シアリスと喫煙の影響、新宿ライフクリニック報告



煙草の吸い過ぎはタダラフィルの勃起改善力を阻害します。

【シアリスと喫煙】
シアリス喫煙の影響に関して新宿ライフクリニックより報告させて頂きます。 過剰な喫煙はシアリスの本来もつ勃起改善力を損なってしまう可能性があり、また喫煙自体がED発症のリスクと報告されています。


みなさんは喫煙をされていますか?お酒と違い、喫煙は仕事中でも使用可能な(喫煙コーナーがあれば)稀な嗜好品です。喫煙は短時間でリフレッシュでき、有用なシーンも多々あるかと思われますが、健康への被害はそれに見合わないほど大きく、今や全世界規模で禁煙運動が進行し、特に先進国では公共のスペースで喫煙可能な場所は飲食店や路上を含めてどんどん減少してきていて、喫煙コーナーが街角にある場合、さながら満員電車のごとく込み合っています。 シアリスは一般的にバイアグラ・レビトラなどが過度の脂肪分を含む食物の影響で、その薬効を失いやすい傾向があるのに対して、シアリスはカロリー内容の50%が脂肪分になるような高脂肪の食事でもその薬効が変わらないなど、食事の影響が少ない薬剤です。またシアリスは高用量レベルでない飲酒には、そのシアリス血中濃度がほとんど影響を受けないと報告されており、アルコールの影響もバイアグラ・レビトラに比較して少ない薬剤です。 つまりシアリスは服薬における前提条件にあまり左右されない安定感のある優良なED治療薬と言えます。ただ過剰な喫煙などはシアリスが本来持つ勃起改善力を阻害してしまう可能性があり、シアリスの運用上、過剰な喫煙などには気を付ける必要があります。 シアリスの販売元である日本新薬株式会社の報告では過度の喫煙はシアリスを使用していたとしても、シアリスが持つ本来の勃起改善力を低下させる可能性がある事をコメントしています。 冒頭で喫煙はEDの認識されている発症リスクの一つと述べてますが、もちろん喫煙の被害はED発症やシアリスの作用の阻害だけでは有りません。 喫煙はその被害として

  1. 肺癌のリスクを高めます
  2. 心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患のリスクを高めます
  3. 胃潰瘍などの消化性潰瘍のリスクを高めます
  4. 慢性閉塞性呼吸器疾患のリスクを高めます
  5. 胎児に対して健康上の悪影響があります。

そしてED発症のリスクを高めます。喫煙による被害はこれだけではなく、実はあげれば無数にありますが、書ききれないので代表的なものを列記するにとどめました。 これだけの健康被害があるにも関わらず日本の喫煙人口はJT(日本たばこ産業株式会社)の報告によると2015年の報告で男性1562万人、女性で522万人のトータル2084万人と莫大な人数であり、これは日本の総人口が1億3000万弱なので約6人に1人の国民は喫煙をしている計算になり、この総人口には20歳未満の人間も含まれるので、純粋に成人人口のみで換算したらその頻度は6人に1人以上になります。 また日本のED人口は1100万人強と報告されており、男性人口の6人に1人がEDです。これも莫大な人数ですが、上記の莫大な数の男性喫煙者は全員がこのEDになり得るリスクを持っており、日本人のED罹病人口をさらに増加させる可能性があります。 また過剰な喫煙の場合はEDを発症しシアリスなどED治療薬を処方されたとしても、これらが本来持つ勃起改善力が生かされない場合もあります。 こうした喫年によるED患者数増大の抑制やシアリスの効果的運用のために、本稿はシアリスと喫煙の影響というテーマを主軸に記載させて頂いております。 本稿では

  1. 【喫煙はEDリスク】
  2. 【シアリスの喫煙による作用障害】
  3. 【喫煙以外のシアリス運用上の注意】
  4. 【今後の喫煙環境とED改善】

と、4項目に分けてこれの解説を記載しております。ご参照下さいませ。


【喫煙はEDリスク】
シアリスの本来持つ勃起改善効果を喫煙が阻害すると冒頭で述べていますが、 それ以外にも喫煙自体が独立したED発症のリスクファクターとされています。 喫煙は血管内皮機能障害を引き起こします。この血管内皮機能は勃起が発動する上で非常に重要な機能なので、これが阻害される事はEDの発症を意味します。 また海綿体動脈は勃起に直接関連する重要な血管ですが、海綿体動脈の閉塞性病変と喫煙には用量相関の関係があり、また喫煙と朝立ち(夜間勃起現象と医学的には言います)の低下にも用量相関の関係があると報告されています。 MMASという海外での縦断研究の報告によれば約9年の喫煙で喫煙者は、非喫煙者に対してなんと2倍に及ぶ中等度ないし完全EDの発症が見られたとの事で、喫煙によるEDの実害を直裁に表現しています。


【シアリスへの喫煙のによる作用障害】
シアリスの作用はどのようなものなのでしょうか? また、なぜに過剰の喫煙はシアリスの本来持つ作用を阻害するのでしょう? 通常、性的な刺激が発生した際に血管拡張物質である一酸化窒素の遊離が見られるのですが、この一酸化窒素の血管拡張作用を伝える役割のあるcGMPはPDE5という酵素によって分解されてしまいます。そこでシアリスはこの分解を阻害する事で、血管拡張作用を増大させる事ができるのですが、こうした作用はすべて血管内皮機能というベースの上で成立しています。 また喫煙は【喫煙はEDリスク】で記載した通り、シアリスが作用する血管内皮機能の障害を引き起こします。 喫煙に含まれる化学物質の体内吸収がシアリスの薬理作用を直接的に阻害するという報告はないので、過剰な喫煙がシアリスの本来持つ勃起改善作用を阻害する状況は、シアリスが改善させようとする血管内皮機能を喫煙が障害することで、ED原因ベースを深まり、結果的にシアリスの作用が相対的に弱まると言う事だと想定されます。 これはシアリスの効果的な運用の為にも喫煙は制限された方が望ましいと言う事です。


【喫煙以外のシアリスの運用上の注意】
過剰な喫煙がシアリスの本来持つ勃起改善力を損ねるロジックに関して記載させて頂きましたが、喫煙を制限する事以外にシアリスの運用上の注意はどのようなものが有るのでしょうか?

  1. 飲酒:喫煙つまり煙草と双璧の嗜好品であるお酒はどうでしょうか?これは過剰なレベルでなければアルコール血中濃度とシアリスの血漿中濃度は相互の関係は示さなかったと報告されており、シアリスのアルコールへの耐性を示すに至りましたが、飲酒も過剰量になるとめまいや低血圧などの症状の出現を示し、望ましくないという結果が示されています。
  2. 高脂肪食:またシアリスはカロリーの50%が脂肪分という高脂肪食でもその作用は減少しなかったと報告されており、食物に対するシアリスの耐性を示すに至りました。しかし、これ以上の高脂肪食に関する報告は明らかなものはなく、これ以上の高脂肪食に関してはシアリスの作用が低下する可能性はあり得ます。とくに昨今は高脂肪食が一般に多くみられる状況もあり、シアリスの運用上食事の脂肪含有量には気を付ける必要性があると言えます。
  3. 標準使用量:またシアリスは5㎎.10㎎.20㎎と三種の用量がラインナップとして存在しますが、実際の処方上5㎎.10㎎の薬効が弱いというご意見を患者さんから折々に頂く事があります。そうした状況をかんがみますと、このようなケースにおいてはシアリスは20㎎を標準量として運用してもらった方が勃起改善効果を見込みやすいと思われます。
  4. 薬効出現時間:またシアリスは食事・アルコールへの耐性、また副作用の少なさ、薬効の長さなど使用上のメリットが数多くある良質なED治療薬ですが、数少ない欠点として薬効が出現するのに時間がかかる場合があり、一応カタログデータでは性行為の1時間前に服用すると記載がありますが、状況によっては2時間見ていただいた方がよい事があるようです。

以上、喫煙以外のシアリスの運用上の注意に関して記載させて頂きました。


【今後の喫煙環境とED】
以上シアリスと喫煙に関して記載させて頂きました。 今後、喫煙の環境はより厳しくなってくると思われ、具体的には喫煙をできる場所が都心部を中心にどんどん削減されていくと思われます。また煙草自体の値段が課税によってどんどん上がっていき、たばこ1パッケージの標準的価格が1000円以上になるという話もあるようで、喫煙のランニングコストはどんどん上昇する可能性があります。 こうした状況の締め付けは、禁煙を志す方をどんどん増やす可能性があり、その結果、たばこ関連の疾病発症を減少させ、最終的には国家の医療費を削減させる事も可能かも知れません。また禁煙はEDならびに上記したシアリスに運用上も非常に望ましく、 禁煙によってシアリスの薬効は本来もつレベルを発揮できる可能性が上がりますし、また禁煙はベースのEDの改善に直裁な影響力を持ちます。 禁煙のEDに対する検討としては、ヘビースモーカーのED患者に1か月禁煙させると陰茎の膨張度と硬度が速やかに改善したと報告しているものもあり、禁煙というアクションはEDの改善上望ましいという結果を示しております。 現在は良質な禁煙補助薬も多く、禁煙には良いタイミングです。EDに悩まれている喫煙家の方は、ぜひとも禁煙もしくは節煙をご検討下さいませ。


東京・新宿で開設3年目の新宿ライフクリニックはシアリスと喫煙の影響など多様なご質問にも対応可能な専門クリニックです。 シアリスに関してのご相談はぜひ新宿ライフクリニックにどうぞ!
(記載:日本性機能学会専門医-須田隆興)



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