED増悪リスクとその改善に関してのパーセンテージはそれぞれ違う傾向が有ります。


すでにEDを発症していて、前立腺肥大症に対する手術療法を検討されている方は、 本疾患の手術療法の選択肢が多い施設、かつ手術成績の良い施設を選択される事をお勧め致します。 そもそも手術療法によってED増悪リスクと改善リスクが違うにしても、 前立腺肥大症に対する手術療法のバリエーションが限定されてしまう小さな施設では、 自分の望む処置を選択する事が出来ない可能性が有りますし、 前立腺肥大症の手術成績の良い施設はそれなりの件数をこなしているので、 手術合併症であるED発症リスクも低い可能性が見込めます。
ぜひEDを伴う前立腺肥大症の手術療法の際には、 選択肢が多い施設、かつ手術成績の良い・リスクの少ない施設にご相談下さいませ。


5.【今後の傾向として】

以上、前立腺肥大症(BPH:benign prostatic hyperplasia)によるED/勃起不全リスクに関して、 その発症原因や改善のためなどに関して記載させて頂きました。


今後、想定される傾向として、 日本は超高齢化社会がどんどん進行中ですので、 加齢的なリスクをもって発症しやすい、 ED・前立腺肥大症どちらも、 その罹患者数はどんどん増加していくものと思われます。


現時点でED発症リスクが男性の5から6人に一人、 前立腺肥大症が男性の12から13人に一人が罹患しているという、 超多数派疾患であるのに、さらにこれが増加するという事は、 このEDと前立腺肥大症に関しては、 既にこれらが国民病になるというリスクを孕んでいるとも言えるでしょう。
こうしたEDリスクに関連しての対策の一つとして、上記4.【改善のためには】に記載した通り、 バイアグラ・レビトラ・シアリス・シルデナフィルに代表されるPDE5阻害薬は、 EDリスクにとっても前立腺肥大症にも改善効果をしめす事が多いと報告されているので、 これらPDE5阻害薬を積極的に活用していくのは一つ前向きな対策と言えるのではないかと思われます。


しかし現状、これらED専用のPDE5阻害薬は保険外診療の適応になってしまうので、 一般の病院や泌尿器科では取り扱えないというリスクが有ります。 前立腺肥大症に伴うEDリスクに対してPDE5阻害薬処方希望の際はお気を付けくださいませ。
なおこの「EDリスクとしての前立腺肥大症」というテーマに関しては、 さらなる知見が蓄積しましたら、皆様に再度インフォメーションさせて頂きたいと存じます。


当新宿ライフクリニックは東京はJR新宿駅前にあるED専門クリニックで、 日本国内でも5本の指に入るPDE5阻害薬処方実績のクリニックです。 当院は保健所認可の正規医療施設としてED治療の専門性も高く、 前立腺肥大症によるEDリスクでお悩みの方など多数の患者さんの勃起不全加療に関わってきました。 このような状態でお悩みの方はぜひとも当院へのご来院をご検討下さいませ。