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『バイアグラに対する代表的な5つの勘違いを新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説』

バイアグラに対する代表的な5つの勘違い
  • バイアグラには一般の方による代表的な5つの勘違いが見受けられます。
  • それは 『連用でEDを根本から改善する』 『性欲を増す』 『女性にも効果を示す』
  •  『ずっと勃起しっぱなしになる』 『依存性がある』 の5つです。
  • こちらではこれら代表的な5つの勘違いに関して、
  •  新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。

バイアグラという製剤に対しては代表的に5つの勘違いが見受けられ、 当新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来でも、そうした勘違いに基づく本剤の誤用についてお伺いする事が有ります。


日本性機能学会専門医ならびに総合内科専門医でもある自身の立場から観察致しますと、 バイアグラという薬剤は、他の処方箋医薬品よりも、一般の方による勘違いが多い傾向にある薬剤と思わる所が有ります。


例えば 『胃粘膜保護剤』 と言われたら、胃粘膜を保護し、胃部の不快感を軽減したり、胃潰瘍を予防したりする作用がある事が、 一般の方においても、そのカテゴリーから連想できるものかと思われますが、 その一方でバイアグラという製剤においては、何がどうなって勃起を引き起こすのか、 その機構は端的にはわかりにくいものかと存じます。


こうした 『わかりにくさ』 に派生して、本剤には様々な勘違いが発生しやすく、その結果として無用に怖がられたり、あるいは誤用されたりする事が有ります。 そこで、このような勘違いを払拭するために、こちらのページでは、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が、バイアグラに対する勘違いを代表的な5つに分類して、 そのそれぞれに関して詳細な解説をさせて頂いております。
宜しければご一読下さいませ。


<当ページのもくじ>

  1. 【連用でEDを根本から改善する】
  2. 【薬効の現れがゆっくり過ぎる】
  3. 【女性にも効果を示す】
  4. 【ずっと勃起しっぱなしになる】
  5. 【依存性がある】

1.【連用でEDを根本から改善する】

連用でEDを根本から改善する

バイアグラに対する代表的な5つの勘違いについて、まず最初にご紹介致しますのは、 『バイアグラの連用でEDが根本から改善する』 という勘違いに関して、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。


EDは 『生活習慣病』 など完治する事が難しく、慢性的にコントロールを必要とするタイプのお病気や、 『加齢』 など、治す事の出来ない状態など、こうした様々なもの/リスクファクターが影響し合って発症する多因子な疾患と言えます。 こうしたEDのリスクファクターは確定しているものだけでも16種類もあり、 確定はしていないけれども、ED発症や悪化に影響があると推測されているものに関しては、それこそ無数にございます。


このような改善できないようなリスクファクターも含めた上で、多因子に発症する疾患を、 何らかの薬剤をただ毎日連用するだけで、その根本から改善ができるのか? あるいは、EDは加齢現象に伴う性機能低下の一端でも有りますが、 果たして薬剤の連用だけで、例えば70歳代の性機能を20歳代の性機能レベルに戻せるものなのか?
これらは結論から申し上げますと、 現代の医療技術では、あるいは未来の医療技術であったとしても、 まず不可能なものかと存じます。


仮に勃起改善薬がこうした状況を改善できるのだとしたならば、 EDの初期の発症原因である 『血管内皮機能障害』 、 これは動脈硬化の発症の機序に見られるものでも有るのですが、 こうしたものを完全に予防ができるという事にもなり、 それは、まさに『夢の若返り薬』と言って良いものでしょう。 技術的には本当に夢のようなお話です。


しかし「バイアグラを連用するとEDが根本から段々と治っていき、最終的には薬剤無しでも性行為ができるようになる」 と言った考えは明確な勘違いであり、こうした勘違いが発生してしまうのは、 バイアグラという製剤の機構が一般の方にとって分かりにくい事、 また、名称が有名な割に、作用ロジックを説明するものが公的に存在しない事などを考えると、 これも致し方ない事のようにも思われます。


しかし大変残念ですが、バイアグラは飲んで、作用している間、EDを一過性に改善させるだけの薬剤であり、 逆に言うと、この世にEDを、ただ連用するだけで、その根本から治すという内服薬は存在いたしません (ネット上ではそうした効用をうたっているものも有りますが・・・)。


こうした 『バイアグラを連用する事でEDを根本から改善できる』 と勘違し、それを目的としてバイアグラを連用されようとしている方は、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来でも時にお見かけする事が有ります。 こうした目的においては、無意味に、つまり性行為のない日でもバイアグラを服薬してしまう事で、 無用にコストを重ねてしまうような経済的なリスクも危ぶまれ、状況的にはやはり有害と思われますので、 バイアグラに対する代表的な5つの勘違いにこの 『バイアグラの連用でEDが根本から改善する』 も選出させて頂きました。


2.【性欲を増す】

性欲を増す

バイアグラに対する代表的な5つの勘違い、続いてご紹介させて頂きますのは、 『バイアグラを服薬する事によって性欲が増す』 という勘違いに対して、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂きます。


人間の生理的な機構を鑑みると、加齢を重ねたり、疲れたり、性行為の頻度が増す事によって、 段々と性欲が下がって来るのは、全くもって自然な事で、これは人間が生き物である以上致し方ない事でも有ります。


しかし、バイアグラを使用されている方の中には、バイアグラによって一過性にEDを改善させるという、同製剤の本来の目的ではなく、 落ちた性欲を取り戻す、あるいは性欲を増大させる事を目的に、本剤を誤用されている方もいらっしゃいます。


しかし、ここで明言をさせて頂きますが、バイアグラには、性欲を取り戻したり、性欲を亢進したりするような機能は全くなく、 バイアグラによって性欲が増すというのは、本質的に明確な 『勘違い』 になります。


これはバイアグラの作用機構が分かりにくいが故に、発生した勘違いの一つと思われ、 つまり、バイアグラの服薬によって性欲が増し、それによって勃起不全が改善するという、 回春薬 (そうした明確な薬剤こそ存在しませんが・・・) のようなイメージで、本剤の薬理システムを捉えてしまっている事に起因した勘違いと思われます。


しかしEDはペニスの血管機能の問題によって発生する疾患であり、 バイアグラはそうした血管機能の問題を一過性に改善させるだけの薬剤にすぎません。 また、そもそもその作用部位は、性欲を司る脳などではなく、ペニス局所の血管になります。


性欲を増す事を目的にバイアグラを使用しているとおっしゃる方は、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来でも、時にお見かけする事がございます。 そうした方には丁寧にこうした内容を解説させて頂いております。


このように性欲を増す事を目的にバイアグラを使用してしまうと、意味なく、無用にコストを重ねてしまったり、 用法を間違えてしまったりする事になりかねず、 これも有害と思われた為 『バイアグラを服薬する事によって性欲を増す』 といった誤解も、 バイアグラに対する代表的な5つの勘違いに選出させて頂き、以上のように啓蒙をさせて頂きました。


3.【女性にも効果を示す】

女性にも効果を示す

バイアグラに対する代表的な5つの勘違い、続いてご紹介させて頂きますのは、 『バイアグラが女性にも効果を示す』 という勘違いに関して、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。


時にご自身に処方されたバイアグラを、セックスパートナーである女性の方にも飲ませようとする男性がいらっしゃいます。 これはバイアグラが女性にも効果を示すという勘違いに基づいた行動なのですが、 これは、意味がないばかりか、とても危険な行為になりますので、絶対にされませんよう、強くお願い申し上げます。


まず明確に申し上げますが、バイアグラはペニス局所の血管の問題を一過性に改善させる薬剤と上述させて頂きましたが、 つまりペニスの無い女性に、本剤を服薬させる意味は全く有りません。


また男性においては、大規模な安全性の検証が販売前・販売後とそれぞれされておりますが、 元々バイアグラは女性に処方する事を目的としていない薬剤なので、 女性においては、男性のようにしっかりとした安全性の検証はされておらず、 こうした適応外の使用においては、思わぬ薬害が発生するリスクも危惧されます。


こうした 『バイアグラが女性にも効果を示す』 と勘違いされている男性においては、 上記させて頂いた 『バイアグラを服薬する事によって性欲が増す』 という勘違いを合わせ持っている方が多く、 つまり女性の性欲を増大させる事を目的に、本剤を女性に服薬させようとしている男性がいらっしゃるという事ですが、 これらはどちらも明確な勘違いなので、絶対に女性にバイアグラを服薬させるのは止めて頂きますよう強くお願い申し上げます。


女性にバイアグラを服薬させようとしている方は、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来でも、時折お見かけする事がございますが、 そうした方をお見かけした際は、必ずそうした行為を止めるよう強く指示させて頂いております。


女性にバイアグラを服薬させる事は、全く効果が無いばかりか、女性の身体にとっても有害である可能性がありますので、 『バイアグラが女性にも効果を示す』 もバイアグラに対する代表的な5つの勘違いに含めて報告をさせて頂きました。


4.【ずっと勃起しっぱなしになる】

ずっと勃起しっぱなしになる

バイアグラに対する代表的な5つの勘違い、続いてのご紹介は、 『バイアグラを飲むとずっと勃起しっぱなしになる』 という勘違いに関して、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医から解説をさせて頂いております。


こちらはバイアグラ服薬 『前』 の方に、ままある勘違いなのですが、 バイアグラを飲むと、ご本人の性欲ややる気を問わず、またたとえ射精後であったとしても、ずっと勃起しっぱなしになってしまうといった勘違いが見受けられる事が有ります。 こうした不自然な状態になる事を怖れ、バイアグラの使用を忌避されてしまう方もいらっしゃいますが、 これも明確な勘違いなので、こうしたご心配はなさいませんようお願い申し上げます。


バイアグラは服薬者の自然な性欲の発生に応じて、ペニスの血管の拡張をお手伝いするだけの薬剤なので、 そもそも本人が性欲を感じない状況においては全く作用致しませんし、 射精を済んで性欲が落ち着けば、 もちろん勃起もいつも通りに解消されていきます。


ただし、非常に稀な副作用として、これら勃起改善薬には 『持続勃起症』 なるものも有ります。 これは悪性リンパ腫・鎌状赤血球貧血症など血液疾患を罹患されている方や、黒人種での発生例が主体な上、頻度自体がとても稀なので、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医である自分も、バイアグラの副作用として、これをお見かけした事は実は一例として有りません。 ただ勃起改善薬における非常に稀な副作用として、持続勃起症によって勃起しっぱなしになってしまう事は、有るのかと問われれば、それは有ると言えます。 しかし、明言させて頂きたいのは、これはごく低頻度の副作用のお話であり、 バイアグラにルーチンで設定された機能上のお話では全く有りません。


逆に、ご自身が持続勃起症と思われる状況においては、泌尿器科医による緊急処置を必要とする場合もありますので、 そうした状況が疑わしいケースにおいては、すぐに近在の泌尿器科さんにご相談をされますようお願い申し上げます。


バイアグラを服用したいけど、ずっと勃起しっぱなしは困る、そうした訴えの初診患者さんを新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来でも、 時折お見かけする事がございます。


という事は、こうした勘違いによって、ED患者さんの受診機会が失われている可能性も危惧されますので、 『バイアグラを飲むとずっと勃起しっぱなしになる』 もバイアグラに対する代表的な5つの勘違いの中に選出をさせて頂いた次第です。


5.【依存性がある】

依存性

バイアグラに対する代表的な5つの勘違い、最後のご紹介は、 『バイアグラには依存性がある』 と言う勘違いに関して、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。 


こちらも直上の 『ずっと勃起しっぱなしになる』 同様、バイアグラの服用 『前』 に、ままある勘違いの一つなのですが、 バイアグラを使用すると、バイアグラ無しでは性行為が出来なくなるといった、 薬物依存を思わせるような勘違いを抱かれている方が、時に見受けられます。


これも上記 【女性に効果を示す】 同様、バイアグラが性欲を亢進させて勃起改善を図る薬剤であるといった誤解から派生している勘違いの一つで、 つまり 『性欲を亢進させる』➔『これは麻薬的な作用』➔ 『つまりバイアグラには依存性がある』 、 と間違った連想でこの勘違いが発生しているものと推測されます。


しかし、上記したように、バイアグラは脳でなく、ペニス局所の血管に作用するものなので、 そもそも、脳に依存性を引き起こす要素自体が有りません。 ただ、バイアグラはEDを前提とした性行為において、利便性の高い薬剤では有るので、 気持ちとしては頼りたくなる事もあり、こうした精神的な依存は有ってもおかしくは無いのかも知れませんが、 身体が薬剤が無いと機能上の問題が発生するといった、 身体化された薬物依存性には関しては、これは明確に否定する事ができます。


こうした勘違いは、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来でも聞かれる事が有りますが、 『バイアグラには依存性がある』 という勘違いによって、初診ED患者さんの受診機会が失われてしまう可能性も危惧されますので、 こちらも、バイアグラに対する代表的な5つの勘違いに取り入れさせて頂きました。



以上、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医がバイアグラに対する代表的な勘違いを5つにまとめて解説をさせて頂きました。 皆様、勘違いによる誤用、勘違いによる受診機会の喪失など、何卒お気をつけ頂き、 ぜひとも日本性機能学会専門医による正しい勃起改善薬についての解説をお受けになって頂きますようお願い申し上げます。

(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2025-01-13)

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