『バイアグラにとって血圧は重要?高血圧症ならびに低血圧症とバイアグラとの関係について総合内科専門医が解説』

バイアグラと血圧には重要な関係性がある

  • バイアグラと血圧の間にはとても重要な関係性が有ります
  • 有る程度以上の高血圧症はバイアグラを使用する事ができません
  • また、ある程度以下の低血圧症はバイアグラを使用する事ができません
  • これはバイアグラには血管拡張に伴う降圧作用があるからです
  • EDクリニック受診にあたってはご自分の血圧を把握しておきましょう

バイアグラと血圧との間にはとても重要な関係性が有ります。 高血圧症であっても、低血圧症であっても、有る程度を超すものは、バイアグラは使用禁忌になり服薬ができません。 またバイアグラには血圧の薬との併用に関して注意すべき点が有ります。



実は、血圧はバイアグラにとって重要な身体所見です。
高血圧症はEDを発症させる主な原因の一つなので、高血圧症が作り上げたEDを、一方でバイアグラが改善している状況は、 当新宿ライフクリニックでも多々見られます。 また、バイアグラは局所の血管拡張薬なので、少ないながらも血圧を下げる作用が有ります。 また、血圧はその平均値が高すぎても、低すぎても、バイアグラを使用する事は出来ません。


このようにバイアグラと血圧との間には、多岐にわたる関わり合いが有ります。 本稿ではこうしたバイアグラと血圧との重要な関係性について、 高血圧症と低血圧症に項目を分け、日本性機能学会専門医、総合内科専門医が解説をさせて頂いております。
宜しければご一読下さいませ。


<当ページのもくじ>

  1. 【高血圧症とバイアグラ】
  2. 【低血圧症とバイアグラ】

1.【高血圧症とバイアグラ】

高血圧症とバイアグラ

バイアグラと血圧には重要な関係性があります。こちらではその内、高血圧症とバイアグラとの関係について解説しております。


まずバイアグラは、降圧剤 (血圧を下げる事を主作用とした薬) などを服薬していない状態で、
『収縮期血圧』 ( いわゆる 『上』 の血圧 ) が170以上、
また 『拡張期血圧』 ( いわゆる 『下』 の血圧 ) が100以上の高血圧症の方は、
使用禁忌に指定されており、バイアグラを使用する事は出来ません。
(これは一回だけの測定ではなく、安静時血圧の平均値が該当する方のお話になります。)


これには理由があり、バイアグラは血管拡張薬なので、血圧を下げてしまう傾向が少ないながらも有ります。 血圧が高い状態を通常として臓器の血流を維持している人の体は、 バイアグラなどの血管拡張薬による急な降圧によって、臓器血流の障害を引き起こす事が有り、 時に危険な状況が起こり得ます。 それゆえに、ある程度以上の高血圧症の方は、こうした使用禁忌が指定されているのです。


また高血圧症に使用される降圧薬は、バイアグラとの併用は、禁忌ではないものの 『併用注意』 に指定されています。


これは理由として、バイアグラは上記のように少ないながらも血圧を下げてしまう傾向があるので、 降圧薬と併用した際に、ごく稀に目標以上に血圧を下げてしまう事があって、 こうした 『併用注意』 指定がされているのです。


ただ降圧薬とバイアグラの併用で問題が発生する可能性はとても低く、 当新宿ライフクリニックにて数万人に及ぶ、降圧薬とバイアグラ、併用の実例を見てきましたが、 明確に降圧薬とバイアグラとの併用によって過度の降圧が生じ、実害が発生したというケースを、 専門医として見た事が有りません。


このように高血圧症とバイアグラとの間には、その服薬の可否、また併用薬剤の状況など、 多岐にわたる重要な関係性が有ります。


2.【低血圧症とバイアグラ】

低血圧症とバイアグラ

血圧とバイアグラとの間には重要な関係性が有ります。こちらではその内、バイアグラと低血圧症との関係について解説いたします。


まずバイアグラは、 『収縮期血圧』 ( いわゆる 『上』 の血圧 ) が90未満、
また 『拡張期血圧』 ( いわゆる 『下』 の血圧 ) が50未満の低血圧症の方は、
使用禁忌に指定されており、バイアグラを使用する事が出来ません。
(これは一回血圧測定しただけの値ではなく、複数回の平均値がこれに相当する人のお話になります。)


これには理由があり、上述しましたがバイアグラは血管拡張薬にて、血圧を下げてしまう傾向が少ないながらも有り、 ただでさえ低い血圧が、少ないながらもバイアグラによってさらに下げられてしまうと、 過度の血圧低下による臓器障害 ・ 身体症状が発生する怖れがあるからです。


一方、低血圧症に使用される昇圧剤には、α1-アドレナリン作動薬、交感神経機能亢進薬などいくつかのバリエーションが有りますが、 これらは高血圧症に対する降圧薬とは違い、バイアグラとの併用注意には指定されていません。


このように低血圧症においてもまた、バイアグラとの間には重要な関係性が存在しています。 上記高血圧症の内容と合わせて、血圧がバイアグラの運用においてとても重要な身体所見である事がお分かり頂けたかと存じます。



以上、バイアグラにとって血圧が重要な身体所見である事を軸に、 これを高血圧症と低血圧症に分け、 そのバイアグラとの関係性を総合内科専門医、日本性機能学会専門医が解説をさせて頂きました。


バイアグラの処方を希望してEDクリニックを受診した場合、 問診にてご本人の血圧の傾向を必ず聞かれます。 EDクリニック受診前は必ず健康診断の結果などを参照して、 ご本人の血圧のレベルを把握しておきましょう。

(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2021-06-15)

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