『バイアグラの正式なジェネリックはシルデナフィルと言います。バイアグラの後発医薬品に関して日本性機能学会専門医が解説』

シルデナフィルの50mg錠剤

バイアグラの正式なジェネリック医薬品は、全てその名称の頭に 『シルデナフィル』 と付きます。 これら公式な後発医薬品であるシルデナフィルシリーズは現在複数の製薬会社から販売されており、 そのクオリティ、薬効、安全性に関してファイザー株式会社のバイアグラと全く変わりません。


お医者さんが出す処方箋医薬品にも特許があり、 この特許期間が過ぎるとこれを開発した企業、この場合はファイザー株式会社ですが、 これ以外の製薬会社も同じ有効成分を使ったクスリを作る事ができる様になります。 それが 『後発医薬品:ジェネリック医薬品』 (generic drug,generic medicine,後発薬,GE薬)です。 これに対して、元々の医薬品は 『先発医薬品』 あるいは 『先発品』 と呼ばれます。


本剤の場合は2014年から正式な後発薬が出ていますが、いずれバイエル薬品株式会社のレビトラ、 そして日本イーライリリー株式会社/日本新薬株式会社のシアリスなど、他の勃起不全治療剤も特許期間を終えて、 本剤同様に正式な後発薬が出る様になります。


昔は 『ゾロ』 とも呼ばれ、医師も処方を嫌がっていた後発医薬品ですが、 2000年代からは、医療費の抑制を目標として厚労省主導でその利用が推進され始め、 今や、その 『クオリティ、薬効、安全性』 は先発医薬品と全くの同等になり、 先進国の中でも飛び抜けて低いと言われていた本邦での普及率もかなり上がってきました。


しかし、この後発医薬品、そのシステムなどが分かり難い事もあって、不信感を感じている方も少なくありません。 そこで、こちらのページでは日本性機能学会専門医が、 本剤の正式なジェネリックに関してその詳細を分りやすく解説させて頂きます。 宜しければご参照下さいませ。


<当ページの項目リスト>

  1. 【名称はルールにのっとって決められます】
  2. 【効果は先発医薬品と変わりません】
  3. 【色や形は様々なものが有ります】
  4. 【処方価格は先発医薬品よりも安くなります】

1.【名称はルールにのっとって決められます】

東和薬品のジェネリックの名称 富士化学工業のジェネリックの名称

正式なジェネリック医薬品の商標名は厚生労働省の規程した名称ルールに従い決められています。


後発薬の不信感を高めるのに一役買っているのが、 似たような名称 (と言うよりほぼ一緒) の薬剤が複数種ある事と思われます。 しかし、この紛らわしい名称は厚労省の定めた名称ルールに従いつけられているのです。


上に2種の正規品の写真をご用意しましたが、 どちらも最初に 『シルデナフィル』 と書いてあると思われます。 これはバイアグラの有効成分名で、公式な後発医薬品はルールとして先頭に 『成分名』 をつけなければいけません。


そして末尾に、向かって左のものは 「トーワ」 、向かって右のものは 「FCI」 と書いてあります。 これは会社名を示したもので、トーワは東和薬品株式会社、FCIは富士化学工業株式会社を示しています。 これもルールで、これらオフィシャルなものは名称の末尾に会社名もしくは屋号をつけなければならないのです。 ちなみに企業名の直前に書いてある 「VI」 とはバイアグラ (Viagra) の頭文字です。


実は公式なものはこうした名称ルールを遵守しており、勝手な商品名をつけられません。 逆に言えば、本剤のジェネリックを名乗っているのに、 こうした名称ルールに従った表記でないものは (なんらかの聞いた事の無い商品名が書いてあるものは) 、 少なくとも厚労省認可のものでは有りません。 つまり海外製か、偽造品かになりますが、少なくと厚労省の厳しいチェックが入っていないものなので、 効果はもとより安全性なども危惧されます。是非お気をつけください。


2.【効果は先発医薬品と全く変わりません】

勃起改善薬の効果

正式なジェネリック医薬品である 「シルデナフィルシリーズ」 はファイザー株式会社のバイアグラとその効果は全く変わりません


これらは厚労省による承認前に、とても厳しいテストが課せられ、 それに合格したモノのみが正式な後発医薬品として認可を受ける事が出来ます。 そしてその生産と販売は先発品同様、国際的にも厳しい日本の基準や法律に基づいており、 こうしたオフィシャルなものに関しては先発品と 『薬効・クオリティ・安全性』 に関して全く一緒と言えます。


当院では、これらの薬効に不安を感じる方には、先発医薬品と一緒に処方させて頂き、 実際に比較しておためし頂く事をお勧めしております。 その場合、たとえ同じクスリであっても薬効にはブレが有りますので、 3~4錠ずつ同じ条件で比較してトライアルをする事を推奨しております。


当院では2014年5月から本剤の公式な後発医薬品を処方させて頂いております。 現在、当院における、その処方比率は、2019年5月の50mg製剤の処方数として


バイアグラ錠剤 : シルデナフィルシリーズ錠剤 (東和薬品+富士化学)
= 28錠/月 : 5173錠/月 ≒ 1 : 185


となっており、ジェネリックが先発の185倍も処方されています。 この処方量の差は、 比較的安価なのに効果自体が変わらない事を 数年に渡ってユーザーに実感して頂いた結果によるものと思われます。


3.【色や形は様々なものが有ります】

バイアグラの錠剤 東和薬品のシルデナフィルの錠剤 富士化学工業のシルデナフィルの錠剤

正式なジェネリック医薬品である 「シルデナフィルシリーズ」 には様々な色そして形のものがリリースされています。


上の写真は向かって左が先発品であるファイザー社のバイアグラで、薄いブルーに菱形をしています。 真ん中は東和薬品のシルデナフィルで、白色に丸形です。 向かって右側は富士化学の同じくシルデナフィルで、薄いブルーに菱形になります。


時に後発医薬品は公式なものであっても 「先発品と色や形が違うので、有効成分が違うのではないか?」 と、誤解される事が有ります。 しかし元々この有効成分が 『白色の粉末』 なので、先発のバイアグラですら青色の着色と菱形への成形がされています。 つまり、その色や形はその 『薬効・クオリティ・安全性』 とは全く関係が無いと言う事です


後発医薬品を作るメーカーによって方針が異なり、 もともとの先発品に色・形を近づける製薬会社もあれば、色・形を大きく変える事で差別化を計る製薬会社もあります。 上の写真で言うと真ん中の東和薬品のものは、だいぶ色と形は違いますが、 一方の色と形が似ている富士化学のものと中身は全く変わらず、 これらはいずれもバイアグラと全く同じ性能の薬剤同士です。


4.【処方価格は先発医薬品よりも安くなります】

処方価格

一般的にジェネリック医薬品の処方価格は先発医薬品よりも安くなります。

こちらは実際の当院の処方価を記載したものです。

  • ・ バイアグラ50mg 1錠・・・1290円 (税込み)
  • ・ 同25mg 1錠・・・1040円 (税込み)
  • ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  • ・ シルデナフィル錠50mgVI 「FCI」 1錠・・・840円 (税込み)
  • ・ 同25mg 1錠・・・450円 (税込み)
  • ・ シルデナフィルOD50mgVI 「トーワ」 1錠・・・890円 (税込み)

シルデナフィルなどの後発医薬品は、有効成分の開発費用が必要ないので、 薬剤全体の開発費用が先発に比べて大きく下がります。 そうしたコストの低下は、クスリの卸価格に反映され、 結果として皆様への処方価格が低下します。


実際に当院であれば、バイアグラ50mg2錠分の処方価格が、ほぼジェネリック3錠分に相当します。 この金額差は今後継続して使用する事を考えると、とても大きな差です。


正式なジェネリック医薬品であるシルデナフィルシリーズ、 まだご利用になられていない方は、是非ともお試し下さいませ。

(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2019-06-04)


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