現在、バイアグラ系製剤には3種の剤型が有り、これらを扱う上では、そのそれぞれに注意点が有ると言えます。 こちらでは新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医がそうした注意点に加え、それぞれの剤型の概要などについて、 解説をさせて頂いております。
バイアグラ系には 『錠剤型』 『OD剤型』 『フィルム型』 と三種の剤型が、厚労省認可の正式な処方箋医薬品としてございます。 基本これらは、公式のバイアグラジェネリックも含めて、薬効・使用方法・副作用などについては、その解説内容は全く同じになるのですが、 実の所は、それぞれの剤型に即した、別個の注意点もございます。
こちらのページでは、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が当院の外来にて、
患者さん達からお伺いした内容を踏まえて、
これら3種の剤型のそれぞれの注意点と概要について、
解説をさせて頂いております。
宜しければご一読下さいませ。
<当ページのもくじ>
バイアグラ系3種の剤型について、こちらでは最もスタンダードな 『錠剤型』 の概要とその注意点について、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医から解説をさせて頂いております。
まず概要として、バイアグラ系の錠剤型は先発医薬品・後発医薬品を含めたバイアグラ系全ての剤型の中で最も多く処方されているもので、 これは、皆様が日頃ご利用になられる事のある薬剤と同様な形態のものになります(もちろん色・形は様々では有りますが)。 しかし、実はバイアグラ系3種の剤型の中で、バイアグラの錠剤型は最も注意点が多い系統と言えます。
錠剤型のバイアグラ系薬品の注意点として、 まず上げられるのは 『分割使用』 についてです。 バイアグラ系の錠剤型を分割して使用される事は、ユーザーが能動的に行っている事の一つとしてインターネット上などでもお見かけする事がありますが、 これは新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来を始め、 キチンとした医療機関では全く推奨されていない使用方法なので、一つご注意下さい。
割って使用する事は削減された用量の 『単独』 のトライアルとしてなら、まま許容されるものですが、 分割されて残ったものに関しては 『PTPシートから出されている』 『分割される事でコーティング断面が外気にさらされている』 という二つの理由から、その保存状況は最悪と言え、分割された残りのものの薬効は非常に失活しやすい状態と言えます。 原則、錠剤に割線があったとしても、錠剤型のものは、分割をせずに、そのままご利用頂いた方が望ましいかと存じます。 半分の用量にてお試しをされたい場合は、ED外来にてそのような旨をお伝え頂ければ、 一錠成形で半分の用量のものを御用意させて頂きますので、是非そのようにされて下さい。 こうしたスタイルの方がより正確な半分の用量のトライアルになります。
また様々な飲料と合わせて、錠剤型のバイアグラ系薬品をご利用されている方がいらっしゃいますが、 たとえばコンビニには無数の飲料が販売されているかと存じますが、 処方箋医薬品の開発・実験段階において、これら無数の飲料と薬剤との飲み合わせをチェックしている事はほぼ100%なく、 基本、錠剤型の処方箋医薬品は 『全て水で飲む』 事が前提となっておりますので、 バイアグラ系についても、何卒お水でお飲みになられますようお願い申し上げます。 合わせてお飲みになる飲料によっては、血中濃度上昇、あるいは血中濃度低下、また腸管からの吸収の低下など、 思わぬ悪影響が出るような危険性もございますので、くれぐれもご注意下さい。
バイアグラ系3種の剤型に関して、続いては 『OD剤型』 の概要と注意点について、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医から解説をさせて頂きます。
まず概要ですが、 OD剤のODとは 『Oral Disintegrant』 の略で、 これは日本語としては 『口腔内崩壊錠』 という意味になります。 ニュアンスとしては口の中に入れると唾液で溶かす事ができる製剤という事で、 バイアグラ系では、公式のジェネリックのシルデナフィルシリーズとして、 東和薬品株式会社が錠剤型のOD剤型をリリースしております。
この剤型の注意点としては、バイアグラ系のOD剤型は公表上 『服用する時に水無しで飲むことができます』 と喧伝されておりますが、 人によって、特にご高齢の方の場合は、嚥下の力、つまり飲み込む力が落ちている場合も少なくなく、 『唾液+溶けたOD剤型』 のような容積の小さなものだと、飲み込む力が弱い方の場合、 口腔内に成分が残ってしまうケースが多々ございます。 その結果、ご利用されている薬剤の効果が弱くなってしまうような事も危惧されますので、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来では、こうした薬効の個人差を避ける為にも、 また、しっかりと効果を出す為にも、たとえOD剤型であったとしても、 水でしっかりと飲む事を推奨させて頂いる次第です。
バイアグラ系3種の剤型に関して、最後は 『フィルム型』 の概要と注意点について、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医から解説をさせて頂いております。
まず概要ですが、バイアグラ系統のフィルム剤型は、 現在ファイザー社改めベアトリス社から出ている先発医薬品バイアグラのみにございます。 他のレビトラ系、シアリス系には厚生労働省管轄下のED薬にフィルム剤型のものは一切ございませんのでご注意下さい(厚労省無認可の海外製医薬品には有るようではあります)。 またバイアグラ系の公式ジェネリックの方にも現在の所、フィルム剤型はございません。
フィルム剤型は、薄く、平べったく、かつ柔らかく出来ていて、イメージとして近いものは、 コンビニなどで販売されているミントシートがこれに近似しています。 平べったいのでお財布などに収容できる所がウリなのですが、 機能的にはバイアグラ系統の錠剤型・OD剤型の先発医薬品・公式ジェネリックと全く変わらないものになります。
この剤型の注意点としては、その形態から 『舌下剤』 と勘違いされる方が後を絶たず、 飲み込まずに舌の下に置きっぱなしにしてしまう方が多く見うけられます。 また上記のOD剤型と同様に口の中に入れると唾液で溶ける仕様とはなっているのですが、 やはり嚥下の力が弱い方の場合、口腔内に残留する成分が出てしまい、結果、薬効が弱めになってしまう事があるので、 錠剤型のOD剤型と同様、こちらも水でゴクンと飲む形が、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来からのお勧めとなります。
以上、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医がバイアグラ系3種の剤型について、
その概要、そしてそれぞれの注意点に関して解説をさせて頂きました。
こうした各剤型の注意点を踏まえた上で、それぞれを運用して頂きますようお願い申し上げます。
新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来では、ED薬はいずれも1錠から処方可能ですので、
もし、ご興味のわくような剤型がございましたら、何卒一声おかけ下さいますようお願い申し上げます。
(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2025-04-28)
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