ハネムーン膀胱炎の原因と予防と治療
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【ハネムーン膀胱炎とは】
ハネムーン膀胱炎honeymoon cystitisとは、
ハネムーン：新婚旅行の際に新婦が感染しやすい疾患です。
新婚旅行は、普段の生活とは行動が著しく異なるせいか、新婚旅行時に特有の疾患がいくつかあります。
上記のハネムーン膀胱炎以外にも、ハネムーン・インポテンスやハネムーン麻痺（橈骨神経麻痺）などが有ります。
（詳しくはコチラ→新婚インポテンス）
（詳しくはコチラ→橈骨神経麻痺）
【ハネムーン膀胱炎の発症機序】
ハネムーン膀胱炎とは、言わば新婚旅行時に発生する女性の急性単純性膀胱炎の事です。
ハネムーン膀胱炎を問わず、基本的にこうした疾患はその発生頻度が圧倒的に女性に多い傾向があり、
片や男性の場合には尿路、すなわちおしっこの通り道に器質的な障害がある場合などに、
こうした疾患が発症することが多くなります。
しかし、女性の場合には、特に尿路に器質的な障害が無くても本疾患は発症しやすく、
それはおそらく、尿路の元々の構造的男女差が原因としてあると思われます。
ハネムーンでなくとも急性単純性膀胱炎は、女性の50％が生涯に2回弱感染すると報告されています。
この感染症は特に性的活動期の女性、生殖年齢の女性に発症する事が多く、
言ってみれば、セックスの頻度が上昇すると女性に発生しやすい疾患です。
この感染症はその原因菌が尿道を逆行し、上向する事で膀胱に感染を形成する疾患なので、
セックスと言う生殖行動が、この原因菌の到達を手助けしているという事になります。
特に、新婚旅行時は子作りの意味もあり、通常生活より高頻度なセックスがされますので、
新婚旅行時には、特にこうした疾患の発症が増えてしまうと言う事です。
【ハネムーン膀胱炎の予防】
せっかくの新婚旅行で新婦さんが病気になってしまったら、楽しい思い出も台無しです。
楽しい新婚旅行で思い出をしっかりと作るためにも、
新郎も新婦もハネムーン膀胱炎に対して予防的な意識が必要かと思われます。
ここではハネムーン膀胱炎に有効と思われる予防方法を検討します。
・排尿すわなちおしっこを出すという行為は、実は膀胱内の細菌の自浄作用が有ります。
すなわち、脱水によって排尿の量や頻度が低下する事は、逆にこうした疾患を招きやすくなります。
新婚旅行などの通常と違う住環境での生活は、適宜の飲水などがおろそかになってしまい、
結果として、排尿の量・頻度の低下を招き、これが膀胱炎の原因となってしまう場合が有ります。
新婚旅行中は水分を十分にとるように気を付け、脱水を避けましょう。
・また新婚旅行などの通常と違う住環境では、
尿意が有るときに、トイレが見つかりづらいような事も間々あると思われますが、
排尿の我慢は膀胱の自浄頻度の低下につながってしまうので、
これもこうした疾患を招きやすい要因となってしまいます。
尿意をなるべく我慢しないようにして、適宜排尿を心掛けましょう。
・本疾患の原因菌は、基本的には腸内細菌が主体になるので、
肛門部ならびに外陰部の適宜洗浄などによって、
同部の清潔を保つ事は予防上効果的と思われます。
新婚旅行中はいつも以上に同部の清潔を心掛けましょう。
【ハネムーン膀胱炎の治療】
ハネムーン膀胱炎、すなわち急性単純性膀胱炎の原因菌は約90％が大腸菌です。
大腸菌をメインターゲットにして、かつ尿中へ移行しやすい抗生物質の投与が、
本疾患の改善上、望ましい治療です。
抗菌薬の投与期間としては短期にて加療可能な場合が多いですが、
中途半端に抗生剤加療を中断してしまうと、抗生剤が作用しにくい多剤耐性菌を扶育してしまう可能性があるので、
症状が改善しても、医師に指示された服用期間は守るようにしましょう。
また、新婚旅行は昨今は海外が主体と思われますが、
日本の健康保険が使用できない状況での治療になります。
国によっては治療費が思わぬ高額になってしまう場合があるので、
新婚旅行に出発前の段階で、旅行保険のようなものを検討して頂くのも宜しいかと思われます。
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