『O型にEDは少ない? 血液型による勃起不全発症リスクの違いを2グループに分類して日本性機能学会専門医が解説』

血液型グループによるED発症リスクの違い

  • O型の血液型グループにはEDが少ないと報告されています
  • 一方、A型、B型、AB型の血液型グループは勃起不全発症リスクが高いと報告されています
  • これはある種類の血液凝固因子がA型、B型、AB型の血液型グループでは、
  •  O型より4割も多く、それによって血が固まりやすい事が原因と考えられています。

O型にED:勃起不全症は少ないと報告されています。  また『O型』 と 『A型、B型、AB型』 の2つに血液型グループを分けると、勃起不全発症のリスクは、 『A型、B型、AB型』 のグループの方が高いという研究結果が出ています。



人類の赤血球の血液型は400種類以上発見されていますが、中でもABO血液型はとてもなじみ深いものだと思います。 日本人では、A型37.3%、O型31.5%、B型22.1%、AB型9.1%の順に多く、A型が最大多数派です。


このABO血液型は私たちの生活の中では、性格と結びつけられる事が多いですが、 実は最近の研究では血液型によって、病気のリスクも変って来る事が分って来ました。


『0型』 と 『A型、B型、AB型』 の2グループでは、 『0型』 は大けがによる死亡率が高く、 『A型、B型、AB型』 は心筋梗塞や脳梗塞が多いとされています。


そして、近年の報告では『A型、B型、AB型』 の血液型グループは勃起不全発症のリスクが高いと報告されており、 一方で『0型』 の血液型グループには、EDが少ないと報告されています。


本稿では日本性機能学会専門医が、なぜにABO血液型の違いがEDの発症リスクの違いに関わるのか、 『O型』 と 『A型、B型、AB型』 の2つに血液型グループを分けて解説をさせて頂いております。
宜しければご一読下さいませ。


<当ページのもくじ>

  1. 【A型、B型、AB型は勃起不全発症リスクが高い】
  2. 【O型にはEDが少ない】

1.【A型、B型、AB型は勃起不全発症リスクが高い】

A型、B型、AB型は勃起不全と心筋梗塞の発症リスクが高い

0型にEDは少なく、A型、B型、AB型の血液型グループで勃起不全発症リスクが高いという報告は、 トルコからの統計研究によるものです。 この報告では、0型に比較すると、 A型が3.9倍、B型が3.5倍、AB型が4.7倍も、勃起不全発症のリスクが高かったとの事です。


何故に、こんなに大きな差が生まれるのかと言うと、そこには 『血の固まりやすさ』 が関わるとされています。 皆さん、カサブタなどでご存じの通り、血液には凝固する性質があって、 そこに関わるのが 『血液凝固因子』 と呼ばれる物質です。


A型、B型、AB型の血液型グループでは、この血液凝固因子の内、ある種類のものがO型に比べて4割も多く、 その為に血液が固まりやすい傾向が有ります。 それが影響して、A型、B型、AB型の血液型グループでは、 O型の血液グループに比べて 『血管が詰まって発症する病気』 である心筋梗塞や脳梗塞が多く発症してしまうとされています。


そして心筋梗塞や脳梗塞は、EDの延長線上にある病気でもあります。 勃起不全症は血管の機能が低下する、もしくは 『血管が詰まり気味になる』 事で発症する病気なので、 心筋梗塞や脳梗塞同様に、血が固まりやすくなる事は、EDの発症率も上げてしまう可能性が有るのです。


このように、A型、B型、AB型の血液型グループにおける 『血の固まりやすさ』 は、 この血液型グループの勃起不全発症リスクを高めている原因になっていると考えられています。


2.【O型にはEDが少ない】

O型は血液が凝固し難いのでEDになりにくいが、血は止まりにくい

前出の 「0型にEDは少なく、A型、B型、AB型は勃起不全発症リスクが高い」 という、トルコからの研究報告によると、 O型のEDの有病率 (その病気をその時点で持っている人の割合) は15.7%で、 一方、A型が41.6%、B型が39.3%、AB型が46.7%と、 血液型によってEDの有病率にかなりの差がある事も報告しています。


このように0型の血液型グループにEDが少なく、 A型、B型、AB型の血液型グループにEDが多い理由は、 上記1.【A型、B型、AB型は勃起不全発症リスクが高い】に記載した通り、 0型には他の血液型に比べて血が固まりにくい傾向があるため、 それが勃起不全発症リスクを下げているという事が影響していると考えられています。


心筋梗塞、脳梗塞だけでなくEDも少ないとなるとO型という血液型は、 良いことづくめのようにも聞こえるかも知れませんが、 実はデメリットもしっかり有り、O型は大きなケガで出血をした場合に、 他の血液型グループに比較して血が止まりにくいとも言われています。
なんとO型は、A型、B型、AB型の血液グループに比較して、 大けがによる死亡率は2倍以上とも報告されているのです。


このように 『血が固まりにくい』 事は0型の血液型グループに、EDが少ないというメリットを与えていますが、 一方の血が止まりにくいというデメリットもしっかり与えています。



以上、O型にEDが少ない事、また血液型による勃起不全発症リスクが違う事を、 『O型』 の血液グループ と 『A型、B型、AB型』 の血液型グループに分けて解説させて頂きました。


ちなみに昨今、新型コロナウィルスが猛威を振るっておりますが、 血液型の違いが新型コロナウィルスの感染率にも影響するという可能性が、アメリカそして中国で指摘されており、 O型の感染率は 『A型、B型、AB型』 の血液型グループに比較して9~18%も感染率が低かったと報告されているようです。

(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2021-03-29)

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