ばいあぐらは新宿ライフクリニック。
【未完成婚】
未完成婚(unconsummated marriage)とは、
結婚しているにも関わらず一回もセックスが完遂されていない状態で、
言わば結婚当初からのセックスレスな状態を指します。
未完成婚は、結婚生活の破綻にも結び付きやすく、このようなセクシャルな問題は、
成田離婚のような早期の離婚の原因の一つとしても認識されています。
少子高齢化が大きな問題となっている本邦では、可及的速やかに問題解決が望まれる分野でもあります。
ただ、その原因は多肢にわたり、一概に解決とは言っても、難しいケースも多々あります。
特に、本邦では、セックスなどの基礎的性知識の教育が北欧のように徹底されていないため、
解決にあたり、性教育から始めねばならない状況も多々ございます。
こうした状況も有り、教育政策としての性教育の有り様も、長期的な少子高齢化問題の解決にあたっては、
再検討の必要が有ると思われます。
本項ではEDなどが原因となる未完成婚について、 その内容、原因、治療方法などに関して私見を交え記載しています。
【未完成婚とは】
未完成婚の正確な定義は、「結婚後一定の年月が経過しているにも関わらず、
未だに一度もペニスを膣内に挿入していない状態」とあります。
未完成婚と判断する期間の長さに関しては、明確な定義はありませんが、
おおよそ3カ月くらいとされています。
この場合は、カウンセラーや医療機関などの第三者の介入を考慮しても良いと考えます。
こうしたカウンセリングにはセックスカウンセリング
のように、医学的にカップルの性交における問題に介入するものも有ります。
ほとんどの例においては、早期に問題が解決するか、 離婚などのアクションで問題自体が早々に消失するかなど、短期間で何らかの決着が着きますが、 未完成婚例の中には、10~15年継続するものから、 驚くべきことに一生涯未完成婚であるケースも有ります。
未完成婚の年齢層は30台が最も多く、生殖年齢の中心年代層とオーバーラップします。
上述の通り、中高年にも未完成婚状態の夫婦も存在します。
年齢が上がる程、改善のための介入が難しくなる傾向が有るとされます。
【原因】
未完成婚の原因は、非常に多岐にわたります。
性的概念の誤解等の知識上の齟齬から、腫瘍や炎症などの器質的なものに至るまで、
結果として「セックスが出来ない結婚状態」の発生に関わるものはすべて、
未完成婚の発生源となります。
基本的には、男性もしくは女性のどちらかに原因、問題が有る場合がほとんどで、
男女ともに問題があって未完成婚が発生する場合も無い訳では有りませんが、
かなりの稀なケースになります。
以下、未完成婚の発生源を男女に分けて記述しております。
女性側の問題としては、性交恐怖、性交痛が、非常に多いとされます。
これらは、実は、男女含めた全体の原因の中でも多数を占めます。
また、性交恐怖と性交痛は、
オーバーラップしている事も多い疾患です。
男性側に限った問題としては、EDが中心となります。
未完成婚におけるEDは、新婚インポテンス
とも呼ばれます。
ED以外の原因としては、重度の包茎、ペニスの先天奇形、外傷後影響、肥満などです。
女性に比べて、男性は性教育の希薄さが未完成婚の原因になる場合は少ないのですが、
未完成婚におけるEDの中心は、精神的影響で発症する
心因性EDになるので、
その心因の形成に、性教育の希薄さ・セックスへの誤解などが関連している場合も有ります。
【未完成婚の改善】
未完成婚の改善は、原因によって様々であるため、オーダーメイド的な要素が強くなります。
未完成婚の解決、介入には、達成目標を規定する必要が有ります。
夫婦間でのセックスの不在に両者の同意があり、その上で愛し合い、助け合い暮らしていけるなら、
社会的な問題はあるかもしれませんが、夫婦にとっては、特に問題提起する必要のない事柄となります。
つまり、問題提起する必要性自体が、達成目標にリンクしていると言えます。
セックスの存在が婚姻関係の維持に必要不可欠な場合や、挙児希望がある場合などが達成目標となります。
女性側の原因の中心である性交恐怖の改善は、基礎的な性教育の確認から始まります。
性的な知識が非常に乏しいケースが多いので、基本的な内容から、カウンセリング、
性教育を行う必要が有ります。
また、女性側の原因のもう一つの中心である性交痛は、
男性側の前戯の不足や膣頸・処女膜強靭などの行動的・物理的問題が根底にある場合が多いので、
性交恐怖症を原因としたケースに比較し、直截な解決が出来る場合もございます。
男性側の原因の中心であるEDの改善に関しては、
心因性EDが多くを占める為、ストレスなどの心因の特定とそのマネジメントが治療上の目標となります。
こうした一次介入で効果が奏功しなかった場合は、
バイアグラ、レビトラ、
シアリスなどのED療薬の投与も並行して行われます。
これらED治療薬の効果は、90%以上とも報告されており、非常に信頼度の高い治療法とも言えます。
【未完成婚と社会】
未完成婚はもちろん、少子高齢化の促進因子になります。
本邦では、未婚の男女の割合が増加しており、それに加え、離婚率・出生率を低下させる未完成婚の存在は、
国家政策としても介入すべき事案です。
上述も致しましたが、未完成婚という問題の根底には、個人間の性知識量のギャップ、
セックスに対しての誤解が多く存在しています。
このことは、我々、日本人の性教育の有り様を今一度検討する必要性を感じさせます。
我々の性教育は、小学校・中学校における生物学的な内容を中心とした、
非常に基礎的なもので、系統的なレクチュアが終了してしまいます。
それ以降の性知識は、友人などの周囲の人間の噂話、脚色が非常に強いアダルトビデオ、雑誌、漫画、
インターネットホームページなどが、主たる情報源となります。
能動的に情報を集めない限りは、、誤解に満ちた性知識をつめこんでしまう事も、
乏しい性知識のままで大人になってしまう事も致し方ないとも思われます。
我々、日本人は少子高齢化問題を通じて、その性教育の有り様を問われているのかも知れません。
written by しありす処方なら新宿ライフクリニック.