オキシトシンというホルモンは、30人、63人、8人の3つのボランティア被験者グループにおける、臨床研究とテストにおいて、 その増加が『幸福感』の発生と統計的に有意な相関を示し、やはり『幸せホルモン』であるという可能性が示唆されたとの事でした。 その一方、ラット30匹を合計6群に分け、性的刺激がない状況で、 レビトラ:バルデナフィルの投与が『幸せホルモン』であるオキシトシンの発現を促すかどうか検証した実験では、 レビトラ:バルデナフィルの1日2.0mg/kg投与からオキシトシンは有意な増加を示す事が確認されたとの事でした。
我々の「幸せ」という感覚はどこからやってくるのでしょうか?
こうした感覚の全ては脳内で発生しており、
様々なホルモンの分泌によって、こうした私たちの体感が引き出されております。
みなさんはオキシトシンというホルモンをご存知でしょうか? オキシトシンは一般に 『幸せホルモン』 とも呼ばれており、 大脳の視床下部の室傍核・視索上核において合成され、下垂体後葉に輸送されてから適宜分泌され、海馬、扁桃体、視床下部、および脊髄の背角に投射されています。 このホルモンは元々は分娩時の陣痛促進,授乳期における射乳作用などを促す作用で知られておりましたが、 これらの機能にもともと関係が無い男性の脳内においても分泌がされており、 これは最近の研究で、このオキシトシンには中枢神経作用として生殖行動や社会行動への影響があり、 社会的相互作用によって誘発される生理学的および行動的効果に関連をしている事が段々とわかって来ました。
具体的には神経伝達物質としてオキシトシンには、鎮痛や不安の軽減、共感や他者への信頼感、親和性、愛着など多岐に渡る感覚への影響が確認されており、 総じて『ポジティブな気分=幸せな気分』に関連をしている事が推測されているため『幸せホルモン』という通称がつけられております。 また人間以外のいつくかの動物種においても、オキシトシンの投与により、社会的接触が増加する事や個体間の絆が促進されている事が確認されているとの事です。
驚くべき事に、近年の動物研究において、この『幸せホルモン』であるオキシトシンが、 ED治療薬であるレビトラ:バルデナフィルによって脳内での発現が促進されている事が報告されており、 つまりレビトラ:バルデナフィルで間接的に幸せな気分になれるのかも知れないという可能性が示唆されているのです。
インターネット上において 『レビトラ バルデナフィル 幸せホルモン オキシトシン』 などのクエリの取り合わせで、 検索が見受けられているとしたら、こうした近年の発表による影響の可能性も有るのかもしれません。
こちらのページではこうした状況を受けて以下、
文献1.では実際に『幸せ』という感覚とオキシトシンというホルモンとがリンクしているのかどうかについて検討している研究に関して
文献2.ではレビトラ:バルデナフィルがこの『幸せホルモン』オキシトシンの脳内での発現の促進に本当に関与しているかどうかについて検討している動物研究に関して、
それぞれ新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医から、これに私見を添えて、わかりやすく解説をさせて頂いております。
宜しければご一読くださいませ。
こちらでご紹介する文献の研究は、レビトラ:バルデナフィルが発現の亢進を促す可能性があるという 『幸せホルモン』 オキシトシンが、 本当に『幸せ』という感覚にリンクをしているのかどうかについて、検討をした内容となっております。
この研究が秀逸なのは、研究室内での幸せという感覚の発現に 『香り』 を利用した事と、 『幸せホルモン』オキシトシンの発現の確認に 『唾液』 を検体として使った所に有ります。
「今幸せです」という人をジャストタイミングで自然に探し出して、
研究室に連れてくる事は実質的に不可能です。
また脳の奥で発生するオキシトシンの発現を直接的に調査する事は侵襲性が高いものになるのは否めず、ゆえにこうした調査は動物でしかできませんし、
その一方で採血によってこのオキシトシンを調査する場合は、
針を刺すという行為によって『幸せ』という感覚自体が阻害され、研究が成立しなくなってしまう可能性も危惧されます。
『香り』は、喜びや懐かしさ、また嫌悪感や警戒心の高まりまで、強い感情反応を引き起こす作用がある事が古くから知られております。 この嗅覚刺激に対する感情の反応には、脳の機能における裏付けもあり、 まず情動に大きく関与するとされる大脳の扁桃体は、香りに迅速に反応し、心地よい香りまた不快な匂いは、それぞれ、この扁桃体に異なる活性化パターンを引き起こすとされております。 また特定の香りを嗅ぐ事で、脳の海馬が刺激され、その香りに結びついた過去の記憶や感情が鮮明に蘇る現象も確認されております (これは『プルースト現象』と呼ばれております)。 また心地よい香りはストレスに関わるホルモンであるコルチゾールレベルを低下させ、 さらに特定の匂い物質は数秒以内に緊張に関わる交感神経活動を調節してくれる作用があるとも報告がされております。
つまり香りは感情などの情動の出現や緊張などのフィーリングにダイレクトに影響を及ぼすので、 実験室内で人為的に『幸せなフィーリング』などの情動を誘発する事ができる可能性が有ります。
そして唾液は、体の遠位も巡っている血液などとは違い、脳などの中枢神経に常に近い位置にあり、血液脳関門に対する透過性も持つため、急性の中枢神経の内分泌的変化を反映する事ができます。 また非侵襲的かつ容易に採取ができるため、針の穿刺などによる『幸せ』などの感覚への悪影響を最小限に抑える事が可能です。 また唾液はターンオーバーが速く、瞬間ごとの変化を捉えるのに十分な感度を持ち、中枢神経系によって制御される神経内分泌活動を反映し、 医療従事者の介入なしに非侵襲的に繰り返しサンプリングできる、 というホルモンの変動に伴う感情の測定のために採取される検体としては最適と言って良い特徴が複数ございます。
この研究の被験者は、18歳から60歳までの健康なボランティアで構成され、 それぞれ30人、63人、8人の3つのボランティア被験者グループに分けられ、 臨床研究とテストが設計されたとの事でした。
こちらの研究では、コルチゾール、αアミラーゼ、デヒドロエピアンドロステロン、そしてオキシトシンの4つの神経内分泌物質の唾液上での確認ができて、 かつ情動に関連するホルモンを組み合わせて測定し、 ボランティアの被験者の方に6種類の香りを嗅いでもらって、嗅ぐ前、嗅いだ5分後、嗅いだ20分後の唾液をそれぞれ採取し、 さらに、質問票を並行して用いて『幸福感=幸せなフィーリング』など主観的な感情評価を合わせて測定したとの事でした。
その結果として、唾液にて計測されるホルモンのパターンから香りによって誘発される感情プロファイルがまず明らかとなり、 特定の感情状態とバイオマーカーの変化が相関する参加者のサブグループが確認されたとの事でした。 その中で、やはりオキシトシンの増加と幸福感・リラックスは統計学的にも明らかな一致を示し、 また、独立したコホートにおける潜在連合テストを用いた検証上では、 分子レベルのプロファイルと行動指標との一致が確認され、 本手法の堅牢性が裏付けられたとの事でした。
このようにこちらの研究においては、オキシトシンの増加は幸福感の発生と明らかな一致を示し、 やはりレビトラ:バルデナフィルが発現を亢進させる可能性がある 『オキシトシン』 というホルモンは、 『幸せホルモン』である事が示唆される結果となったとの事でした。
続いてご紹介させて頂く『文献2.』ではいよいよこの幸せホルモン『オキシトシン』 がED薬であるレビトラ:バルデナフィルによって、 その発現が促されるのかどうかについて検討した動物研究に関してご紹介をさせて頂きます。
前述の文献1.にて、脳の奥で発現するオキシトシンの調査をダイレクトに行う場合、どうしても侵襲性が高くなってしまうので、 動物での実験でしかその検証ができないと上述させて頂きましたが、 こちらの文献2.では実際に人間と同じ哺乳類であるラットに対して、 レビトラ:バルデナフィルを投与する事で、果たして『幸せホルモン』であるオキシトシンの発現が促進されるのかどうかについて、 脳内にて検証をしている実験に関してご紹介をさせて頂いております。
なおこの研究は、性的刺激という行為自体が『幸せホルモン』であるオキシトシンの発現を促してしまう可能性があるので、 一切の性的刺激なく行われているとの事でした。
実験の方法としては、体重300±10gの雄Sprague-Dawleyラット30匹を各群5匹の合計6群に分け、 ①レビトラ:バルデナフィルを投与しない対照群(同量の蒸留水を経口投与) ②経口投与のレビトラ:バルデナフィルを1日0.5mg/kg投与した群、 ③1日1.0mg/kg投与した群、④1日2.0mg/kg投与した群、⑤3日で1mg/kg投与した群、⑥7日で1mg/kg投与した群のそれぞれにおいて、 大脳の視床下部、室傍核におけるオキシトシンの発現亢進を免疫組織学的方法によって確認をしたとの事でした。
この実験の結果として、大脳の視床下部の室傍核におけるオキシトシンの発現は、レビトラ:バルデナフィルを1日2.0mg/kg投与した群から有意に促進され、 この効果は投与期間に依存して増強を示したとの事でした。 つまり人間と同じ脊椎動物の哺乳類において、 レビトラ:バルデナフィルが幸せホルモンであるオキシトシンの発現を増強させる事が、 実験とその統計学的解析の結果において示されたのです。
この結果は、本文献の末尾にて、 レビトラ:バルデナフィルが幸せホルモンであるオキシトシンの分泌などを介して、 親和行動や社会的相互作用に好影響を及ぼす可能性がある事が示唆されるとして、まとめられております。
他の研究においては、レビトラ:バルデナフィルのようなPDE5阻害薬がうつ病に対して好影響を与える事なども報告がされておりますが、 そのロジックの背景には、こうした幸せホルモンであるオキシトシンの分泌が関わっている可能性もあるかと、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医として推測する所でもあります。
―Q1.『レビトラは幸せホルモンを増やしますか?』
A.はい。その可能性が有ります。ラットによる動物実験では、レビトラ:バルデナフィルが『幸せホルモン』と呼ばれるオキシトシンの発現を促進させる可能性が示唆されており、
同じ哺乳動物である人間でもそうした効果が期待されております。
―Q2.『オキシトシンとは何ですか?』
A.はい。オキシトシンとは大脳の視床下部の室傍核・視索上核において合成され下垂体後葉に輸送されてから分泌されるホルモンで、
元々は分娩時の陣痛促進,授乳期における射乳作用などを促す効果で知られておりましたが、
その後の研究で、不安の軽減、共感や他者への信頼感、親和性、愛着など多岐に渡るポジティブな感覚への影響が確認されており、
そうした効果から 『幸せホルモン』という通称がつけられています。
―Q3.『レビトラで気分が良くなる事はありますか?』
A.はい。その可能性は有ります。人間における実験ではオキシトシンの分泌は幸福感とリンクしている事が判明しており、
またラットにおける動物実験では、レビトラ:バルデナフィルによってこのオキシトシンの発現が促進される事が示唆されておりますので、
同じ哺乳動物である人間においてもレビトラによって気分がよくなる『オキシトシン』の分泌が促される可能性が有ります。
―Q4.『バルデナフィルは脳にも作用しますか?』
A.はい。その可能性は有ります。レビトラ:バルデナフィルの投与によって動物実験では、
脳におけるオキシトシンという通称『幸せホルモン』の発現が促される事が示唆されている為、
同じ哺乳動物である人間においてもこうした脳への作用が見いだされる可能性は有ります。
―Q5.『ED治療薬は精神状態にも関係しますか?』
A.はい。その可能性は有ります。EDの改善自体が男性の精神状態をポジティブにしてくれる可能性が報告されております。
またED治療薬がうつ病の改善に対しても好影響を与えるという報告もあり。
このようにED治療薬は精神状態に好影響を与える可能性が示唆されております。
―Q6.『レビトラは性的刺激がなくても効果がありますか?』
A.はい。その可能性は有ります。ラットにおける実験ではレビトラ:バルデナフィルの投与によって、
性的刺激を加えない状態で、幸せホルモンとも呼ばれるオキシトシンの発現が脳内で促されたと報告がされております。
1.Capturing Emotions Induced by Fragrances in Saliva: Objective Emotional Assessment Based on Molecular Biomarker Profiles
Journal:Journals Biosensors Volume 16 Issue 2 10.3390/bios16020081
Author:Laurence Molina ,Francisco Santos Schneider,Malik Kahli,Alimata Ouedraogo,Mellis Alali,Agnés Almosnino,Julie Baptiste,Jeremy Boulestreau,Martin Davy,Juliette Houot-Cernettig,Telma Mountou,Marine Quenot,Elodie Simphor,Victor Petit,Franck Molina
※原著はこちら
2.Vardenafil Enhances Oxytocin Expression in the Paraventricular Nucleus without Sexual Stimulation
Journal:Int Neurourol J. 2010 Dec 31;14(4):213–219. doi: 10.5213/inj.2010.14.4.213
Author:Mal Soon Shin,Il Gyu Ko,Yun Hee Sung, Sung Eun Kim, Bo Kyun Kim, Chang Ju Kim, Sang Won Lee, Dong Hee Kim, Joo Hyun Chang, Khae Hawn Kim,
※原著はこちら
(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2026-08-31)
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