アボルブはプロペシアと比較しAGA男性型脱毛に対し有意な発毛効果が有るとした報告



プロペシアと比較したアボルブのAGA男性型脱毛に対する臨床効果

Efficacy, safety, and tolerability of dutasteride 0.5 mg once daily in male patients with male pattern hair loss: A randomized, double-blind, placebo-controlled, phase III study
J Am Acad Dermatol. 2010 Aug;63(2):252-8. Epub 2010 Jun 3.


最近、クリニックにもお問い合わせの多いアボルブ(デュタステリド)のAGAに対する試験報告です。
プロペシア(フィナステリド)との発毛効果の違いはどうなのでしょうか?
韓国からの報告です。日本人にも適用できそうです。


【アボルブの概要】 より詳細な解説を希望の方は、先へお進みください


5α還元酵素は1型、2型とありますが、デュタステリド(アボルブ)は、 1型、2型ともに阻害する5α還元酵素阻害剤です。
5α還元酵素阻害剤(デュタステリド(アボルブ)やフィナステリド(プロペシア))は、 テストステロンからジヒドロテストステロンへの返還を阻害する、 男性型脱毛AGAにおける重要なメディエーターになります。

この男性型脱毛AGA患者を対象にした無作為二重盲検第Ⅲ相試験の目的は、男性型脱毛症AGA患者において、6ヶ月間にわたり、 デュタステリド(アボルブ)一日0.5mgの服用とプラセボ(偽薬)を比較し、発毛効果、安全性、 認容性について評価する事にあります。
18歳から49歳の153人の男性型脱毛AGAの男性を、無作為に抽出し、デュタステリド(アボルブ)0.5mg/日またはプラセボを、 6か月にわたり、服用していただいてます。
その男性型脱毛AGAに対する発毛効果は、毛髪数の計測、患者による主観的な評価、研究者による写真による判定で評価しています。
開始時から治療6か月後の毛髪数の平均変化は、 デュタステリド(アボルブ)群にて12.2本/cm2の発毛増加を認めたのに対し、 プラセボ群は4.7本/cm2の発毛増加でした。
この毛髪の増加の差は統計学的に優位な差となっています。
デュタステリド(アボルブ)は、プラセボに対し、主観的な発毛効果の自己評価、研究者による写真による発毛効果判定ともに、 優位に発毛効果あることを示しています。
デュタステリド(アボルブ)群、プラセボ群の間に、大きな副作用の発現に差は認められていません。

この男性型脱毛AGA患者を対象にした研究では、0.5mgのデュタステリド(アボルブ)の服用は、発毛を増加させ、 男性型脱毛AGA治療に比較的良好な認容性も認められました。


【アボルブの詳細】

男性型脱毛症AGAは、しばしば認められる疾患で、アンドロゲン(男性ホルモン)による、 遺伝的に引き起こされる脱毛疾患です。
男性型脱毛症AGAの頻度、重症度は、年齢とともに増加し、コーカサスの男性(白人男)の80%は、 70歳までに何らかの脱毛の兆候を示すとされています。
多くの男性が、抜毛を気にかけ、希望はしておりません。 また、抜け毛は、体の衰えた印象を与え、生活の質をも悪影響を与えます。

人間の肌、皮脂腺、毛包は、5α還元酵素を含みます。
5α還元酵素は、テストステロンをジヒドロテストステロンに変換するのに必要な酵素で、 男性型脱毛AGAの主要な責任物質です。
5α還元酵素には、二種のアイソザイムが存在します。
5α還元酵素1型は、頭皮を含めた皮膚に広範囲に存在し、5α還元酵素2型は、毛包と前立腺に存在します。
デュタステリド(アボルブ)は、両アイソザイムをともに阻害します。
デュタステリド(アボルブ)は、前立腺肥大を改善し、4年間にわたる1日0.5mgの服用においても、 良好な認容性を示しています。

男性型脱毛AGAを対象に第Ⅱ相臨床試験では、デュタステリド(アボルブ)は用量依存性に発毛効果があることが示されました。
この用量依存性の発毛効果は、頭皮において観察された、 ジヒドロテストステロン濃度の減少と一致しています。
デュタステリド(アボルブ)0.5mgまたは、それ以上の容量のデュタステリド(アボルブ)は、12-24週後、対象と比較して、 毛髪数の有意な発毛増加を認めています。
しかし、2.5mg/日のデュタステリド(アボルブ)は、0.5mg/日群に比較して、副作用として、 性欲減退を認めています。

最近、男性型脱毛AGA治療として、フィナステリド(プロペシア)1mg/日と ミノキシジル外用の併用療法がアメリカ食品衛生局FDAから推奨されました。
男性型脱毛AGAに対するデュタステリド(アボルブ)の発毛効果の研究報告が少なかったためです。
デュタステリド(アボルブ)による、男性型脱毛AGAに対する発毛効果を調べた、無作為二重盲検第Ⅲ相臨床試験は行われておりません。
そこで、無作為二重盲検第Ⅲ相臨床試験を企画し、プラセボに対し、 デュタステリド(アボルブ)0.5mg/日、6ヶ月間の男性型脱毛AGAに対する発毛効果、 安全性、認容性、副作用について、検討しました。

18歳から49歳までの、軽度~中等度の男性型脱毛症AGA患者 (Ⅲⅴ,Ⅳ,Ⅴ:modified Norwood-Hamilton classification)を対象にしています。
身体検査、血液検査などで著名な異常を認めた者、過去6カ月にミノキシジルの外用薬や、 他のアンドロゲン製剤や、抗アンドロゲン製剤による治療を受けた事があるもの、 フィナステリド(プロぺシア)による治療を過去12カ月以内に受けたことがある者、 アボルブ(デュタステリド)を使用している者は、除外しています。
対象となった男性型脱毛AGA患者は、髪型や髪の色は、研究中は変えないよう指示されています。
施設内治験審査委員会は、今回の研究方法を承認し、研究に参加する男性型脱毛AGA患者には、 承諾と同意を書面で得ています。

研究は、多施設プラセボコントロール二重盲検試験としています。
男性型脱毛AGA患者を無作為に抽出する前に、21±7日のスクリーニング期間を設け、治療期間は6カ月、 フォローアップ期間を4カ月設けております。
スクリーニングの後、153名の適した男性型脱毛AGA患者を無作為にデュタステリド(アボルブ)0.5mg/日、 プラセボ(偽薬)群に分けています。
男性型脱毛AGA患者は、治療開始後3カ月、6か月、10か月に来院させております。
一時エンドポイントは、毛髪数を数えることによる発毛とし、6ヶ月後の頭皮の接写で判定しています。
二次エンドポイントは、治療3ヶ月後の毛髪数、3か月ち6ヶ月後における患者の発毛効果の自己評価、 研究者による3カ月ごと6ヶ月後の接写による発毛評価としています。

4施設から男性型脱毛AGA患者153名がこの試験に参加しています。
デュタステリド(アボルブ)73名、プラセボ75名に無作為にグループ分けしてます。
5人の患者がドロップアウトしてしまったので、除外しています。 最終的に、男性型脱毛AGA患者131名が試験を終了(デュタステリド(アボルブ)64名、プラセボ67名)し、 17名が研究を完遂できませんでした。
完遂できなかった理由は、有害事象2名、基準に適合しなくなったが2名、追跡不能1名、 研究方法から逸脱してしまったが12名です。
対象となった患者の特徴は、デュタステリド(アボルブ)群、プラセボ群で有意な差はありません。
平均年齢は、デュタステリド(アボルブ)群で38.4歳、プラセボ群で38.4歳。
両群ともに、最も多い男性型脱毛症AGAのタイプは、Ⅲⅴで、タイプⅤ、タイプⅣが続きます。

【アボルブの結果】

治療6ヶ月後の毛髪数の平均発毛増加数は、プラセボ群が4.7本/cm2に対し、 デュタステリド(アボルブ)群で著名に高く12.2本/cm2です。
この発毛の差は、統計学的にも優位なものです。
治療から3ヶ月後の発毛の変化では、2群間で、有意な差はありません。
デュタステリド(アボルブ)群では、6か月の観察期間中、頭髪数は、継続的に発毛増加しています。
しかし、プラセボ群では、頭髪は3ヶ月後には発毛増加を示しましたが6ヶ月後には減少しています。

患者自身による発毛効果の自己評価では、写真を使用していない場合は、全体的に厚み、頭髪の質、量と、 頭髪の維持に関しては、両群に差は認めていません。
写真を使用した場合には、両群間の発毛効果の自己評価に有意な差を認めています。
男性型脱毛AGA患者自身による6ヶ月後の頭髪の発毛改善率は、軽度から高度改善まですべて含めると、 デュタステリド(アボルブ)群では71.2%に及びますが、プラセボ群では36.0%にしかなりません。

研究者の、頭頂部頭皮の写真による発毛評価では、デュタステリド(アボルブ)群で、3カ月、6か月時ともに、 より大きな発毛改善が得られています。
写真判定による発毛改善率は、6か月時のデュタステリド(アボルブ)群で61.6%、プラセボ群で20.0%です。
研究者が用いた7段階のスケール(著名減少-3~著名発毛増加+3)では、 3カ月、6か月時、デュタステリド(アボルブ)群で平均0.71、0.78であったのに対し、 プラセボ群では0.23、-0.21であり、統計学的に発毛に有意差が生じています。

【アボルブの副作用】

デュタステリド(アボルブ)群の49.3%とプラセボ群の42.7%に副作用が経験されています。
この副作用中、プラセボ群で甲状腺癌が発症しています。
薬剤に関連した副作用は、デュタステリド(アボルブ)群の6.9%、プラセボ群9.3%と報告されています。
副作用の総数と、薬剤に関連した副作用は、両群間において有意差はありません。
最も多く報告されたのは、鼻咽頭炎 です(デュタステリド(アボルブ)群12/73、プラセボ群7/75)。
薬剤に関連した副作用として、勃起不全EDが最も多く認めました。
これは、デュタステリド(アボルブ)群の4.1%(3/73)に認め、 プラセボ群の2.7%(2/75)にも認めています。
勃起不全EDと射精障害の両方を訴えた患者が、プラセボ群に1人います。
血液検査やバイタルサイン、身体検査は両群間に差は認めていません。
性機能に関する評価は、両群間において、開始時、3カ月、6か月、10か月の観察時点では、 有意差は認めておりません。

【論点】

男性型脱毛AGA患者対象にした第Ⅲ相臨床試験において、0.5mg/日のデュタステリド(アボルブ)の服用は、 18歳から49歳の男性型脱毛症AGA患者において、プラセボと比較し、頭髪数、患者の発毛効果の自己評価、 研究者の写真による発毛評価にて、有意な発毛効果が示されました。
一次エンドポイントは、1平方cmあたりの発毛変化として開始時、6か月時と測定されています。
デュタステリド(アボルブ)群で12.2本/cm2の発毛増加(8.2%)、プラセボ群で4.7本/cm2の発毛増加(3.2%)を示し、 これは統計学的な有意差があります。
この研究では、頭髪数は、3カ月、6か月後の両群ともに発毛増加しています。
6ヶ月後の頭髪の発毛増加数は、統計学的に有意差があります。
プラセボ群で頭髪が発毛増加した理由、特に3カ月時の発毛増加理由は、明らかではありませんが、 季節的な要因を考えています。
頭皮内で毛包が成長期にある割合は、5月に90%に達します。
以後、9月にかけて、徐々に減少してゆきます。
このサイクルの中で8月9月は、最も抜け毛が増える季節です。
この試験では、多くの患者が早春に登録されています。

フィナステリド(プロペシア)が2型5α還元酵素阻害剤であるのに対し、 デュタステリド(アボルブ)は、1型、2型ともに阻害する5α還元酵素阻害剤です。
その上、デュタステリド(アボルブ)は、フィナステリド(プロペシア)に比較し、 3倍も2型5α還元酵素を阻害能があり、1型5α還元酵素では100倍もの阻害能があります。
加えて、デュタステリド(アボルブ)は、血清ジヒドロテストステロン値を90%も減弱します。 (フィナステリド(プロペシア)は、血清ジヒドロテストステロン値を70%減弱します)
それゆえに、デュタステリド(アボルブ)は、フィナステリド(プロペシア)と比較して、 男性型脱毛症AGAに対して理論的に発毛効果であると考えられます。
しかし、一部でデュタステリド(アボルブ)による男性型脱毛症AGAの治療報告があるのみでした。
男性型脱毛AGA患者を対象にした24週間における無作為二重盲検プラセボコントロール第Ⅱ相臨床試験では、デュタステリド(アボルブ)が、 用量依存的に発毛効果があることが示されました。
この報告では、0.5mg/日のデュタステリド(アボルブ)の服用は、12~24週後の頭髪数を改善し、 フィナステリド(プロペシア)5mgに匹敵する発毛効果が示されました。
2.5mg/日のデュタステリド(アボルブ)の服用は、0.5mg/日と比較して、 僅かに発毛効果があるだけであったとも報告されています。
男性型脱毛症AGAの17組の双子を対象とした、他の臨床試験では、0.5mg/日のデュタステリド(アボルブ)の服用は、 プラセボに比較して、有意に抜毛を抑制したと報告されています。
加えて、女性における男性ホルモンによる抜毛に対し、 フィナステリド(プロペシア)が限局的な発毛効果を示したのに対し、 デュタステリド(アボルブ)は、著名な発毛を改善したという報告もあります。
この男性型脱毛AGA患者に対する臨床試験では、0.5mg/日のデュタステリド(アボルブ)がより効果的であることを示す以外に、 良好な認容性を有する事も確定できました。
プラセボと比較しても、同等なな安全性を示しています。
総副作用と薬剤に関連した副作用は、両群間で有意差は認めておらず、 ほとんどの副作用は、軽度なものでした。
加えて、両群間で性機能に関する差は認めていません。
性に関わる副作用は、デュタステリド(アボルブ)群で4.1%(3/73)です。
この頻度は、男性型脱毛症AGAにおける、フィナステリド(プロペシア)による治療時と同程度です。
先に行われた男性型脱毛AGA患者に対する第Ⅱ相臨床試験では、性欲の減退(1/68)と射精障害(1/68)が 0.5mg/日のデュタステリド(アボルブ)で、報告されています。
さらに2.5mg/日のデュタステリド(アボルブ)では、より頻度が増加する事が報告されています。 4年経過して行われた、前立腺肥大症に対する第Ⅲ相臨床試験では、 0.5mg/日のデュタステリド(アボルブ)の服用は、長期間にわたり良好な認容性を示しています。
今回報告したデータを含め、0.5mgのデュタステリド(アボルブ)は有効であり、 認容性も良好であると示しています。
この報告は、デュタステリド(アボルブ)による男性型脱毛症AGAに対する効果、安全性を調べた、 初めての無作為二重盲検プラセボコントロール第Ⅲ相臨床試験であり、 0.5mg/日のデュタステリド(アボルブ)の発毛効果を示し、副作用は、 プラセボと有意差が無いことを示しました。

デュタステリド(アボルブ)の長期間の男性型脱毛症AGAに対する発毛効果を検証する必要がございます。


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