翼状陰茎の総説



翼状陰茎の問題点と治療

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【翼状陰茎とは】
翼状陰茎とは、ペニスの下側と陰嚢の上側の皮膚がくっついている状態で、 その結果ペニスが小さく見えたり、陰嚢に埋もれて見えたり、陰嚢がペニスにぶら下がって見える場合がございます。
本疾患は先天的な形質上の問題です。
多くは、ご両親が、お子様の異常に気が付いて、病院に来院いたします。 翼状陰茎の名前の由来は、ペニスを持ち上げると、 ペニスの下側の皮膚が翼を張ったように見える事に、因んでいます。


【原因・問題点】
翼状陰茎は上記の通り、先天的な問題で、その原因はペニス腹側と陰嚢皮膚の接着異常です。
本疾患は、排尿などのペニスの機能上の問題は少なく、美容上の問題が主体です。
しかし、多感な幼少期に、周囲の子供とペニスの形状が異なる事は、 患者にとって十分な心的外傷:トラウマになりかねません。 そのためにも、翼状陰茎の患者には周囲の十分な配慮が必須です。
また、生殖年齢になっても翼状陰茎が遺残している場合には、病状によっては膣への挿入が困難となり、 性交困難症を二次的に引き起こす可能性も有ります。


【診断と鑑別】
翼状陰茎の診断は、外観の観察による視診、ならびに生下時からのエピソード、 そして触診によってなされます。
鑑別診断の疾患は短小陰茎ならびに 矮小陰茎埋没陰茎などです。
画像診断などを使用せずに、容易に鑑別診断されますが、 触診による判断が大きい比重を占めますので、経験豊富な泌尿器科の専門医による診察が望ましいと考えます。


【治療】
翼状陰茎は、成長に伴い、正常化する事が多いとされています。
しかし、生下時より異型性が非常に強い場合や、 成長に従う改善化が十分に見られなかった例、 生殖年齢になって性交困難症を示すような二次的な実害がある例においては、 形成手術の施行が検討されます。
本疾患の形成手術は、ペニスに付着している部分で陰嚢の皮膚を横に切開して、 ペニス、陰嚢の両方とも皮膚を縦に縫合する事で形成します。
基本的には局所麻酔でも実行可能な侵襲性の少ない手術です。

本疾患の治療戦略は、成長に伴う改善を待つというのが基本基調になりますが、 上述した通り、多感な幼少期に形質の違う性器を持っているという事は、 深い心的トラウマを形成する可能性も有ります。
つまり、成長に伴う改善を待つ時間と言うのは、 言い換えれば本人の心理的なケアが必要な時間とも言えます。
性器に関連した深いトラウマは、三次的な実害として、 心因性ED を引き起こしかねないので、充分な注意が必要です。


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