『シアリスは本当に副作用が少ない?他のED薬との副作用症状の頻度比較を新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説』

シアリスは本当に副作用が少ない?
  • シアリスは本当に副作用が少ないのか?
  • ED薬の代表的な副作用症状 『火照り』 『軽い頭痛』 『消化不良』 『鼻づまり』 『背部痛』 の5つ
  •  にてシアリスと他のED薬との副作用症状の頻度比較をした所、その結果はまちまちで、
  •  総体としては、多いとも少ないとも言えないような状況だった
  • シアリスは副作用面をメリットとするよりも薬効の長さ等の利便性をもって選択されるべきと思われた

  

シアリスは本当にネットなどで言われているほど、他のED薬より大幅に副作用が少ないのでしょうか? こちらのページではシアリスと他のED薬との副作用症状の頻度比較を新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説させて頂いております。


たまに初診の方で 「シアリスは副作用が無いとネットで見たので・・・」 とシアリス系の処方を初めから希望していらっしゃる方がおりますが、 まず最初に、医師が処方する処方箋医薬品においては、副作用が全く無いという事は、ほぼほぼ無いと思って宜しいかと存じます。 どんな薬剤にも頻度や規模・性質の違いこそ有れ、副作用が完全に無い事はほぼ有りません。 それはシアリスも同様で、仮に副作用が他のED薬より少ない事があったとしても、それが全く無いような事は有りません。


それではシアリスは本当に他のED薬よりも副作用が大幅に少ないのでしょうか? たしかにインターネット上でそうした記載を拝見する事はまま有りますが、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来にて、実際に患者さんのお話を聞いている限りでは、 あまりシアリスと他のED薬とで、副作用症状の頻度比較上の差を感じる事はできません。


条件が比較的近い試験でのバイアグラ・レビトラ・シアリスの副作用総数における頻度比較報告上では、 バイアグラは海外での第二相試験・第三相試験にて 『31.7%』 に副作用症状もしくは臨床検査値異常が、 レビトラは海外で実施された臨床試験にて 『31.16%』 に副作用が、 シアリスは海外でのプラセボ対照二重盲検併用群間比較試験において 『29.3%』 に副作用が、それぞれ報告されており、 たしかに数字上ではシアリスが少ないとは言えますが、あくまで僅差に過ぎず 「シアリスは他のED薬より大幅に副作用が少ない」 と言い切るには、 抵抗感を感じるデータです。


総数において、その頻度が僅差であるならば、それぞれの各副作用症状の頻度比較上ではどのような状況になるのでしょうか?
こちらのページでは 『シアリスは本当に副作用が少ない?』 をメインテーマとして、 ED薬において代表的な副作用症状である 『火照り』 『軽い頭痛』 『消化不良』 『鼻づまり』 『背部痛』 の5つにおける、 シアリス系ならびに他のED薬であるバイアグラ系、レビトラ系のそれぞれの頻度の比較を、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医がわかりやすく解説させて頂いております。
宜しければご一読下さいませ。


<当ページのもくじ>

  1. 【火照り】
  2. 【軽い頭痛】
  3. 【消化不良】
  4. 【鼻づまり】
  5. 【背部痛】

1.【火照り】

副作用としての火照り

ネットなどでの情報通り、シアリスは本当に副作用が少ないのでしょうか?
こちらではシアリスと他のED薬における副作用症状の頻度比較において、 ED薬の代表的な副作用症状の一つ 『火照り』 をテーマに新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。


ED薬の副作用で見られる 『火照り』 とは、その薬効が作用している間に発生する、顔面の熱さ、顔面の紅潮などを主体とした副作用の事で、 ED薬の血管拡張作用によって引き起こされる事が有ります。


これは特に後遺症を残すような危険なモノでは全く無く、その薬効が過ぎ去ると共に消えていきますので、仮に出現したとしても全くご心配はないのですが、 人によっては顔の紅潮から、お相手にED薬を使っているのがわかられてしまうのではないか?と危惧される事が有るようです。 しかし客観的には顔面の紅潮を引き起こすものはそれこそ無数にあるので (お酒、感冒、熱さ、緊張など) 、一般の方が顔面の紅潮を見て、 これはED薬によるものだろうと類推するという可能性はむしろ限りなく低いのではないかと思われます。


それではこの 『火照り』 という副作用症状は、シアリスにおいて他のED薬より少ないと言う事ができるのでしょうか? こちらの日本人における副作用症状を比較をしたデータ上において 『火照り』 の頻度は、
バイアグラ:レビトラ:シアリス=10.19%:15.66%:3.50%となっており、
じつは 『火照り』 に関してシアリスは、他のED薬より本当に副作用が少ないと言う事ができます。 しかし、その頻度は比較上で少ないだけの事であって、あくまで0%では有りません。ご注意下さい。


ED薬の火照りが煩わしいからと、シアリスをご選択される事は、他のED薬との頻度比較上では有意義と言っても良いかとは思われますが、 シアリスを選択したからと言って火照りが全く出なくなる訳ではない事は一つ認識されておく必要があるかと存じます。


新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来でも、火照りが悩ましいと言う方には、シアリスをお勧めする事は有りますが、 その場合 「全く出現しなくなる訳では有りませんよ」 と解説を追加しております。


2.【軽い頭痛】

副作用としての軽い頭痛

果たして本当に他のED薬よりシアリスは副作用が少ないのでしょうか?
こちらでは副作用症状の一つとして 『軽い頭痛』 に関して、その頻度を比較したものを、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。


ED薬の副作用症状の一つである 『軽い頭痛』 とは、その薬効が作用している間に発生する頭部の軽い痛みの事を示しておりますが、 これもまたED薬の血管拡張効果によって頭部の血管が拡張されて発生する、いわば血管拡張性の頭痛になります。


特に脳内などに悪影響を及ぼすようなモノでは全く無く、その薬効の消退とともに消えて行く、ごく軽いレベルの頭痛なので、 ほとんどの方は発生したとしても、そのまま様子を見られております。 特にこの副作用が気になる方は、シアリスなどED薬は基本的に市販の頭痛薬などとの併用は問題が無いので、 そうしたものを一緒に使用されている場合も有ります。


それでは、このED薬によって発生する事がある 『軽い頭痛』 はシアリスにおいて、他のED薬より少ないと言えるのでしょうか? 日本人での副作用症状の頻度比較をした研究資料上で 『軽い頭痛』 は、
バイアグラ:レビトラ:シアリス=12.74%:5.59%:11.30%の頻度となっており、
実はこの 『軽い頭痛』 に関して、シアリスの発生頻度は最も少ない訳では無く、最も少ないのはレビトラ系であり、 シアリスと最も発生頻度の高いバイアグラ系とでは、その比較上の差は僅差と言えます。 つまり 『軽い頭痛』 に関しては、シアリスは他のED薬に比べて本当に副作用が少ないとは言えない状況である事が確認されています。 よってED薬による軽い頭痛が悩ましい場合、シアリスにED薬を切り替える事は、さほど大きな意味は有りません。


新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来では、この 『軽い頭痛』 をなるべく避けたいという方に対してはレビトラ系をお勧めする事が有りますが、 その場合でも、やはり頭痛の発生がゼロになるわけではない事は追加して解説させて頂いております。


3.【消化不良】

副作用としての消化不良

シアリスは副作用が本当に少ないのか?
こちらではシアリスと他のED薬との副作用症状の頻度比較のテーマとして、 ED薬の副作用として一般的な 『消化不良』 に関して、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。


ED薬の副作用症状としての 『消化不良』 は、ED薬の効果が発揮されているタイミングで、 胃もたれ感などの症状が自覚されるもので、 やはりED薬の血管拡張効果によって消化管局所の血管が拡張されて自覚されるもののようです。


この 『消化不良』 に関しては、胃炎など粘膜上の障害によって発生しているものとは違い、血管拡張に伴うあくまで感覚的なものなので、 発生したとしても、症状が出現しているのはED薬の薬効がある間だけで、胃炎のようにその後も引き続き症状を示したりするようなものでは全く有りません。 市販の胃薬などは、特にシアリスなどED薬との併用については問題が無いので、こうした症状が気になる方は、胃薬との併用をご検討されても宜しかと存じます。


この消化不良という副作用症状について、果たしてシアリスは他のED薬と比べて本当に頻度比較上、少ないと言えるのでしょうか? 日本人における検討上でのその頻度差は、
バイアグラ:レビトラ:シアリス=0.64%:0.99%:2.30%となっており、
なんと 『消化不良』 の症状に関しては、シアリス系が最も多いと報告されています。 ただ、多いとは言っても、それはあくまで他のED薬との比較上のお話で、その頻度自体はたったの2.3%なので、 ほとんどのシアリスの使用状況において、これは感じられる事の少ない副作用でも有ります。 しかし、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来にて、消化不良症状が最も多いED薬はどれかと聞かれれば、 それはシアリス系と解説せざるを得ない明確な頻度差が認められています。


4.【鼻づまり】

副作用としての鼻づまり

本当にシアリスは副作用が少ないと言えるのか?
こちらでは 『鼻づまり』 をメインテーマとして、 シアリスと他のED薬との副作用症状の頻度比較に関して、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。


ED薬の副作用症状としての鼻づまりは、比較的ポピュラーな副作用と言え、 これは、鼻づまりとは言っても、風邪や花粉症のように鼻水などを伴うものではなく。 鼻粘膜が一過性に腫脹する事で、鼻閉感を感じるだけのものです。 この副作用症状が出現したとしても、先々、呼吸器系に慢性的な症状が出るとかそうした危惧の必要は無く、 これもED薬の作用が出現している間だけ現れ、その作用の消退とともに消えていく、後腐れのない症状でも有ります。


この鼻づまりも、やはりED薬の血管拡張作用が、鼻粘膜局所に発生する事で粘膜が腫脹し発生しています。  ただし現れたとしても実質無害なので、ほとんどの方は気にされていないようです。


この鼻づまりという副作用症状に関してはシアリスと他のED薬との間でどのような頻度比較になるのでしょうか? 日本人における調査において鼻づまりの頻度は、
バイアグラ:レビトラ:シアリス=0.00%:2.96%:1.20%の頻度となっており、
シアリスが二番目に多いので、この鼻づまりにおいてもまた、シアリスは他のED薬より本当に副作用が少ないとは言えない結果となっております。


ただ、この鼻づまりにおいても、その頻度は多くて2.96%というレベルなので、 ほとんどのED薬の使用状況においては、感じられる事の少ない副作用症状と思われます。 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来でもさほど警戒すべき症状ではない事は重ねて解説させて頂いております。


5.【背部痛】

副作用としての背部痛

シアリスは本当に副作用が少ないのか?
他のED薬との副作用症状の頻度比較、最後にこちらでは 『背部痛』 に関して、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。


背部痛はシアリスにおいて、時折、患者さんからも訴えのある副作用症状で、 患者さんの訴えを聞いていると、感覚的には筋肉痛のようなイメージとの事です。


背部の筋肉痛となると、他のポピュラーなED薬の副作用のように、 ED薬による局所の血管拡張だけでは説明する事が難しいと思われ、 また性行為自体が背部に筋肉的負担がかかりやすい行為である事を考えると、 ED薬に固有の副作用症状なのか、性行為自体にまつわるものなのか判断が難しい所ですが、 実の所、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来でも、 今まで数例しか聴取された事はなく、しかしその訴えはシアリスの使用者に限定されており、 逆にレビトラ系やバイアグラ系の使用者からはそうした症状を聞く事は全く有りません。


日本人で検証された研究上においても 背部痛の頻度比較は、
バイアグラ:レビトラ:シアリス=0.00%:0.00%:1.90%となっており、
新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来で感じている実感と、 こうした客観的検証とでは、共通したニュアンスが有ります。 おそらく、この背部痛はED薬のポピュラーな副作用症状というより、 シアリス特有の副作用症状である可能性が有ります。


仮に背部痛がシアリス特有の副作用症状なのだとすると、 シアリスは独自の副作用を示す傾向のあるED薬と言う事になるので、 やはり、他のED薬よりシアリスは本当に副作用が少ないとは解説しにくい結果になるかと思われます。



以上、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が、 『シアリスは本当に副作用が少ないのか?』 を主題として、 シアリスと他のED薬との副作用症状の頻度比較に関して解説をさせて頂きました。


上記の各副作用症状の頻度比較においては、最大の頻度でもレビトラの火照りが15.8%ぐらいのレベルなので、 基本的にED薬の副作用症状自体は、高頻度に発生するようなモノではなく、本当に時折発生するぐらいのものというのが実情です。 また、シアリスに関しては、他のED薬と比べた場合、副作用は多いとも少ないとも言えないような状況である事が上記の解説で、 ご理解頂けたのではないかと存じます。


シアリスは副作用面をメリットとして選択されるより、 その薬効の長さなどの利便性をもってご選択されるべきED薬と思われます。 宜しければ一度シアリスをお試しになってみて下さいませ。

(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2023-10-03)

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