ED治療薬の薬効はペニス陰茎長とは相関が無いとする報告


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ペニス陰茎の長さとED治療薬の効果は関係しない

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勃起不全EDは、PDE5阻害剤が登場し、手軽に治療できるようになってからというもの、医師、患者ともに、勃起不全EDに注目が集まっております。
多くのED患者様は、このPDE5阻害剤で、勃起不全EDを改善する事が出来ますが、治療効果が乏しい患者様もいることも事実です。
その理由は、ペニス陰茎の血管内皮や動脈硬化が著しかったり、前立腺摘出術後、性腺機能低下症、 勃起薬の知識が不十分でその使用法に誤りがある場合、急速に薬剤の耐性が出現してしまった場合、心因が非常に強い場合など、様々です。

男性多くは、自身のペニス陰茎のサイズを気にしてる方、関心を持ったことがあると思われますが、 ペニス陰茎の長さ、太さや形は、勃起不全ED治療に影響を与える可能性のある要素の一つです。

今回の報告は、ご自身のペニス陰茎のサイズを気にしているED患者に対しPDE5阻害剤を使用した場合、このペニス陰茎のサイズを気にする事が、 ED治療にネガティブな影響を与えることがないか、検証されています。
このように、ペニス陰茎のサイズとED治療の関係を検証した報告は、珍しいと思います。

平均年齢52.05歳(±8.90:37~75歳)のED患者42名を対象に検証されています。
いずれのED患者も最低3カ月に渡り中等度~重症のED勃起不全を有し、安定した一夫一婦の関係があり、遡ること4週内に、性行為を試みている男性を対象としています。
性交歴の問診、身体検査、血液生化学検査、内分泌検査、薬剤または性的刺激により勃起したペニス陰茎に超音波検査を行っています。
性行為中に狭心症を認めた場合、不安定狭心症や冠動脈疾患を有する、血圧コントロールが不十分、 起立性低血圧、うっ血性心不全、不整脈、腎機能障害、肝機能障害、貧血を認める場合は、除外されています。 骨盤内腔手術や前立腺手術を受けられた方、陰茎インプラント術、陰茎ペニスの変形がある方、ペニス陰茎の長さに影響を及ぼす放射線治療に因る線維化、 外傷、陰茎海綿体注射、ペロニー病、最近6か月以内の脳卒中脊髄損傷、同様に除外しています。

性交歴は、EDの発症時期、性嗜好、BMI、パートナーの年齢など、詳細に問診されています。
性器の診察は、室温が一定となった診察室で、同じ医師により行っています。
ペニス陰茎背側にて、ペニス陰茎を引っ張った時のペニス陰茎長を測定としています。 実際の勃起時の陰茎ペニスの長さは測定していませんが、引っ張った状態のペニス陰茎長は、勃起時のペニス陰茎長と同様と考えられます。 診察時に、薬剤や性的な刺激により、必ずしも勃起を得ることができないためです。

測定された陰茎ペニスの長さに応じ、被験者を、その分布から、25%以下、25~75%、75%以上の3グループ(順にⅠ~Ⅲ)に分けております。
勃起機能は、国際勃起機能スコアIIEFによって評価しています。 勃起機能は、客観的には測定していおりませんが、国際勃起機能スコア勃起ドメインと呼ばれる6つの質問に注目してます。
シアリスタダラフィル)20mgを性行為前に服用していただき、 勃起機能に対する影響を、この問診票で評価しています。

被験者の引っ張った状態での陰茎ペニスの長さは、13.44±2.40cm(9.50~18.00cm)。 グループⅠは7名で、平均ペニス陰茎長は10.70±0.34cm(9.50~10.50cm)。 グループⅡは24名、平均ペニス陰茎長は13.01±1.34cm(11.00~15.00cm)。 グループⅢは11名、平均ペニス陰茎長は16.50±0.84cm(15.50~18.00cm)。
国際勃起機能スコアIIEFは、ED治療前後で、全体平均11.90±4.78から18.67±6.70へ上昇し、シアリス(タダラフィル)により、勃起機能が改善しています。

しかし、陰茎ペニスの長さとシアリス(タダラフィル)によるED治療効果との間に、有意な相関は認められておりません。
各グループにおいても同様で、陰茎ペニスサイズと勃起機能の間に、有意な相関は認められていません。
年齢と、ED治療後の国際勃起機能スコアIIEFに、負の相関が認められています。

勃起は、脳脊髄の経路や筋肉、血管内皮などが複雑に相互作用した結果により生じた陰茎ペニスの血流が変化する事で生じます。
勃起機能にけるペニス陰茎の機械的、形態的でかつ血流的な特性が重要である事は、事実ではあります。 陰茎ペニスの血流上の問題がないにもかかわらず勃起時の硬さが維持できない理由として、陰茎ペニスの機械的、形態的な機能が適切に働いていない可能性が指摘されています。
ペニス陰茎の形態的に重要な特性は2つあります。
陰茎ペニスの長さと直径の比率、過度に弛緩したペニス陰茎の問題です。

今回の報告では、陰茎ペニスの長さと直径の比率は測定されておりませんが、引っ張られたペニス陰茎の長さが、代わりになりうるとしています。
プロスタグランジンE1を用いた研究では、ペニス陰茎の硬さが得られる患者では、薬剤に対する反応が良好な患者では、ペニス陰茎の直径の増大が大きいとしています。
シアリス(タダラフィル)などのPDE5阻害剤を用いた研究報告はなく、今回の研究で初めて検証されています。
先にも示したように、今回の検討では、引っ張られた状態で測定した陰茎長とシアリス(タダラフィル)PDE5阻害剤の効果との間には、なんら相関が認められていません。

ED治療薬を服用する前に、その効果がどの程度発現するか予想をつけることは困難な場合がほとんどです。 もちろん、明らかな性交歴や既存疾患、既往歴などから予想できることもございます。 糖尿病で、罹病期間が長期に渡る場合などは、ED治療薬が効かない事が多く見受けられます。
単純にペニス陰茎の長さで、ED治療薬の効果は判断できないということです。 また、ペニス陰茎長で、EDの程度に差が出てもいません。


参考文献
Is Penile Length a Factor in Treatment of Erectile Dysfunction With PDE-5 Inhibitor?
J Androl. 2009 Sep-Oct;30(5):515-9. Epub 2009 Feb 19.


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