未来のEDの有病率



EDの有病率の推移-2025年

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1998年にバイアグラが市販されてから、EDは治療対象と広く認知されるようになり、 バイアグラの需要は、非常に多いものでした。
米国では、条件付きながら一部、ED治療薬に保険が適応されています。
米国国防省、いわゆるペンタゴンは、退役兵等を中心に医療サポートを行っておりますが、 そこでのバイアグラの医療給付額が5000万ドルに達したとニューヨークタイムズで報道されました。

医療費は、どの国においても、重要な政策課題です。
人口の増加、人口の高齢化が進行するとともに、医療費が増え、財政を圧迫しつつあるのは、 私たち日本を見れば、皆さんもご理解できると思います。
ED治療は不妊の問題とも関係があるため、重要ではありますが、日本では、生活改善薬と位置づけられ、保険適応外となっております。
医療政策は、国策で重要となってきますが、ED治療が保険適応される場合がある他の国々では、 その医療費負担も無視できないものとなってきております。

正確なED治療に関する医療費の増加を調べるには、人口動態や高齢人口の割合を調査する必要があります。
2025年におけるEDの有病率を推定しようとした報告がござました。

国際連合加盟国での65歳以上の男性の割合は、2025年には3億6500万人に達するとされ、バイアグラが市販された1999年ころと比較し、 1億9700万人の増加と推測されています。
全世界の65歳以上の男性の割合は、1995年時点で4.2%ですが、これが2025年には9.5%に達するとされます。
高齢者人口の増加に伴いED患者数が増加する事は、自然な流れと考えられます。

このことは個人レベル、社会レベルにおいて、重大な影響をもちます。
個人レベルでのEDは、生活の質に関係したり、症状は狭心症などの血管疾患の前駆症状と捉えられます。 早期発見早期治療に繋がり、健康の維持にも役立ちます。
社会レベルでは、医療費を含む医療政策や医療技術の進歩に関係します。 高齢男性が増加すると、ED治療に保険適応を認めている国々では、国の財政を圧迫する事態にもなりかねません。

1995年時点でEDを経験した男性は全世界で1億5200万人に及ぶとされますが、2025年には3億2200万人に増加するとされます。
およそ1億7000万人の増加です。
最も勃起不全の人口が増加すると予測されるのはアフリカ、アジア、南米です。 2.5倍以上の増加が予測されるとしています。
これに次いで、北米、オセアニアが続きます(およそ2倍の増加)。
この予測は、控え目な値であり、より増加する可能性もございます。

増加の予測されるアフリカ、アジア、南米は、医療制度が十分でない場合もある地域です。 しっかりとした医療を提供できない場合は、偽造医薬品の氾濫にもつながりかねません。 偽造勃起薬は、様々な健康被害をもたらします。国民に危害を与える可能性が高く危険です。

EDは、心疾患や糖尿病、高血圧など動脈硬化性疾患や、その他の疾患によってももたらされます。 これらの有病率の増加は、EDの有病率の増加に繋がります。 特に糖尿病の増加は著しく、本邦でも、国策として、対応に迫られています。

ED治療が注目されているのは、心疾患発見の早期のマーカーになるからと、ホームページ内でご紹介させていただいたことがあります。 このことは、早期の心疾患の治療に繋がり、個人の健康維持に重要な役割を果たす可能性を示します。
また、医療費の観点から見ると、心疾患を早期に治療する事は、医療費の削減につながる可能性もございます。

勃起不全とうつ病の関連性も知られるようになってきております。
勃起不全を治療する事により、うつ病に好影響を与える可能性がございますし、うつ病の早期発見に繋がります。
本邦では、2011年に、今までの4大疾患である、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病に、精神疾患を加え5大疾患とし、 国策として取り組んでいることからも、うつ病をはじめとする精神疾患の増加は、個人の問題だけでなく、社会の問題として捉えられます。
精神疾患の医療費の増大も著しく、これを抑制することも、重要課題となっております。

EDの原因は、時代とともに変化する可能性もございます。
欧米諸国のような高脂肪食は、体重を増加し、高コレステロール血症、糖尿病、肥満などの原因となり、EDを引き起こします。 しかし、これを抑制しようとする試みもされております。
一番は、一般市民への啓蒙運動でしょう。
国によっては、砂糖などの甘味に対して贅沢税を課すところも出現しております。
最近では、器質性EDではなく、社会的ストレスなどを原因とする心因性EDの増加が顕著であります。
これらが改善された場合には、この予測値より低くなるかもしれませんし、 改善できるように努力する事が、個人および社会に求められています。

すでに破綻しつつある国の保険システムは、バイアグラの市販によりED治療費というさらなる難題に直面し、 さらに、専門家や投票権を有した市民により、政策資金の使途に対する厳しさが増しています。

英国を例に挙げると、バイアグラ処方費用を国民健康保険から負担した場合、1億ポンドから10億ポンドの負担増になると見積もられ、 そのため、当時、医療保険制度に問題を抱えていた英国は、バイアグラの保険適応を見送っています。
英国での決定は、その他の、やはり急速に高齢化の進む国々にも影響を及ぼしました。
日本も同様かもしれません。

海外の場合は、富裕層は、国民健康保険とは別の保険に個人で加入している場合も多く、その場合は、ED治療も保険適応がされる場合がございます。 日本では、全ての国民に、医療機会と質の担保を約束しています。
国民保険の原則から逸脱してしまうのも仕方ない事なのでしょうか。

このようにバイアグラのED治療薬としての有効性や、EDを治療する事により個人の生活の質が著しく改善するという事実以上に、 政策や資金の問題があり、保険適応が見送られています。

ED治療を行うことが心疾患などの早期発見に繋がり、また、うつ病などの精神疾患にも好影響を及ぼす可能性があると先に記載いたしましたが、 これによって医療費の削減にも繋がる可能性もございます。
ED治療薬は、レクリエーションとして服薬される場合もあり、国としても、保険適応に踏み切る確固たる自信がなかったのでしょう。
しかし、状況は刻々と変化いたします。
バイアグラも市販されてから10年以上経過いたしました。
本邦では、不妊治療に多くの費用がかかり、これを保険適応とするような運動もございます。
現在では、保険適応されていない勃起薬ですが、今後はどうなるのでしょう?
国民の健康、政治、費用など、様々な問題を解決していかなければなりません。


参考文献
The likely worldwide increase in erectile dysfunction
between 1995 and 2025 and some possible policy consequences.
BLU international 84:50-56