高血圧や糖尿病などの生活習慣病の改善は、勃起の障害であるEDの改善につながるばかりか、
精子を作る機能である造精機能障害の改善にも効くという可能性が報告されています。
高血圧が4300万人、糖尿病が疑われている人も含めて1370万人と、 これら生活習慣病は我々日本人にとって、とても一般性の高い病気と言えます。 その一方で、これら生活習慣病は、それ自体の自覚症状は希薄なのに、 後々、脳梗塞や心筋梗塞など命に関わる大病を引き起こしてしまうという、非常に警戒すべき慢性疾患でも有ります。
しかし、これら生活習慣病は、そのほとんどが改善させる事が可能な上に、 そうした改善が、ED(勃起不全症)や造精機能障害などの 『生殖機能の障害』 にも効く事が、 昨今の研究によって分ってきました。
こちらのページでは、新宿ライフクリニックの糖尿病専門医、日本性機能学会専門医が、
この高血圧や糖尿病などの生活習慣病の改善が、勃起機能や造精機能の改善にもつながるという可能性について、
そのそれぞれを解説させて頂いております。
よろしければご一読くださいませ。
<当ページのもくじ>
実は、生活習慣病の改善は、勃起の改善にも効きます。
生活習慣病である高血圧や糖尿病は、全身の動脈に血管内皮機能障害、微小血管障害、動脈硬化などを引き起こし、 ペニスの血行障害であるED:勃起不全症を引き起こしてしまいます。
この動脈への悪影響が早期の段階、つまり血管内皮機能障害のレベルであれば、 高血圧また糖尿病の改善は、ペニスの血行を改善させる事で、その結果、EDの改善にもつながります。
しかし血管内皮機能障害レベルでなく、進行した動脈硬化による固定的な血流障害、 または糖尿病による固定的かつ進行した自律神経障害などがすでに存在する場合、 高血圧、糖尿病など、生活習慣病の改善は、EDの進行の予防には効いても、 抜本的な勃起の改善にはあまりつながらない可能性も有ります。
また薬物副作用によるEDの発症などを考えた場合、 投薬だけに依存した生活習慣病の改善よりも、 運動習慣の導入・食事療法の導入・体重の適正化など、 生活習慣自体の改善があった方が、EDの改善にはより望ましいかと思われます。
生活習慣病の改善は、上記のEDの改善だけでなく、 精子を作るシステムである造精機能の障害に対しても効く可能性が有ります。
元々、不妊症の男性は、不妊症でない男性に比べて、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の有病率が高く、 また、これらの併存疾患がある人は、精子の運動率・精液量・精液濃度が低い傾向がある事が指摘されています。
こうした生活習慣病が併存している男性不妊症の人が、 高血圧や糖尿病の改善を来した場合、 この改善が、造精機能障害の方の改善にもつながる可能性が昨今報告されており、 これらの生活習慣病の改善が上記の勃起機能だけで無く、 精子を作るシステムにも効く可能性が示唆されるようになって来ました。
特に糖尿病の改善は男性不妊症原因の一角をなす逆行性射精の改善、 または男性ホルモン分泌不良の改善にもつながる可能性があり、 造精機能障害を含む男性不妊症に悩んでいる糖尿病患者さんにおいては、 糖尿病自体の改善は非常に望ましいものと言えます。
ただし、上記 【生活習慣病の改善は勃起に効く?】 にも記載しましたが、投薬だけに依存した高血圧や糖尿病の改善よりも、 運動習慣の導入、食事療法の徹底、体重の適正化など、生活習慣自体の改善も合わせて行った方が、 造精機能障害の改善には望ましいかと思われますので、 是非とも生活習慣自体の改善アクションも一緒にご検討下さいませ
以上 『生活習慣病の改善は勃起にも精子にも効く?』 というテーマを主題に、 高血圧や糖尿病の改善がEDだけでなく、造精機能障害の改善にもつながるという可能性に関して新宿ライフクリニックの糖尿病専門医、 日本性機能学会専門医が解説をさせて頂きました。
新宿ライフクリニックではご希望の方に、EDの改善を前提とした、
高血圧・糖尿病の生活習慣指導も行っております。
ご希望の方、どうぞ御気軽にお尋ね下さい。
(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2022-08-08)
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