バイアグラと肺サルコイドーシス



バイアグラの肺サルコイドーシスによる肺高血圧症に対する効果

バイアグラ新宿はライフクリニック


本邦では、サルコイドーシス患者は、10万人あたり7.5~9.3人程度の疾患頻度とされています。 原因の詳細は明らかでありませんが、一部のサルコイドーシス患者のリンパ節から、 細菌の遺伝子が検出される事から、何らかの感染症が関係していると考える研究者もいます。

肺サルコイドーシスは、しばしば肺高血圧症を伴う難病です。
サルコイドーシスに見受けられる肺高血圧症は、肺機能の低下に伴い進行するとされています。
原疾患の頻度が少ないことから研究が進まず、詳細は分かっていない事も多々ございます。 研究報告も、残念ながら、小規模なものが多く、長期的な観察では無く、薬物の急性反応を調べたものが中心です。 致し方ない面はございますが、小さな積み重ねが重要になります。

バイアグラの主成分であるシルデナフィルは、 レバチオという別名でも市販されています。 シルデナフィルは、特発性肺高血圧症に適応がございます。
肺高血圧症は、様々な疾患から生じ得ます。 肺サルコイドーシスも原因疾患の一つでは有りますが、 シルデナフィルが肺サルコイドーシスによる肺高血圧症に対して、 実際に有効であるか否かの研究報告はあまりありません。
では、バイアグラは、サルコイドーシスによる肺高血圧症に対しても有効なのでしょうか?
小規模ですが、バイアグラ(シルデナフィル)の肺サルコイドーシスに対する長期効果を研究した報告がございましたので、 一部、紹介したします。

肺高血圧症の治療をする前は、右心カテーテルにて、急性血管反応を測定することがほとんどです。
この報告でも、肺循環動態、心機能を評価し、NOの吸入に引き続きバイアグラを投与し、 各パラメーターの変化を測定しています。 吸入NOは、平均肺動脈圧を低下を認め、ある程度の効果がある事が確認されています。
これに引き続き、バイアグラを平均150mg/日服用と、 イロプロスト吸入を併用となっています。 これを、平均6か月継続した後、再度、右心カテーテルにより、効果を判定しています。
バイアグラ、イロプロストの治療により、一部の患者の平均肺動脈圧は低下を認めましたが、 6分間歩行テストに関しては、改善したものと、悪化したものとが認められています。
患者の自覚症状は、すべての患者で改善を認めており、この治療の継続を希望していたとしています。
吸入NOとバイアグラによる治療との間には、直接的な相関は認められていません。 吸入NOとバイアグラによる治療による平均肺動脈圧や肺血管抵抗の変化にも相関はありません。 つまり、吸入NOの方が成績が良い者も有れば、バイアグラの服用の方が、良い結果が得られている者もいます。

肺サルコイドーシスにおいて、肺高血圧症はしばしば認められますが、 その原因は、様々であるとの報告がございます。
線維化やサルコイド結節などのサルコイドーシスの肺病変は、リンパ系に広がるとし、また、 血管周囲の線維化や動静脈への浸潤破壊を来すとされています。
サルコイド血管炎と呼ばれる病態は、静脈を中心に、影響しているとしています。
これらの病態が、別々に存在する事も有れば、一人の患者に、すべて存在する事もあります。

胸部レントゲン上、肺線維化の著しいステージⅣの場合、肺高血圧症が存在する事が強く疑われます。 実際にこのようなレントゲン所見を示す場合、肺実質や脈管は、線維化し、破壊、捻じれているとされ、 正常な血管構造は示しません。 腫大し線維化したリンパ節によって脈管は圧迫され、これも肺高血圧症の一因となり得ます。
サルコイド―シスは、本邦ではやや女性に多い疾患ですが、有る報告では、男性サルコイドーシス患者の方が、 肺高血圧症を呈す率が高率としているものもあります。
遺伝的性質なのか男女差なのか、単に治療歴の違いなのか、喫煙歴の問題なのか、詳細は判らないとしています。
喫煙は、一般的にはサルコイドーシスとは不の相関を示すとされていますが、 殊、肺高血圧症を呈するか否かに限れば、喫煙者の方が、肺高血圧症を来す率が高いとする報告もあります。 喫煙は、二次性肺高血圧症の原因疾患であるCOPDの原因である為、やはり何らかの関係が有るかもしれませんが、 詳細は分かっていません。

この報告は、平均観察期間が6カ月程度と、今までの報告に比較し、比較的長期に渡るものです。 しかし、対象者数は20例ほどと少なく、また、6分歩行テストなどの客観的な指標の改善が一定しません。 つまり、バイアグラの効果が有ると考えるには、データが十分でありません。 自覚症状は改善しているとの事ですが、実際は、プラセボ効果なのかもしれません。 これをもって、肺サルコイドーシスへの適応を広げようとするものでは有りません。

以前、COPDによる肺高血圧症にバイアグラが有効性を研究した報告がございました。 その報告においても、今回のように、良くなる例も有れば、悪くなる例もございました。
特発性肺高血圧症は、肺動脈を中心に病変が広がる疾患です。 これに比べ、肺サルコイド―シスやCOPDは、肺の実質も障害されます。 バイアグラを用いて血流を良くしても、肺への吸気自体が減少していれば、換気と血流のミスマッチが増大し、 病態は、改善どころか悪化する可能性も有ると考えます。

シアリス(タダラフィル)も、アドシルカとして特発性肺高血圧症治療薬として認可されていますが、 シルデナフィルと同様と考えます。

肺サルコイドーシスに対しては、aviptadilと言う薬剤が臨床試験中だったと思います。 その後の報告を待ちましょう。


written by シアリス新宿なら新宿ライフクリニック.