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『バイアグラと自動車の運転 バイアグラ服用後にドライブをしない方が良いという2つの理由を新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説』

バイアグラ服用後にドライブはしない方が良い
  • バイアグラ服用後には、できれば自動車の運転はしない方が良いです。
  • こうしたドライブをしない方が良いという理由には主に2つほど有ります。
  • 一つは副作用の彩視症の発生、もう一つは副作用のめまいの発生です。
  • 本稿では新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医がこれらの理由について解説してます。

  

バイアグラを飲んだ後に、自動車の運転はあまりお勧め致しません。 このバイアグラ服用後になるべくドライブをしない方が良いという理由には主に2つあり、 その一つは副作用の彩視症の出現、もう一つは副作用のめまいの出現になります。


時に 『バイアグラを服用後、自動車の運転をしても大丈夫でしょうか?』 というご質問を、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医外来にてお伺いする事が有ります。


例えば糖尿病に対して処方されるインスリンなど、血糖を低下させる薬剤の利用者は、 改正道路交通法では、運転免許の取得・更新時にこれを申告する義務が有り、 またドライブ前には血糖を測定する事などが推奨されています。


一方でバイアグラに関しては、自動車の運転において、こうした申告を必要とする薬剤には内包されておらず、 服用後のドライブも禁忌事項では無く、また交通法規上の罰則規定も存在は致しません。 しかし、実はバイアグラは、低頻度ながらドライブにおいていささか問題のある副作用を発生させてしまうリスクが有ります。


このリスクに関しては、インスリンや血糖降下剤における低血糖発生などの頻度には遠く及ばない事、 またバイアグラを服用してから運転をするような状況自体がとても稀な事から 『あえて言えば』 というレベルの助言にはなりますが、 駅や居住地から遠く離れた高速道路沿いなどにラブホテルなどが密集しているような状況を考えますと、 バイアグラを使用されているユーザーにおいては、本剤の自動車運転上の悪影響に関しても、 把握されておいた方が安全管理上、望ましいものかと思われました。


そこで、本稿ではバイアグラと自動車の運転を主題に、バイアグラ服用後にはドライブはしない方が良いという、 その2つの理由に関して、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。
よろしければ御一読くださいませ。


<当ページのもくじ>

  1. 【バイアグラ服用後にドライブをしない方が良い理由その①:彩視症】
  2. 【バイアグラ服用後にドライブをしない方が良い理由その②:めまい】

1.【バイアグラ服用後にドライブをしない方が良い理由その①:彩視症】

バイアグラ服用後の彩視症

バイアグラと自動車の運転。バイアグラの服用後にはドライブはしない方が良いという、その2つの理由の内、 こちらではバイアグラの副作用の一つ 『彩視症』 の出現に関して、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医がその詳細を解説させて頂いております。


彩視症とは読んで字のごとく、視界に色がついて見える症状の事で、バイアグラの副作用として出現する事が有りますが、 その頻度は1.0~0.1%と、とても低いレベルです。


この副作用の症状は、代表的にはバイアグラの作用中、視界に 『青い色』 がついて見えるというもので、出現したとしてもバイアグラの効果が消退すると共に消えていき、 何か慢性的な後遺障害を残すようなものでは全く有りません。つまり比較的無害な副作用の一つではあるのですが、我々の生活の中でこの副作用が出現すると、 困ってしまう状況がいくつか想定され、その代表的な一例が自動車の運転、ドライブになります。


何故に、運転中、視界に色がつくのが困るのかと申しますと、これは自動車のドライバー用の警告表示は、基本的に目につきやすいよう目立つ色で彩色されていて、 彩視症の発生時にはこうした警告色を正確に把握できなくなるという危険性が有るからです。 もちろん元々、色覚異常のある方に対しても注意を促すという意味合いにおいて、ドライバー用の警告表示はランプの動きや明滅、模様やパターンなどでもドライバーに警告を伝えてはいますが、 基本的には、信号・道路標識などは赤、また踏切・工事などは黒と黄色の縞模様などで、そこが注意ポイント・警戒領域・停止すべき場、で有る事を 『色』 を主体に伝えています。


今だ、バイアグラによる彩視症を原因とする交通事故の発生に関して、明らかな事故は見受けられてはいないようですが、 彩視症の影響でドライブ中の注意・警戒のメッセージが運転者にうまく伝わらないようなケースにおいては、やはり事故の発生も危惧されます。 バイアグラによる彩視症の発生率は決して高い物では有りません。しかし自動車の運転に伴う交通事故の重大性を考えますと、 彩視症の出現はバイアグラ服用後にはドライブはしない方が良いという十分な理由になるかと思われます。


何卒、バイアグラの服用後、最低半日はドライブはされませんようお願い申し上げます。 なお、色覚異常を副作用として発生させる薬剤はバイアグラの他にも多く存在しており、 一部の抗生剤・抗真菌剤・アルコール中毒治療薬・抗不整脈薬・降圧薬においてもそうした報告が見られています。 この中には服用後に自動車の運転がすでに不可の扱いになっているものも有りますので、これらに該当するものを服用されている方は、 処方して頂いた医師に、運転の可否に関しても忘れずにお尋ねになられますようお願い申し上げます。


2.【バイアグラ服用後にドライブをしない方が良い理由その②:めまい】

バイアグラ服用後のめまい

バイアグラと自動車の運転に関して、本剤の服用後にドライブをしない方が良いという2つの理由の内、 こちらでは、バイアグラの副作用の一つ 『めまい』 の出現に関して、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。


バイアグラには、おおよそ0.64%の頻度で、副作用としての 『めまい』 が発生するとされています。ちなみに別種の勃起改善薬であるレビトラなどでは、 おおよそ0.44%の頻度とされており、他の勃起改善薬であっても、めまいは同様な低頻度で発生する事が有るようです。


この副作用 『めまい』 も上記 『彩視症』 と同様に特に強い症状では無く、またかなりの低頻度であり、また慢性的な影響を残すようなものでは無い、 つまり薬効の消退と共に消えていく比較的無害な副作用と言えますが、やはり自動車の運転中にこれが出現した場合は、 いくつかの危険な状況が想定されます。


街乗りのようなストップアンドゴーという状況であれば、ハザードを出し路肩に止めてから、めまい症状が過ぎ去るのを待つ事もできるかも知れませんが、 前述のように近傍にラブホテルが密集している 『高速道路を走行中』 のようなケースではいかがでしょうか?


高速道路上にて、細やかなハンドルワーク・アクセルワークを必要とする、合流・分岐・車線変更時などに、もし 『めまい』 が出現したら・・・。 高速道路上では、一般道のように止まりたい時に車を止められる訳では無いので、こうした繊細な状況でのめまいの出現は、 高速道路においては、他車をも巻き込む重大な交通事故を発生させてしまう危険性も想定されます。


彩視症同様、バイアグラによるめまいの発生率も決して高いものでは有りません。 しかし、ドライブに伴う交通事故の重大性を考えますと、 めまいの出現はバイアグラの服用後には自動車の運転はしない方が良いという、 その十分な理由になり得るかと存じます。


上記、彩視症の項目でも申し上げましたが、めまいの出現という意味合いにおいても、バイアグラを服用後は、最低半日は自動車の運転をされませんよう、 何卒よろしくお願い申し上げます。



以上、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医がバイアグラと自動車の運転をメインテーマに、 バイアグラの服用後にはなるべくドライブはしない方が良いという、その2つの理由に関して解説をさせて頂きました。


とくに昨今、ご高齢のドライバーによる凄惨な自動車事故が頻回に報告されておりますが、上記のようなバイアグラの副作用は、 高齢者の方が出現しやすい傾向も有りますので、ご高齢の方はなおさら、バイアグラを服用後の自動車の運転は努めて、 これをされませんよう、重ねてお願い申し上げます。

(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2024-02-21)

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