バイアグラは食道蠕動を改善しスパスムにける症状を緩和する



バイアグラは食道スパスムを改善する

新宿でバイアグラ専門処方.新宿ライフクリニック


食物を嚥下するという作業は、様々な運動が高度に連携し、口腔から胃へ、食物を移動させることです。 咽頭が収縮し、食道平滑筋を弛緩させ、下部食道括約筋を弛緩させ、僅かな抵抗で胃内へ食物を通過させます。
この食道の弛緩は、近位部では、遠位部と同じようには持続しません。
食道の蠕動異常は、主に一酸化窒素に因る抑制と、コリン作動性刺激による弛緩運動と収縮運動に関連しています。

食道スパスムは、嚥下障害、食物の逆流、胸痛を呈する疾患で、高頻度に認められるものではありません。
食道の圧力を測定すると、下部食道括約筋の弛緩したままの、食道の収縮が認められます。これが食道スパスムです。 部分的な食道中部から下部にかけての食道蠕動異常は、食物の移動を妨げ、症状を引き起こします。
食道スパスムは、一酸化窒素を介した嚥下障害であり、相反しない興奮性の神経伝達物質による非協調性の、しばしば高圧となる食道収縮が伴っていると考えられます。

食道スパスムの治療として、ニフェジピンなどのカルシウム拮抗薬や、硝酸イソソルビドなどの硝酸薬が用いられることがありますが、 効果は限定的である事が多く、副作用も生じえます。
より効果的な治療法が望まれていますが、バイアグラシルデナフィル)は、PDE5を阻害する事により、 内因性の一酸化窒素を増加させることにより、効果を発現させる可能性が指摘されています。
健常者と食道スパスム患者を対象にした報告では、バイアグラ(シルデナフィル)およびその他のPDE5阻害剤は、 数時間に及び、食道平滑筋を弛緩させ、内圧を減少させる事が指摘されています。

バイアグラ(シルデナフィル)は、食道蠕動運動不全に効果があるとする報告があります。
その報告では、食道内圧は改善していますが、自覚される症状の改善がやや弱い事、副作用や費用の問題で、バイアグラ(シルデナフィル)による治療は、中断され場合が多いとのことです。 しかし、データ上では、食道内圧の改善が認められ、症状の改善を認めた例もあります。
このことから、バイアグラ(シルデナフィル)による食道スパスムの治療は、他の治療が奏功しなかった場合に、選択肢の一つとして考慮可能かもしれません。

今回の報告はケースレポートです。
二名の嚥下障害、胸痛を訴える食道スパスムの患者に対し、バイアグラ(シルデナフィル)を経口投与し、8週間に渡り観察が続けられています。 液状物として10mlの水を、固形物として1cm角のパンを飲み込んで頂き、この時の食道内圧を測定し、蠕動運動の伝播速度も算出しています。 加えて、正常な収縮と、異常な収縮の割合も検証しています。
まず、空腹時にバイアグラ(シルデナフィル)を25mg服用していただき、食道内圧を45分に渡り測定、 バイアグラ(シルデナフィル)による効果が認められない場合、さらに25mgを追加服用としています。

対象患者は、1例は65歳の女性。もう1例は67歳の女性です。
両名とも、嚥下により高度の食道内圧の上昇を認め、それに伴い、さらに嚥下障害や胸痛などの自覚症状を認めています。
バイアグラ(シルデナフィル)は、両名の症状と食道内圧測定結果を改善したとしています。

このケースレポートでは、バイアグラ(シルデナフィル)の服用により、症状と食道内圧のコントロールがうまく行われました。
2例とも、バイアグラ(シルデナフィル)を使用する前は、数か月以上症状が持続しており、今回の好結果は、印象強いものです。
既存の治療法は、効果が不十分であったり、認容性が乏しいかったりと、満足できるものではありませんでしたが、 バイアグラ(シルデナフィル)25~50mgを定期に服用する事により、速やかに症状を改善し、食道内圧を低下させています。

今回の検証では、被験者にバイアグラ(シルデナフィル)を服用する事を事前に知らせる方法を取っています。
プラセボ効果も存在すると考えがちですが、それ以上に、食道内圧の変化が大きく、バイアグラ(シルデナフィル)が効果的であったと考えられます。

両名とも、硝酸薬で食道スパスム治療を行い、改善する事を経験しておりますが、副作用により、継続ができていません。
今回のバイアグラ(シルデナフィル)の服用では、効果も十分であり、副作用も認容できる範囲でありました。
その理由のとして、バイアグラ(シルデナフィル)は、直接、硝酸を供給する薬剤ではなく、 平滑筋に対する内因性の一酸化窒素の作用を増加させるように作用することが挙げられています。
さらに、バイアグラ(シルデナフィル)は、必要時にのみ、刺激により一酸化窒素が放出された部位に作用してるようにも見受けられます。
食道スパスムの原因は、食道平滑筋の一酸化窒素の放出不全、一酸化窒素に対する反応の減弱と考えられています。 このことから、バイアグラ(シルデナフィル)は、一酸化窒素の代謝を正常化する可能性が示唆され、新たな作用機序が考察されます。

バイアグラ(シルデナフィル)は、部分的~全体的に食道スパスムを抑制します。
通常、液状物を嚥下した場合は、固形物を嚥下した場合に生理的な蠕動が出現するのに対し、ほとんどの蠕動運動が抑制されます。
液状物と固形物とでは、嚥下のメカニズムが異なるためです。
液状物は、重力により流れていくことができますが、固形物は、より積極的にしなければ移動しません。
固形物により食道内が膨張し、進展受容器が刺激されると、蠕動運動が誘発されます。

今回の検証では、バイアグラ(シルデナフィル)は、液状物を嚥下した場合は生理的な収縮を抑制し、 固形物を嚥下した場合は抑制しないことから、全般的にではなく、局所的な一酸化窒素の増加をもたらし、 生理的な蠕動運動を引き起こすと思われます。
食道スパスムを抑制するのではなく、むしろ食道蠕動運動を正常化しているように思われます。

バイアグラ(シルデナフィル)による食道スパスムの治療は、効果があることが示せましたが、長期使用は、その費用のため行えていません。
一部報告では、内視鏡的にボツリヌス毒素を注射する事が、代替療法として勧められています。
この治療法は、食道平滑筋を麻痺させるものですが、侵襲的であり、繰り返し治療を必要とします。
ボツリヌス毒素による治療は、食道の機能を正常化させるものでなく、一部患者では、固形物の嚥下と反射に難を認めています。
これに対し、バイアグラ(シルデナフィル)による治療は、重篤な副作用もなく、食道機能を改善し、患者の症状を軽減できる、治療法と考えられます。

バイアグラ(シルデナフィル)等の勃起薬、PDE5阻害剤は、本当に不思議な薬剤です。
全身に存在するPDEの研究、それに伴う新薬が待たれます。


参考文献
Sildenafil relieveds symptoms and normalizes motility in patients with oesophageal spasm.
a report of two cases.
Neurogastroenterol Motil(2007)19,798-803


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