健康保険は使えません

ED/勃起不全の専門加療における処方や処置は基本的に自己負担です。



ED加療は基本的に自費でのお支払いです」

 

勃起不全は自由診療つまり健康保険の適応外です。


<当ページの項目リスト>

  1. 【健康保険の適応外とは】
  2. 【ED加療の主な内訳】
  3. 【健康保険の使えるED加療はあるの?】
  4. 【自分で出来る改善策とは】
  5. 【それほど高いものではありませんよ!】

健康保険証

※ED加療に健康保険証はつかえません


1.【健康保険の適応外とは】

ED加療は健康保険が基本的に使えません。 勃起改善薬(ホスホジエステラーゼ5阻害薬)の処方、 陰茎海綿体注射、陰圧式勃起補助具、陰茎プロステーシス挿入、 これら代表的なED加療では例外なく健康保険が使えず、 支払いは自費の自由診療です。 ゆえにこれらのED加療では健康保険証の提示も必要ありません。


みなさんは「自由診療」をご存じですか? これは健康保険、つまり健康保険法に基づく社会保険を使用する事ができない、 医師によって提供される一連の医療サービスの事です。
身近な例で言うと、例えばインフルエンザの予防接種やレーシックなどの近視手術、健康診断、 通常の妊娠・出産は実は健康保険の適応外です。 ED/勃起不全/erectile dysfunctionの加療はこの予防接種などど同様に自由診療に入る疾患カテゴリーで、 ED加療に関連したお支払いは全額自分で支払う事になります。 つまりED加療では、例えば高血圧みたいに3割を自分で支払って、 7割を健康保険が支払ってくれるような事はないという事ですね。


もちろん、ED加療に関連した薬剤や道具、 手術は健康保険の適応外とは言っても、これらは完全に厚生労働省のコントロール下にありますので、 キチンとした施設のキチンとしたED加療であれば、さほど心配するような事はありません。 ただこれらの支払いのすべてが自分の負担になるという事なのです。 (世の中にはキチンとしていない施設のキチンとしていないED加療もありますので要注意!)
例えば、健康保険証を使用して高血圧で受診し、薬剤の処方を受けたとします。 その場合のご自身の支払いとは 「初診料・再診料・外来診察料・生活習慣病管理料・調剤料・処方料・薬剤料」などが合算されて、 その上で健康保険が負担してくれる分を引いたものが該当しますが、 一方の健康保険の適応外であるED加療の場合はこうした支払いのすべてが自己負担という事なんです。


こう聞くとED加療ってすごくお金がかかりそうですね。 でもご安心下さい! ED加療関連のクリニックで勃起改善薬の処方を受けるに当たり、 初診料・再診料はさておき、調剤料・処方料まで取っている所は聞いた事が有りませんし、 当新宿ライフクリニックに至ってはED加療の初診料・再診料も取っていません。 新宿ライフクリニックで勃起改善薬を処方する場合は、薬剤料のみのお支払いです。 つまり必ずしも「健康保険の適応外=すごく高い」という図式ではありませんので、 勃起改善薬を試してみたい方は、 まずはED加療で受診を検討している施設の料金表を熟読される事をお勧めします。


2.【ED加療の主な内訳】

前項では、ED加療は健康保険の適応外で、 その費用負担はすべて治療を受ける本人の支払いになると解説させて頂きましたが、 この健康保険が適応されないED加療には詳細にはどのようなものが有るのでしょうか?


ここではED加療に代表的に使用される薬剤・器具・注射・手術に関して解説しますね。

  1. 《薬剤》
    まずED加療に使用される薬剤は、ホスホジエステラーゼ5阻害薬という名称に分類される内服薬が主体です。 この薬剤はホスホジエステラーゼ5という酵素を阻害する事で、 ペニスに限局された血管拡張を引きおこし勃起を改善させます。 現在、日本の厚生労働省の正式認可があるED治療薬はこのホスホジエステラーゼ5阻害薬だけであり、 こうしたカテゴリー分類外でED治療薬を称するものは厚生労働省管轄のものではありません。 (通販などのED治療薬は偽造品が多いので要注意です!) これらは薬価未収載品つまり薬剤料を健康保険で負担出来る設定になっていません。 つまりホスホジエステラーゼ5阻害薬は健康保険の適応外なんですね。
  2. 《器具》
    次にED加療に使用される器具をご紹介しますと、これには「陰圧式勃起補助具」というものが有ります。 これはポンプ付きのシリンダーの中にペニスを入れてポンプでシリンダー内を陰圧にする事で陰茎を膨らませ、 ペニスの根本をゴムで絞る事で、その状態をキープするいわば疑似勃起的状態を作るED加療用の器具です。 この道具は管理医療機器として厚生労働省の管理下にありますが、 ED加療薬同様に健康保険の適応外ですので、自費での購入です。
  3. 《注射》
    次にED加療に使用される注射をご紹介しますと、これは血管拡張薬をペニスの海綿体に直接注射する事で、 勃起を改善させる方法で、正式な名称を「陰茎海綿体注射」といいます。 血管拡張薬は基本はプロスタグランジンE1という製剤が使用される事が多いです。 この注射は勃起不全の診断検査に関しては健康保険の適応となってますが、 ED加療を目的とした自己注射の場合は全例が臨床試験扱いとなるので、これも健康保険の適応外です。
  4. 《手術》
    最後にED加療で行われる手術をご紹介します。 これは「陰茎プロステーシス」と呼ばれる器具をペニスに挿入する手術です。 陰茎プロステーシスは自分で膨らませる事が出来るものとできないものが有ります。 まずこの挿入される陰茎プロステーシスは日本国内で扱っていないので、 個人輸入で器具を手に入れる必要がある上、 手術処置自体が健康保険の適応外なので、ED治療の中では陰茎プロステーシス挿入手術は、 結果としてかなり高額になる事が多いようです。

以上これらすべてはED加療を目的とした場合、健康保険が適応されず自己負担でのお支払いになります。 ただ自己負担とはいっても、4.の陰茎プロステーシス挿入術以外はそれほど高額ではなく、 特に1.のED加療薬、2.のED加療器具に関しては、 もちろんクリニックや病院にもよりますが、だいぶリーズナブルになって来ていますね。


3.【健康保険の使えるED加療はあるの?】

さて前項では直接的なED加療の詳しい内容と、 そしてそれらが健康保険の適応外である事を解説しましたが、 はたして健康保険の使えるED加療って有るのでしょうか?


実は、前項で書いた直接的なED加療に関しては健康保険は使えませんが、 間接的なED加療、 つまり勃起不全の原因の一部の受診に関してはなんと健康保険が使えると言って良いと思われます!
実は勃起不全は13種に及ぶリスクファクター、 つまり「それに該当すると勃起不全を起こしやすくなるよ!」という原因が13個もあります。 そしてこれらの中には健康保険で受診可能なものが有り、 そしてその改善がなんとED加療につながるものもあるのです。


勃起不全のリスクファクターは全部で、 ①高血圧、②糖尿病、③脂質異常症、④睡眠時無呼吸症候群、⑤前立腺肥大症/下部尿路症状、 ⑥うつ症状、⑦神経疾患、 ⑧慢性腎疾患、⑨不妊症、⑩喫煙、⑪加齢、⑫薬剤、⑬肥満/運動不足 と規定されています。 (勃起不全の分類に関しては別項でまとめてますので、よろしければご参考にどうぞ!⇒ ED分類
これらの中で改善が可能で、それが間接的にED加療になるという信頼度の高い報告があるものは、 「糖尿病」、「睡眠時無呼吸症候群」、そして「肥満/運動不足」です。 糖尿病はもちろん、睡眠時無呼吸症候群も健康保険での受診が可能な病気です。 またメタボリックシンドロームや糖尿病等のベースにあるならば、 肥満/運動不足も健康保険の診療範疇に入る可能性があります!


勃起不全で悩まれている方で、ED加療に健康保険を使用されたいという方、 もし糖尿病、睡眠時無呼吸症候群などが指摘されているようであれば、 これらの改善はED加療につながる可能性が高いので、 ぜひとも健康保険に対応した病院やクリニックに受診して治療を受けてみてください!


4.【自分でできる改善策】

前項では健康保険の使える間接的なED加療に関して解説をさせて頂きましたが、 健康保険の診療も嫌だし、健康保険適応外の診療も嫌という方の場合はどうしたらよいのでしょうか?


実は原因によっては健康保険、もしくは健康保険適応外いずれの診療もせず、 ED加療を自助努力で行う事も可能なんです!
まず前項でも述べた「肥満」が有る勃起不全の方、 低カロリー食によるきちんとしたダイエットによって体重が減った場合、 勃起機能が改善すると報告されており、 これが結果としてED加療になるという信頼性の高い報告が有るので、 「肥満」を原因とした勃起不全が有る方にとって、 低カロリー食によるダイエットは病院に受診せずにED加療する一つの方法と言えます。
また「運動不足」ですが、 運動によってED加療効果があるものと逆に悪化させてしまうものがそれぞれ有るのですが、 週に2.5時間以上のランニングは勃起不全のリスクを30%も低下させると報告されており、 「運動不足」を原因とした勃起不全がある方にとって、 ランニングやウォーキングなどの持久力を使用する運動もまた、 病院に受診せずにED加療する方法の一つと言えるでしょう。


後はタバコを吸われている方、とくにヘビースモーカーの方に関しては、 ある発表では1ヶ月の禁煙がかなりのED加療に相当するとも報告されていますので、 禁煙もまた病院に受診せずにED加療する方法と言えるかも知れません。
このように勃起不全の原因と本人の工夫によっては、 健康保険もしくは健康保険適応外いずれの受診もせずに、 ED加療が出来る可能性が有ります! ぜひチャレンジして見てください!


5.【それほど高いものではありませんよ!】

以上、ED加療と健康保険の関係に関して概説させて頂きました!


結論的には指向性が高く直接的なED加療である、ホスホジエステラーゼ5阻害薬、陰圧式勃起補助具、 陰茎海綿体注射、陰茎プロステーシス挿入の手術、これらはすべて健康保険の適応外であり、 間接的なED加療、すなわち糖尿病や睡眠時無呼吸症候群など、 一部の勃起不全の原因治療に関しては健康保険が使用できるという感じです。
ただ冒頭でも述べましたが、「健康保険の適応外=全て高額」という訳ではありません。 特に勃起改善薬であるホスホジエステラーゼ5阻害薬は、 首都圏のED加療専門クリニックが現在過当競争気味なので、 かなりリーズナブルな処方価格になって来ています。


ある製薬会社さんの調査によると、ED加療をされない方の理由の上位に「ED加療はお金がかかるから」という回答が多かったそうです。 確かに初診料も再診料も取るし、競合するED加療施設もない (ケースとしては健康保険適応外の診療に対応した地方の泌尿器科にありがちですが…) そうした所ではホスホジエステラーゼ5阻害薬の処方がトータルで結構な額になる事もあるようです。 しかしその一方で、競合の多い都心部でED加療を専門に掲げるクリニックでは、 健康保険こそ使用できませんが、 ホスホジエステラーゼ5阻害薬の処方におけるお支払いは薬剤代のみで、 かつその薬剤代もだいぶ抑えられている事が最近では多いです。 (なかには厚生労働省の正規認可勃起改善薬でなく、 堂々と並行輸入薬剤を押し付けるとんでもないクリニックもありますが…)
薬剤による健康保険適応外のED治療にご興味のある方はインターネットで実施設のあるクリニックを是非とも調べてみてください! いろんなクリニックがあるので、きっとご本人のニーズに合う所も見つかりますよ!
(記載:日本性機能学会専門医-須田隆興)