あなたのEDは 『血管性』 かも知れません。
一言にEDと言っても原因は複数有りますが、 神経の障害やホルモンの分泌不全などを原因とするものに比べて、 血管が原因の勃起不全、いわゆる血管性EDは多数派の傾向が有ります。
血管が原因の勃起不全とは、動脈もしくは静脈に問題があって発症するEDの事で、
これは主に
に分類されます。
このいずれに該当するかは、実際に検査をしてみないと判断はできません。
こうした血管性EDを判別する検査が行われるケースは、基本的にはバイアグラなどのPDE5阻害薬が効かない場合です。 EDの原因は複数あれども、治療の第一選択はPDE5阻害薬になり、かつ自費による検査費用が高額なので、 その患者さんが勃起改善薬の禁忌に該当しないようであれば、まずはこれらの投薬を行います。 その上で、勃起改善薬が効果を示さない場合、その原因判別のための検査が必要になって来ます。
こちらのページでは、こうした血管性EDを診断する為の検査方法を、 その判定に流れにそって、日本性機能学会専門医が解説しております。 宜しければご一読下さいませ。
<当ページの項目リスト>
血管性のEDが疑われ、かつED治療薬が効かない場合、まず行われる検査方法が 『陰茎海綿体注射』 です。
これはPGE1:"プロスタグランジン イーワン"と呼ばれる、 血管を拡張させる薬剤をペニスの陰茎海綿体と呼ばれる部位に注射して、勃起の反応を見る検査です。
この注射によって、勃起が引き起こされない、もしくは勃起が規定されたレベルを満たすことが出来ない場合、 いずれかの血管に問題があって発生している勃起不全症と診断する事が出来ます。
血管性のEDが、前述の 『陰茎海綿体注射』 の検査によって診断された場合、 次に行う検査方法はペニスの超音波検査です。
この検査は上記の陰茎海綿体注射を施行した状態に、 さらに超音波検査を重ねて施行する事で、 ペニスの血管の問題をより詳細にチェックする事が出来ます。
この検査では血管性勃起不全が、動脈が原因で起きているのか、静脈が原因で起きているのか、 また、それぞれ血管のどこの部位に問題があるのか、 おおまかに絞る事が出来ます。
このように超音波検査は陰茎海綿体注射の下に行うので、 最初から血管性のEDが強く疑われる場合、 上記1.の 『陰茎海綿体注射による血管性EDの判定』 と同時進行で行われる事も有ります。
血管性のEDの原因が前述の超音波検査によって絞りこまれ、 それが血行再建の手術によって改善の見込みがあると判断された場合、 いよいよ最後に造影検査が行われます。
この検査は、血管内に分布して問題のある部位を画像上で強調する 『造影剤』 という物質を投与する事で行われます。 血管性勃起不全症の精査に関しては、造影CT検査、血管撮影、海綿体造影などの複数の造影検査のバリエーションが有りますが、 このいずれの造影検査を行うべきかに関しても、上記の超音波検査の結果が参考になります。
造影検査は、問題のある血管の部位を超音波検査よりも詳細に調べる事が出来るので、 どの血管をどのように治療するかなど、 血行再建手術の細かい術式を決める上でとても重要な検査方法になります。
以上 血管性EDの検査方法に関して段階的に解説させて頂きました。
勃起不全症をおこした場合、バイアグラなどの勃起改善薬の禁忌に該当しないようであれば、 まずはこれらの薬剤が効果を示すかどうか試してみましょう。 また勃起改善薬は国内正規のものをEDクリニックにて処方してもらいましょう。
規定された用法用量に従って、勃起改善薬を複数回使用するも、有効な勃起が見られない場合は、 今度は、お近くの大きめな泌尿器にて検査のご相談をしましょう。
たとえば上記の血管性EDの各種検査方法は、 大きめの泌尿器科でないと施行できない事が多いです。 受診の前にこのような検査を受ける事ができるかどうか、 必ず電話で確認してから行くようにしましょう。
(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2020-07-11)
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