肥満者における正しいダイエットはEDの改善につながります。
肥満者における正しい減量は勃起不全/インポテンツの改善効果が有ります。
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適切な減量でEDを改善!
【要約】 ED/勃起不全の改善に、正しい体重の減量は効果的です。 肥満はEDの数多くのリスクファクターの一つですが、 この肥満者における減量がEDのみならず、 男性ホルモンの分泌状態も改善させると報告されています。 ただし無茶なダイエットや肥満者以外の減量は逆効果な場合もありますのでご注意下さい。 肥満者の方で、現体重の5%削減を一次目標に月1㎏くらいのダイエットが望ましいと思われます。
日本人の肥満者は増加傾向にあり、 肥満はメタボでおなじみ「メタボリックシンドローム」や糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こし、 動脈硬化を進行させて、最終的には心筋梗塞や脳梗塞などの生死にかかわる大病に関連すると報告されています。
このように怖い肥満ですが、じつはこうした生死にかかわる大病だけでなく、 性機能障害であるED(勃起不全、インポテンツ)の発生にも関連すると報告されています。 肥満は日本性機能学会が公布している13種類の勃起不全リスクファクターに含まれており、 明確にEDの発症に関わります。
しかしこの肥満の是正つまり体重の減量は、そのダイエット等の方法と目標体重などが正しければ、 EDの改善を示すばかりか、テストステロン値をも改善させると報告されております。 これはEDを良くするだけでなく、 男性の性機能全般に関連する男性ホルモンの分泌状態を改善する可能性があるという事です。
いわゆる勃起改善薬:PDE5阻害薬は現行のED治療の主体ですが、 これらには経済的コストがかかる上に、当新宿ライフクリニックのような、EDの治療施設への受診が必要です。
しかしその一方、減量はダイエットによる食事量の削減という意味合いでは食事による経済コストを下げる可能性が有りますし、 これは医療施設に受診しなくても生活の中で実践できます。
肥満状態でEDを発症されている方にとって減量は、その効果からもコスト面からも、とてもおススメです。
ただし減量でも、断食などの激しいダイエットや極端な偏食、またやせ過ぎは逆効果の場合があるので注意が必要です。 また健康状態自体の問題で減量が望ましくない方は別の方法によるED改善を目指す必要が有ります。
本稿ではEDの改善と体重の減量の関係に関して詳細に記載しております。 是非ともご参照くださいませ。
さて冒頭より肥満者における減量がED/勃起不全の改善に効果的と記載しておりますが、 ダイエット等を要するこの「肥満」という状態は勃起不全とどのように関わると報告されているのでしょうか?
肥満は医学的にはBMI:ボディマス指数という体格を示す指数で表現される事が多いです。 このBMIはメートルで表現された現身長(m)を二乗して、それを現体重(㎏)で割った数字になり、 この数字で25以上は肥満状態であると医学的に表現されます。
アメリカの2万人以上の医療従事者を14年にわたって追跡調査した「医療従事者フォローアップ研究」では、 BMIが上昇する、つまり身体が肥満の方向に進むにつれてED発症リスクが明確に上昇する事が報告されており、 なんとBMIが30以上のグループはBMIが23以下のグループに比較してEDの相対リスクが1.7倍も示されたと報告しています。
つまり肥満の進行は直截にED/勃起不全を引き起こす可能性があるという事なんですね。
日本性機能学会は、この日本においてEDなどの性機能障害を研究する数少ない専門機関ですが、 日本性機能学会の公布するEDのリスクファクターつまり発症危険因子にもこの「肥満」は含まれており、 この肥満に対する減量はEDの改善・予防につながる可能性が高いと言う事で、 日本性機能学会では減量がEDの非薬物療法として明確に推奨されています。 EDに対する減量の推奨グレードは高く、 なんと「勃起改善薬:PDE5阻害薬がED治療の第一選択である」 とする内容に対しての推奨グレードと同じレベルで評価されています。
いかにED治療にとって肥満状態からの減量が重要であるかお分かりになられるかと存じます。
前項にて減量がEDの非薬物治療として高いグレードで推奨されている事を記載しました。 それでは減量はEDの非薬物治療として、どのような根拠が確認されているのでしょうか?
肥満に対して介入した4つの大きな試験(ランダム化比較試験)を検討した分析によると、 合計597名のデータにて運動やダイエットの導入、その結果としての体重の減量によって、 EDの程度をしめすIIEF5の値が有意に改善していた事が、 統計処理によって明らかになっております。
また、肥満状態の中年男性51名に低カロリー食によるダイエットを施行し減量に努めた所、 8週間でEDの程度をしめすIIEF5の抜本的改善が示されただけでなく、 男性ホルモンであるテストステロンの分泌をも改善したと報告されています。 テストステロンなどの男性ホルモンは男性の性機能の全般に関わるので、 EDのみならず、他の性機能障害もダイエットによって改善する可能性が示唆されました。
こうした強い学術的根拠があり、肥満者の減量はEDに強く勧められているのですね。
肥満者におけるダイエットは、まずは現体重の5%減を目標に頑張ってみましょう。 ダイエットの内容に関しては、月に1㎏くらいの減量を目安にする事が望ましいです。
肥満者に対する減量がEDの非薬物療法として強く推奨されている事を記載させて頂きましたが、 ダイエットのように自分で出来るED/勃起不全への対策は他にもあるのでしょうか?
肥満者の減量に比肩し得るEDの薬物療法として報告が上がっているのは、 何といっても運動不足な方における運動習慣の導入です。
【肥満はEDのリスクファクターです。】に記載した「医療従事者フォローアップ研究」では、 1週間の運動強度の増加に伴ってEDのリスクが明確に低下すると報告しており、 運動別では、なんと週に2.5時間以上のランニングはEDの相対リスクを30%も低下させると報告されております。 このようにEDに対しての運動習慣の導入はダイエットと並ぶくらいの強力な根拠があるものです。
ただし運動すべてがEDの改善に働く訳ではなく、過剰な運動はED改善に対して逆効果とも言われてますし、 運動の種類によってはロードレーサーによるサイクリングのように、 むしろ勃起不全を引き起こす傾向のものも有ります。
運動不足の解消は日本性機能学会でも肥満者の減量に並ぶほどの高い推奨グレードで規定されており、 運動不足でEDが有る方にはぜひとも運動習慣の導入をお勧めいたします。
また、自分で出来るED対策としては、ダイエットや運動不足の解消程の推奨グレードは無いのですが、 禁煙もまた勃起不全改善に対してプラスに働く可能性があるので、 チャレンジされるのはとても有意義と思われます。
以上、肥満者の減量によるED改善の話を軸に、勃起不全に対する減量の治療的根拠などを記載させて頂きました。 最後にココでは減量のためのダイエットのコツの一部を糖尿病専門医、内科専門医の視点で記載させて頂きます。
ダイエットと体重の減量に関してキチンと記載したら、たぶん何ページにもなってしまいます。 むしろ「本」という体裁になってしまうかも知れません。 そこで本稿では今までの糖尿病専門医としての、もしくは内科専門医としての、 「これはダイエットの指導上有効だったなあ」という内容を中心にエッセンス的に記載させて頂きました。
肥満があるEDの方はぜひともダイエットにチャレンジして、勃起不全をやっつけてしまいましょう! 新宿ライフクリニックではこのようにEDの非薬物療法に関しても啓蒙すべく、 インターネットなどでインフォメーションさせて頂いております。
EDに関してご相談のある方は東京はJR新宿駅から徒歩1分、新宿ライフクリニックへどうぞ。 当院は日本性機能学会専門医の主宰する保健所認可医療施設です。
(記載:日本性機能学会専門医-須田隆興)