処女膜強靭は性交困難の原因



処女膜強靭とセックス

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【処女膜強靭とは】
処女膜強靭とは、処女膜が通常より厚く、 初めてのセックスの際にペニスの挿入が女性にとって痛すぎて、 結果としてセックスができないという状態になります。
本疾患は性交疼痛症 の原因の一つであり、また、結果としてセックスができない状況においては、 性交困難症にも該当します。

この状態は発症頻度は低いながら、性交経験の少ない若い女性の大きな悩みとなる疾患です。
処女膜強靭は 未完成婚 の原因として社会的問題にも関連する事が有ります。


【処女膜強靭の原因】
処女膜強靭は、処女膜が通常よりも肥厚している状態が主な原因となります。
処女膜は本来、容易に破綻しやすい組織ですが、多くのバリエーション、個人差がございます。 処女膜強靭、つまり、この組織が本来より肥厚しているという状態も、個人差の一環とも考えられます。 多くは、性交以外では、何ら問題も示しません。
一方、処女膜の開口部が無い状態(処女膜閉鎖症など)では、無月経などの症状を示す事がございます。
処女膜強靭は、後天的な問題では無く、生まれながらの、先天的な問題になります。


【診断】
処女膜強靭の診断は、性交疼痛症ならびに性交困難症的エピソードを有する性交経験の少ない女性である事、 ならにびに、処女膜の肉眼的観察によってなされます。
この肉眼的観察は、基本的に、内診台上で膣鏡等を利用して、経験豊かな婦人科医師によって行われます。 本疾患で悩まれている女性は、性交経験の少ない若い女性である事が多いため、 こうした悩みを直裁に相談しにくく、プライバシーの問題も有り、病院等への受診を回避する傾向が強くございます。
そのため、一人でこの状態を悩まれている女性も、多く存在すると思われます。

最近では、医師を始め、職員全員女性の婦人科クリニック/レディースクリニックも少なく有りません。
プライバシー管理に長けており、若年女性でも受診のハードルが少なくなっております。
一人で悩まず、このような医療機関を受診し、正しい知識を身に着け、治療を受ける事をお勧めいたします。
ナイーブなニーズに答える形で誕生した、レディースクリニックは、 子宮頚がんの早期発見率の向上など、社会的にも大きな貢献をしています。


【治療】
処女膜強靭は、基本的には外科的治療を要します。
性交時の疼痛が、処女膜の問題で無く、膣炎や心理的なものを背景にした場合も多いため、 まずは、きちんとした診察を受け、原因を明らかにする事が大切です。
処女膜強靭と思って婦人科に受診すると、別の疾患である事もしばしばございます。
必ずしも、「性交時に激しい痛みが有るから、手術しなければいけない」と言う訳ではございません。

膣鏡などを使用した肉眼的観察を経て、処女膜強靭と確実に診断された場合には、 肥厚した本組織の切開・切除が検討されます。
この処置は局所麻酔で済む上に、大きな出血を伴ったりする事が少ないので、 施設によっては日帰りで施行できます。
外科的処置と言うと、大仰なものを連想してしまいがちですが、 本疾患に関しては文字通りの小手術になります。


処女膜強靭と思われる状態でパートナーが悩んでいる場合、 共にあせらず乗り越えていこうという姿勢を示すことが、男性側に求められます。
女性の自覚する性交時の大きな疼痛は、処女膜強靭では無く、 セックスに対しての恐怖感等が原因となった、精神的な性交困難症もしくは性交疼痛症かも知れません。
やさしく支えて上げてください。
それが、絆を深くして、あるいは精神的因子を払拭してくれる可能性も有ります。


以下に、処女膜についての解説を追加します。


【処女膜とは】
処女膜hymenとは、女性の外生殖器の一部で、本組織は膣の入口の直後に存在しており、 その形状は、個人差に非常に富んでおります。
また、本組織は性交、外傷などで傷つき、また分娩後などの場合は、その痕跡のみを残す場合が有ります。
中には、生まれながらに本組織が痕跡状態の場合もあります。


【解剖学的理解】
処女膜は非常に薄い粘膜のひだで、小陰唇の内側、つまり膣入口付近で膣を外界から、 完全にあるいは不完全に閉鎖する組織です。 このひだの内側がお互いにくっつきあい、膣を外界から分断しています。
本組織は基本的には非常に薄い粘膜ひだですが、時にこの粘膜ひだが厚い場合があり、 その程度が過ぎるとセックスの時に激しい痛みを女性が感じるようになってしまい、 性交困難症 と呼ばれる状態になってしまう時が有ります。


【分類】
処女膜の分類法は大きく2種類ございます。
その損傷の程度で分類するものと、開口部の形状によって分類するものとが有ります。
損傷の程度によって分類する場合は、まったく損傷がないレベルは完全処女膜、 性交や外傷などの外力によって損傷されているレベルは破綻処女膜、 分娩などによって、処女膜の痕跡しか残っていないレベルは処女膜痕と分類いたします。

開口部の形によって分類される場合は、主に環状、歯状、篩状、月状、漏斗状、鎌状など6種類に分かれます。

このように本組織は分娩や性交などの経験やその形状によって様々なタイプがあり、 個人差も非常に大きい組織になります。


【誤解】
性交時に処女膜に由来する痛みや出血が確認される事が、処女の証であると考えられがちですが、 上記、解剖・分類で述べた通り、その形状や厚みに個人差が多く認められ、 極端な例を挙げると、性交の経験がなかったとしても、生まれながらに損傷様である場合も有ります。
ゆえに、初めての性交において、痛みがほとんどなかったり、出血があまりみられなかったとしても、 それは、本組織の形状の個人差の範疇である可能性がございます。

正しい知識は、女性はもとより、 不幸な行き違いを無くすためにも、特に男性に身に着けて頂き、誤解を生じないよう注意して頂きたく思います。


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