子宮下垂と女性性機能の関連について



骨盤臓器脱と女性性機能障害

ばいあぐらは新宿ライフクリニック。


【骨盤臓器脱と女性性機能障害】
骨盤臓器脱pelvic organ prolapse:POPは、性器脱や子宮脱と呼ばれる事も有り、加齢や出産の影響で女性に発生する女性固有の疾患で、 その罹患率は非常に高いとされています。 骨盤臓器脱は、その影響によって、 女性性機能障害や、 子宮への感染頻度の上昇、 セックスライフに悪影響を与えるなどの「生活の質」の低下に関連する状態から、 入院や救急治療が必要な状態まで、女性の健康を幅広く侵食します。

近年、この骨盤臓器脱の手術治療は、ある程度の制限を含むものの、 保険適応が認められ、一般化が進行中です。

本項では、この女性にしばしば認められる骨盤臓器脱に関して、 女性性機能障害への影響を中心に詳述させて頂いております。


【骨盤臓器脱とは】
骨盤臓器脱とは、子宮・膣がともに下垂・脱出している状態で、子宮脱や性器脱とも呼ばれる事が有ります。 厳密には、子宮脱や性器脱は、主に子宮の膣口からの脱出を指しますが、 骨盤臓器脱は、その他の臓器の脱出を含んだ、より広範な概念となります。
骨盤臓器脱は、子宮下垂が原因の主体です。 つまり、子宮が本来あるべき位置から低位へと移動する事で、膣口から子宮自体や、 下位にある膣などが脱出していまうという病態です。

本疾患の女性の生涯罹患率(一生の間にこの疾患に罹る率の事です。)は、約11.1%と報告されており、 それを元に計算すると、数百万単位の罹患女性が日本には存在する事になります。 女性臓器の障害においては圧倒的とも言える患者数であり、 いわば女性の国民病とも言えます。

現在、本疾患の治療における保険診療の認定など、対応の整備が進められている一方で、 様々な臨床研究の発表がなされています。

骨盤臓器脱は、出産を経験されたご婦人、つまり経産婦に多く発生する疾患であり、 症状としては局所の違和感・不快感、排泄の障害、子宮内感染症の頻発、子宮からの出血等が有ります。 女性性機能障害は、この多数の症状の一つとして出現します。


【原因と下降度分類】
骨盤臓器脱は、子宮を支える子宮支持組織や靭帯、また骨盤底の筋肉などが、 出産や加齢を契機として弱体化する一方、 子宮の増大や頸部の延長など子宮側因子も影響して、 子宮が骨盤内腔に維持できなくなり、膣内を下降する状態:子宮下垂が発生することから始まります。 子宮下垂が進行して、子宮と膣がともに脱出する段階に至ると、 骨盤臓器脱出(子宮脱または性器脱)という診断病名になります。

子宮を支える子宮支持装置は、内骨盤筋膜、骨盤隔膜、会陰膜などが代表的で、 内骨盤筋膜は、さらに子宮広間膜、基靭帯、仙骨子宮靭帯、子宮円索などに分かれます。

骨盤子宮脱の原因である子宮下垂は、子宮ならびに子宮に関連した器官の、さまざまな障害によって発生します。 子宮下垂は、一般的には経年変化、 もしくは、出産などによる子宮の支持組織の弱体化、 もしくは、子宮筋腫等のように子宮自体の大きさや重量が増して、支持組織が支えきれなくなった結果、 発症します。
従来、子宮頚部の下降度により、三度に分類された指標が用いられていましたが、 昨今では、膣部の遠位端、もしくは、前膣壁最高部位の処女膜からの隔たりの実測距離による記載方式も、 病状程度を示す指標として使用されています。


【骨盤臓器脱による女性性機能障害とその他の症状】
骨盤臓器脱は、上述のごとく女性性機能障害を高率に引き起こします。
骨盤臓器脱によって引き起こされる女性性機能障害には、 まず、子宮の膣口からの脱出によって膣内へ陰茎の挿入が出来ない状態や、 膣の緩みに対する羞恥心から性交を忌避する状態、 また、骨盤臓器脱の影響で性交中に痛みを感じやすくなる事があり、 性交疼痛症・性交困難症的になってしまう状態などが挙げられます。

潤滑の低下など比較的対応しやすい内容から、原疾患治療が必要な状況まで、 その程度は幅広く、重症の骨盤子宮脱に至っては、尿管などを圧排する事によって、 排尿障害、果ては水腎症に至る事もあり、性行為どころでは無い状況も間々あります。

骨盤臓器脱に伴う女性性機能障害は、FSFI:Female Sexual Function Indexなどで、 客観的に評価されます。
本邦での発表によると、骨盤臓器脱はそのステージ進行に従い、如実にFSFIは低下する傾向を示し、 その重症度に比例して、女性性機能障害は、悪化する事が報告されています。

その他自覚症状として、子宮下垂自体による違和感を生じることもございます。 本質的な問題として、子宮のようなボリュームのある臓器の下垂による周囲臓器の圧排などが挙げられます。 下垂および脱出した子宮の圧力によって尿管を閉塞(水腎症)させたり、 腸管を圧排する事により、 排便障害を引き起こしたりする事があります。
骨盤臓器脱の原因として子宮筋腫が有る場合、筋腫による不妊症も症状として挙げられます。


【治療】
骨盤臓器脱に対する手術療法として、昨今、 TVM:Tension-free vaginal Mesh法という新機軸の手術治療が考案されています。 TVM法は、非吸収性プロリンメッシュを挿入する事で骨盤臓器脱を根治する治療方法です。 本手術方法は、従来の骨盤臓器脱の手術療法に比較し、再発率が低く、侵襲性も低いとされています。
本邦では、2010年4月から膀胱脱に対しての本手術療法の保険適応が認められ、 膀胱脱を伴う骨盤臓器脱に関しては、治療方法としての一般化が進んできている状況です。

こうした骨盤内臓器への手術介入は、男女を問わず、 新たな性機能障害を発生させる因子として認識されていますが、 TVM法は、本邦における統計研究によると、手術前後のFSFIの低下が発生せず、 性機能に対しても、比較的悪影響なく、安全な手術方法である事が報告されています。


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