バイアグラの効果を前もって予測できるか否か



バイアグラの効果を予測しようとする試み

新宿でバイアグラ処方なら新宿ライフクリニック


勃起不全EDと冠動脈疾患と、その危険因子が共通であり、疾患同士の関係が注目されております。 無症候性の心血管疾患や脳卒中、閉塞性動脈硬化症の、早期のマーカーになりえます。 動脈性EDは、患者自身が気づくことができる、動脈硬化の初めての症状になりえます。
脂質異常症や糖尿病、高血圧、喫煙などの危険因子は、血管内皮の機能障害を来たし、動脈硬化に進展いたします。 ED勃起不全は、骨盤内腔の動脈硬化(血流障害)でも生じえます。
ED患者のおよそ3/4は、何らかの動脈硬化性疾患を有すとされていますが、逆に、孤発生の動脈性EDも存在する事が知られています。
動脈硬化性疾患を合併している場合は、勃起不全の程度が重度であるとされ、陰茎への血流速が、より低下することが分かっています。
動脈硬化は、臨床的に、総頸動脈の内膜中膜複合体厚を測定する事に評価可能となっています。

バイアグラは、初めて市販された経口勃起薬ですが、その勃起改善効果は、報告にもよりますが60-80%とされています。 奏功率は、原因や併存疾患によって異なります。
市販されてすでに10年以上が経過しておりますが、どのような患者に効果が認められないのかを予見予測することがでていません。
バイアグラの効果はNO一酸化窒素に関わるところが多く、これは、血管が、どれだけ健常であるかに依存します。
何らかの原因により血管が障害されている患者では、バイアグラの奏功率が5割程度であったとする報告があります。
これに対し、血管が正常である患者と心因性ED患者では、バイアグラの奏功率が80%であってとの報告もあります。
血管性EDの中では、動脈性EDが最も奏功率が高く、70%前後であったとの報告もあります。
いずれの報告でも、バイアグラの奏功率は、陰茎海綿体の血流速のピークと負の相関を示すとされています。

しかし、末梢の動脈硬化症との関係やリスクファクター別に階層分けした奏功率などの評価が、不足しています。
ここでは、この血流速のピーク、リスクファクターの数、低リスクの心血管系疾患とバイアグラの奏功率について評価されています。

この研究者グループにより報告された、動脈性EDの判定方法(陰茎海綿体内にアルプロスタジールを注入し、血流速度により判断)を使用し、 動脈性EDを抽出し、動脈硬化リスク(喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症)の保有数が3未満の患者を、さらに、頸動脈と下肢動脈のエコーにより、 狭窄やプラークの存在、IMT内中膜複合体厚の肥厚を評価し、グループ分けを行っています。
平均年齢61歳(52-78歳)、動脈性EDの平均罹病期間3.6年(1.6-7.0年)の117名を、 対照群(動脈性ED7のみ認め、他の動脈硬化の確認できない群)、頸動脈硬化を認める群、下肢動脈硬化を認める群、 頸動脈と下肢動脈ともに動脈硬化を認める群に分別してます。

さらに、リスクファクターを3以上有すが、心血管系疾患の合併を認めない動脈硬化例20名 (平均年齢58歳:53-70歳、平均罹病期間36.6カ月:26-60カ月)を、対象に加えています。

バイアグラ100mgを週に2回、性行為1時間前に服用するよう指示し、試験前と12週後に国際勃起機能スコアIIEF5で評価しています。 第一評価ポイントは、この国際勃起機能スコアの点数が5点以上増加するか否か、第二評価ポイントは、国際勃起機能スコアIIEF5の質問3である、 ”勃起を得て維持する事が可能であったか?”に注目されています。

試験開始時の国際勃起機能スコアIIEF5は、全ての群で有意差は認められておりません。
罹病期間は、頸動脈と下肢動脈ともに動脈硬化を認める群で有意に長くなっています。
対照群では、リスクファクター数が1つまたは2つ有す率は、4割、6割程度を占めています。
頸動脈または下肢動脈に動脈硬化を有す群では、リスクファクターを2つ有す率は、およそ8割程度まで有意に増加します。
頸動脈と下肢動脈ともに動脈硬化を有す群では、100%ととなっております。

陰茎海面体血流速は、対照群、頸動脈または下肢動脈に動脈硬化を有す群で差がなく、頸動脈と下肢動脈ともに動脈硬化を有す群では、これらに比較し、 血流速が低く、動脈硬化が進行し、陰茎への血流が低下していると推定されます。
リスクファクターを3以上有す群では、頸動脈と下肢動脈ともに動脈硬化を認める群と比較し、平均年齢が若く罹病期間が短いにもかかわらず、 陰茎海面体血流速、IIEF5スコア、バイアグラの奏功率ともに、同程度となっています。 バイアグラの全体の奏功率は59.8%、陰茎海綿体の血流速がのピークが高い患者の8割では、国際勃起機能スコアIIEF5は5点以上増加し、 第二評価ポイントである質問事項についても改善を認めています。 一方で、陰茎海綿体の血流速が低下している群では、バイアグラの効果は減弱し、評価項目の改善も4割強に止まっています。

リスクファクター数でいうと、各群間で、ある程度似通った傾向を示していますが、これを狭心症や心筋梗塞などの合併疾患数で比較すると、 合併疾患数は、バイアグラの奏功率に相関している傾向が認められています。

この試験で示されたことをまとめると、末梢の動脈硬化病変の増加は、心血管疾患の余病数の増加に一致し、 さらに、バイアグラの奏功率が低下するとしています。
もう少し噛み砕いて言うと、狭心症や心筋梗塞など動脈硬化性疾患の既往がある方は、バイアグラの奏功率は低下する傾向にあります。
動脈硬化を調べる検査として、頸動脈や四肢動脈の超音波検査等がございますが、血管の複数個所に動脈硬化病変を認める方は、 やはりバイアグラが効きにくいとしています。
実際に臨床現場で感じていることと、ほぼ同様な結果です。
ここではバイアグラを中心に評価されていますが、レビトラシアリスも同様とお考えください。
順番は逆になりますが、もし、ED治療薬が効果がない場合は、狭心症などのチェックを受けた方が良いとも言えます。


参考文献
Efficacy and limits of sildenafil citrate in patients with arterial erectile dysfunction :role of peripheral arterial disease and cardiovascular comorbidities.
Asian J androl 2008;10(6):847-853