バイアグラの糖尿病性心筋症の治療薬としての可能性



バイアグラ(シルデナフィル)の糖尿病性心筋症に対する効果

Chronic Inhibition of cGMP Phosphodiesterase 5A Improves Diabetic Cardiomyopathy.
A Randomized,Controlled Clinical Trial Using Magnetic Eesonance Imaging With Myocardial Tagging.
Circulation. 2012 May 15;125(19):2323-33. Epub 2012 Apr 11.


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糖尿病は強力な勃起不全EDの危険因子であり、新宿ライフクリニックにて、多くの糖尿病患者様のED治療をさせていただいております。
糖尿病により生じた勃起不全には、高容量のバイアグラシルデナフィル)や レビトラバルデナフィル)、シアリスタダラフィル)が有効です。
バイアグラ(シルデナフィル)が当初は心臓病治療薬として開発されていた薬剤であることは、別項で紹介させていただいております。
今回の報告は、Circulationという、アメリカ循環器病協会の機関誌に掲載されたもので、 バイアグラ(シルデナフィル)が糖尿病により生じた心肥大、心筋症を改善するとするものです。
解説を加えながら、ご紹介したいと思います。

糖尿病患者は、全世界に1億8千万人いるとされ、本邦にも1千万人以上いるとされています。
また、糖尿病患者のおよそ8割は心血管系疾患で死亡するとされます。 糖尿病性心筋症は、早期から出現する心臓の変化とされ、主に心筋細胞の肥大が出現します。 心臓は中心性に肥大を来たし、心筋肥大が生じると、心筋のスティフネス(硬度)が増加し、弛緩障害を引き起こします。最終的には、心臓の収縮不全、拡張不全につながります。 糖尿病性心筋症以外にも心肥大を来たす疾患は数多くございます。代表例は、高血圧です。
この心肥大を抑制する事が出いれば、将来の心不全の発症を予防できることになります。

マウスを対象にした実験では、なんら刺激のないマウス心臓では、フォスフォジエステラーゼ5と、それに関連するサイクリックGMPを介したプロテインキナーゼGの活性化レベルは低く、心肥大を来たしたマウス心臓では、これらが増加している事が判明しています。さらに、フォスフォジエステラーゼ5を阻害する事により、心肥大、心線維化を改善させ、心筋虚血からの保護作用やリモデリングの抑制を指摘されています。
人間を対象にした報告は少なく、そこで、人間における、バイアグラ(シルデナフィル)でフォスフォジエステラーゼ5を阻害する事により、直接的に心筋細胞の肥大が抑制効果等を検証するために、今回の研究報告につながっています。

診断から1年以内の2型糖尿病患者、59名(35~75歳)に対して、バイアグラ(シルデナフィル)100mg/日とプラセボ(偽薬)に無作為に分別し、心臓MRI検査にて、心機能や心形態の比較を行っています。
3ヶ月間に渡りバイアグラ(シルデナフィル)100mg/日を被験者に服用していただいたところ、プラセボ群に比較し、 糖尿病性心筋症により生じた心筋肥大が改善されたとしています。 心機能は、駆出率、心拍出量、心係数ともに改善を示しています。

バイアグラ(シルデナフィル)によるこのような作用の詳細は、今だ研究段階です。
プロテインキナーゼGの活性化により増加したサイクリックGMPは、変力性を減少させ、これにより心筋の弛緩作用をもたらします。 しかし、肥大した心筋細胞で過剰に発現されたフォスフォジエステラーぜ5は、サイクリックGMP濃度を減少させ、心筋のリモデリングを促進させます。
バイアグラ(シルデナフィル)は、この一連の流れを、フォスフォジエステラーゼ5を阻害させることにより、抑制する可能性があります。
今回認められた効果は、心筋への直接的な作用でなく、バイアグラ(シルデナフィル)の血管拡張作用や、血管内皮を仲介した作用の可能性もあります。

今回の研究では、バイアグラ(シルデナフィル)服用群においても、血圧の変動は認めておりません。
バイアグラ(シルデナフィル)服用初期には、一時的に血圧が低下することも見受けられていますが、服用を繰り返すことにより、この血圧の変化は消失しています。 本研究に参加した被験者は、バイアグラ(シルデナフィル)群、プラセボ群ともに、血圧は正常または良くコントロールされていたため、バイアグラ(シルデナフィル)による降圧効果が、出現しにくかった可能性もあります。
左室機能の改善は、後負荷の減少(血圧の低下と考えてください)に因るという可能性を検証するために、今回の研究では、エンドセリン1と血管内皮成長因子VEGFを測定比較していますが、これらに変化は認められていません。
つまり、バイアグラ(シルデナフィル)が直接的に、心筋細胞に作用した可能性が高いと考えられます。

心筋細胞におけるフォスフォジエステラーゼ5阻害による分子シグナルを評価するために、糖尿病性心筋症の原因、進行に関係するバイオマーカーを測定しています。
興味深い事に、バイアグラ(シルデナフィル)は、TGF-β、MCP1の血中濃度を低下させました。 この2種の炎症を誘発する物質は、左室のリモデリングと心筋細胞の肥大化、線維化を引き起こすとされています。
最近では、このTGF-β、MCP1は、肥大化した心筋細胞にも発現していることが示されております。
このことから、バイアグラ(シルデナフィル)により変化した血清マーカーは、部分的には、直接的に心機能に影響を及ぼしている可能性を示しています。
糖尿病性腎症を対象にした報告でも同様のことが示されており、これらのバイオマーカーの減少は、線維化シグナルを非活性化する事により、 糖尿病性心筋症を抑制していることを反映しているのかもしれません。
また、バイアグラ(シルデナフィル)による線維化マーカーの改善や心筋の拡張能の改善は、作用として心内膜の線維化改善を示しているのかもしれません。

最後に、代謝コントロールが、心機能に影響を与えてるかどうか、それがフォスフォジエステラーゼ5阻害に関係しているかを調べています。 ベースラインとしては、バイアグラ(シルデナフィル)服用群、プラセボ群で、心機能、心形態に相関が認められましたが、3ヶ月間のバイアグラ(シルデナフィル)の服用により、これらは消失しています。 血管内皮機能には変化は認められていません。一部の報告では、バイアグラ(シルデナフィル)により血管内皮機能の改善が指摘されていますが、その多くが短期的な報告です。そして、非糖尿病者を対象にしています。 血管拡張能が欠如していた原因として、糖尿病患者においては、血管拡張作用に対する一酸化窒素NOの役割が少ない可能性を指摘しています。

この報告を見るに当たり、様々な興味が湧いてきます。
ここで認められた、バイアグラ(シルデナフィル)の効果ですが、持続的なものでしょうか?
被験者となった糖尿病患者ですが、発症から1年以内と罹病期間が短く、もし、これがより長期間の罹病期間を有した場合は、結果がことなるのでしょうか? 罹病期間が長期になれば、心筋の線維化が進行し、バイアグラ(シルデナフィル)により認められた変化も不可逆性になる可能性がございます。
バイアグラ(シルデナフィル)は、その半減期から、24時間にわたり血中濃度を維持する事が困難です。この報告でも、バイアグラ(シルデナフィル)の一日総量を100mgとして、50mg-25mg-25mgと3分割して服用しています。
例えばですが、より長時間作用のあるシアリス(タダラフィル)を使用した場合はどうなるのでしょうか?
フォスフォジエステラーゼ5阻害剤は、まだまだ可能性のある薬剤であり、興味は尽きません。


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