『生殖精神病は月経前緊張症や産後うつ病に代表される女性の心の疾患です』

女性の精神障害

月経前緊張症、もしくは産後うつ病という女性の特有の疾患が有ります。 実際に悩まれている方も多いお病気なので、聞いた事が有る方もいらっしゃるかと思われます。


これらのお病気は 『生殖精神病』 に含まれます。 この生殖精神病というのは、月経や妊娠などの女性に特有な生殖機能に関連して発症する精神障害の総称です。


生殖精神病は、大きく分けると 『月経に関連したもの』 、また 『妊娠に関連したもの』 に分かれます。 より詳細に申し上げると、 生殖機能に関連がある精神障害で、月経周期・妊娠期・産褥期・授乳期の4つの期間で発症するものが該当します。 こちらのページでは 『性』 に関連したお病気の情報提供の一環として、この 『生殖精神病』 に関して解説をしております。


※当院、新宿ライフクリニックは男性の性機能障害治療に特化した診療所です。 生殖精神病は女性のお病気ですが、 その治療には男性パートナーの理解と協力がとても大切ですので、 そうした啓蒙の一環として、本ページの記載をさせて頂いております。 当院では本疾患の診断・治療は出来ませんので、ご理解の程なにとぞよろしくお願い申し上げます。


<当ページのもくじ>

  1. 【月経に関連したもの】
  2. 【妊娠に関連したもの】

1.【月経に関連したもの】

生理前には、頻度と程度の差はあれども、誰しも不安な気持ちになったり、イライラしたりするものだと思います。 実は生殖精神病の中にも、生理前に発生し、生理の開始とともに症状が消えていく 『月経前緊張症』 というお病気が有ります。


本疾患は月経の3日から10日前、これは黄体期という期間なのですが、この間にお体そして心の症状を示します。


お体の症状として、一般的なのは、のぼせ・頭痛・頭重感・腰痛・下腹痛・下腹部の膨満感・乳房痛などです。 時に食欲の亢進などが見られる場合も有ります。


心の症状として、一般的なのは、いらいらする・怒りっぽい・不安になる・落ち着かなくなる・憂鬱な気持ちになる、などです。


この月経前緊張症の原因には諸説あって、女性の性ホルモンのバランスが乱れている可能性などが考えられています。


もし、生理の3日から10日前にこうした症状が現われて、生理が始まると共に、それらが消えていく状況で、 かつ症状が厳しい場合、我慢せずにレディースクリニックなど、女性の診療に特化した医療施設でご相談をしましょう。


また男性の方は、もしパートナーの女性にこのような状況がある事をお知りになりましたら、 専門医療施設での受診をお勧めする事もとても大切ですが、 まずは何より、パートナー女性に理解と優しさを示すべきです。 受診も可能なら同伴して、一緒にお話を聞く事もとても大切です。


2.【妊娠に関連したもの】

妊娠に関連した生殖精神病は、 妊娠期の妊娠精神病と、産褥期の産褥期精神病に代表されます。 有名な 『産後うつ病』 は、産褥期に起きやすい疾患です。


産褥期は男性には聞き慣れない言葉かも知れません。これは出産を終えたお母さんの体が妊娠前の状態に戻るまでの期間の事で、 通常は赤ちゃんを産んでから6週から8週間の間がこれに当たります。


妊娠期の特に始めの頃は、誰しも感情が不安定になりやすい傾向が有りますが、 実は精神症状が出現するのは、産褥期の方が圧倒的に多いとされています。


妊娠精神病はこうした、気分の不安定などが著しい場合が該当します。 妊娠の始めの頃に多いのが神経衰弱やそう病の様な興奮状態で、 妊娠の終わり頃に多いのが神経症やうつ病の様な状態と報告されています。


一方、産褥期精神病は、出産後、急に発症する事が多く、意識障害から抑うつ状態、また興奮状態など、幅広い症状が出ます。 産後うつ病が起きやすく、十分な注意が必要ですが、実は予後は良好な事が多いとされています。


この産褥期精神病の症状までは至らない、赤ちゃんを産んだ後に見られる、憂鬱な気分・頭重患は、 マタニティブルー症候群と診断される事が有ります。 『マタニティブルー』 という言葉もとても有名ですね。


マタニティブルー症候群は赤ちゃんを産んで10日ごろまでに現われる事が多く、 通常は1週間から2週間くらいで消えていきます。


この状態の原因としては、出産後の急激なホルモンの変動、そして今後の育児に対する不安が有ります。 育児に対する不安を軽減するためには、医師や看護師による臨床行為よりも、 家族、特にご主人の育児と出産に対する理解、そして協力が何よりも重要と思われます。



『まとめ』

冒頭にて、生殖精神病は女性に特有のお病気と申し上げました。 『だからこそ』 だと思うのですが、 月経に伴うものにしても、妊娠に伴うものにしても、 生殖精神病には男性からのサポートも、とても大切だと思われます。


こうしたサポートは 『理解』 が中心にないと希薄なものになってしまう事が多々あります。 こうした理解を深めるのに、男性がパートナーの女性の受診に同伴する事はとても有意義だと思います。


男性専門の性機能障害治療に携わり続けて、わたくしが一つ思う事は、 男性特有の疾患において、女性側の理解が非常に大切であるように、 今後、女性を支える医療のクオリティを上げて行く一つのカギに、 男性がパートナーとしてどうあるべきか、が有るのではないか?という点です。

(記載:日本性機能学会専門医-須田隆興 最終確認日:2019-02-19)
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