EDの人には、本人も気が付いていない糖尿病や高血圧などの生活習慣病が隠れている可能性が有ります。 また、生活習慣病をベースにEDが出現した場合、その数年後には心筋梗塞などの大病を患ってしまう危険性も有ります。
勃起不全症とは、セックスに支障が出る 『性機能の障害』 であるだけでなく、 他に危険な疾患が潜んでいるという "警告のサイン" つまり 『警告疾患』 にもなり得ます。
こちらのページでは日本性機能学会専門医がこうした "警告サイン" としてのEDに関して、 わかりやすく解説させて頂いております。 宜しければご一読下さいませ。
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勃起不全症の人には、本人も気がついていない糖尿病や高血圧などの生活習慣病が隠れている場合が有ります。
『ペニスが硬く・大きくならない』 という主訴で受診した人の18%にまだ診断されていない高血圧があった、 また 『ペニスが硬く・大きくならない』 状態が、糖尿病男性の30%で初発症状だった、 とそれぞれ報告されています。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、その初期においては、自覚症状がとても希薄です。
それゆえに、人間ドックや健康診断などの定期的な検査をしていない人では、
これら生活習慣病があったとしても、その存在に気づかない場合が多いです。
また、その一方で勃起不全の出現を警告サインとして、こうした生活習慣病の存在に気がつける場合も有ります。
生活習慣病の検査を受けた事がない方で、 『ペニスが硬く ・ 大きくならない』 などのEDの症状が見られた場合、 こうした勃起不全の症状を生活習慣病の 『警告サイン』 あるは 『警告疾患』 として捉え、 まずはご自身の体の中に糖尿病や高血圧などの生活習慣病が隠れていないか、 健康診断を受けてみましょう。
ほとんどの方はEDになってしまったら、その改善だけを考えるかと思われますが、 もし、今まで健康診断や人間ドックなど受けられていないようでしたら、 EDの出現はこうした体のチェックをする、非常に良いタイミングです。
自分でも気が付いていなかった、隠れた糖尿病・高血圧をお持ちの方の中には、 これらの生活習慣病の放置によって引き起こされる 『脳梗塞』 や後述する 『心筋梗塞』 など、 命に係わる大病の出現をもって、始めてその存在に気づく場合も有ります。
勃起不全症状を警告サインとして検査を受け、生活習慣病の存在に気が付くことが出来るのは、
脳梗塞など大病の発生によって、始めてその存在に気が付く場合に比べて、はるかに良い状況です。
EDの症状が有る方は、健康診断を受けるようにしましょう。
生活習慣病をベースにEDが発症した場合、 EDは、その数年後に心筋梗塞などの冠動脈疾患を起こす危険性があるという、 『警告サイン』 にもなります。
心筋梗塞とは心臓に酸素や栄養を届けている冠動脈が、動脈硬化などで狭まったり・塞がってしまう事で発症する、 まさに命に係わる大病です。
実は勃起不全も心筋梗塞も、前述の高血圧や糖尿病などの生活習慣病によって発症します。 それは高血圧や糖尿病による 『血管内皮機能障害』 ならびに 『動脈硬化』 など血管への障害が、 勃起不全、心筋梗塞どちらにとっても、共通の発症原因になっているからです。
また心臓よりペニスの血管の方が細いという "血管サイズ" の関係から、 基本的に生活習慣病をべースとして発症するEDは、心筋梗塞の発症に先行します。 それ故に、EDは心筋梗塞に先行した 『警告サイン』 になり得るのです。 生活習慣病をお持ちの方の場合、 EDは心筋梗塞などの冠動脈疾患が発症する2~3年前に自覚される事が多いと報告されています。
コントロールの悪い生活習慣病をお持ちの方で、EDの発症に至った場合は、 これを心筋梗塞など大病の 『警告サイン』 あるいは 『警告疾患』 として捉えましょう。 そして、その警告に従い、生活習慣病のコントロールを総合的に改善させるべきです。 さもなければ、数年後に心筋梗塞など、命に係わるお病気の出現が危惧されます。
以上、警告サイン、警告疾患としての勃起不全症に関して解説をさせて頂きました。
文中で説明しているように、生活習慣病は自覚症状がとても希薄な場合が多いので、
特に中年期以降の方は、定期的な健康診断を受けるようにしましょう。
(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2020-06-23)
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