『性嫌悪障害の原因に関して日本性機能学会専門医が解説。セックス全般への憎悪と回避を示す性嫌悪障害、その3つの原因とは?』

性嫌悪障害

性嫌悪障害は性機能不全における性的欲求の障害の一つに分類されています。
この状態はセックスや性器への接触、つまり性行為全般を激しく嫌う気持ちが 繰り返す、あるいはずっと続いています。


本疾患は性的欲求がわかない状態、つまり性的欲求低下障害では無く、 性行為全般を 『嫌だ』 と思うネガティブな気持ちが強く中心にあって、 それが生きる上での苦痛となったり、対人関係を難しくしてしまう状態が該当します。


セックスは人間にとって極めて普通な行為です。 我々はみんなセックスの結果、生まれ存在しています。 しかしこのように一般的なセックス、あるいは性行為の全てを嫌い、 その結果、対人関係に支障を来すなどの 『障害』 を示すのがこの病態です。


誰しも、一時的に性的なモノが煩わしく思われる時が有ります。 また相手によっては性的な行為が絶対に嫌な事も勿論有ります。 この障害はそうした一般的な状況では無く、 『たとえ伴侶など信頼するパートナーが相手でも』 『持続的あるいは繰り返して』 『セックスなど性行為全般がとても嫌』 という状態です。


この状態は、 『過去の体験』 や 『性への意識の有り様』 またパートナーとの 『人間関係』 などが代表的な原因となって起こり得ます。こちらのページでは性嫌悪障害の主要とされるこれらの原因に関して、 日本性機能学会専門医がやさしく解説しております。


<当ページの項目リスト>

  1. 【過去の体験】
  2. 【性への意識】
  3. 【人間関係】

1.【過去の体験】

過去の体験

性嫌悪障害の代表的な原因として 『過去の体験』 が有ります。


どのような過去の体験が本疾患の発症に関わるかと言うと、 まず挙げられるのが、過去の性行為時の 『疼痛体験』 です。


特に女性は 『性交疼痛症』 といって、セックスの時に激しい痛みを感じる時が有ります。 主に性交経験が浅い方にそうした傾向が有りますが、 こうした過去のセックスにおける、激しい疼痛体験は本疾患の原因になってしまう事が有ります。


またこれは許せざる性犯罪によるものですが、 過去における 『強姦の被害経験』 、また 『幼児期の性的虐待の経験』 など、 性犯罪における被害体験もまた性嫌悪障害の原因になってしまう事が有ります。 性犯罪の被害者の方がこうした形で後々も苦しむ事があるのは、本当にやりきれないですし、 とても痛ましい事です。


2.【性への意識】

性への意識

次に挙げられる性嫌悪障害の代表的原因としては、 元々、その方が持っている 『性への意識の有り様』 が有ります。


例えば、元々セックスに対して強い罪の意識を感じる方がいます。
これはお持ちの宗教的信条、あるいは小さな頃から受けてきた教育等に影響を受けるケースが多いですが、 元々セックスに強い 『罪悪感』 をお持ちの場合、 これが本疾患の原因となってしまう場合が時に有ります。


また、元々セックスに対して羞恥心が強い方もいます。 これはご本人の生育環境や元々の気質、今までのライフスタイル、または肉体的コンプレックスなどに影響を受けるケースが多いですが、 こうしたセックスへの 『強い羞恥心』 も、性嫌悪障害の原因となってしまう可能性が有ります。


3.【人間関係】

人間関係

性嫌悪障害の代表的な原因、最後は 『人間関係』 についてです。


この人間関係とは一般的な人間関係についてではなく、 性的伴侶つまりセックスパートナーとの人間関係の事になります。


セックスパートナーであるご主人/奥様、あるいは恋人/愛人との人間関係が極めて悪化する事で、 これに連動して本疾患が発症する事が時に有ります。


つまりセックスのお相手との関係性の悪化が、性行為全般への認識に強い悪影響を与える場合に これが本疾患の発症原因となってしまうという訳です。



このように性嫌悪障害は 『過去の体験』 『性への意識』 『人間関係』 などが代表的な原因となって、 主に心理面の影響下に発症する疾患です。


婦人科疾患による性交疼痛症など、明らかな肉体的問題から性嫌悪障害の発症に至ったので無ければ、 基本的に本疾患はメンタルヘルスや心療内科など、 『心』 の専門家へのご相談が適切と思われます。


また、こうした場合、 受診以上にとても大切なのは周囲の方の 『深い理解』 と 『暖かい支援』 です。 メンタルヘルスへの受診自体にも不安に感じる方は少なくないかと思われます。 そうした場合、もし貴方が可能ならば、ご本人の受診に付き添ってあげてください。 とても心強く感じると思われます。

(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2019-07-29)


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