バイアグラについての間違えたインターネット情報はそれこそ無数に有り、 新宿ライフクリニックの外来にて、そうした情報を日本性機能学会専門医として是正させて頂く事も少なくは有りません。
インターネットの情報は、簡便に取得出来る事も有って、非常に一般化されていると言えます。 活字化されている情報でかつ、特にブラウザで上位表示されているものは、 それだけで信頼してしまいそうになるかとも思われますが、 実はこれらのインターネット情報は現状において、 内容に関しての責任を求められる事が希薄な事もあり、 個人の主観だけに基づいて記載されているものも多く有ります。
例えば、本を一冊刊行するような場合は、作者だけでなく複数の編集者が関与し、内容をチェックして、 編集責任を全うする事で、結果として高度なファクトチェックがなされるようになります (むろん、ゴシップ誌的なものも数多くございますが・・・) 。 その一方でインターネットにて閲覧できる情報に関しては、最近になってファクトチェックなど内容に関する正確性に介入しようとする傾向が生まれ始めてはいますが、 いまだ個人発信の情報に関してはその総体をしっかりとはコントロール出来ていないようにも思われます。
そうしたインターネット情報におけるバイアグラについてのものには間違えた情報も多く、
それらは 『全くの間違い』 と 『若干の間違い』 に分類する事が出来ます。
こちらのページではこれらを新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が詳細に解説させて頂いております。
宜しければ、ご一読下さいませ。
<当ページのもくじ>
バイアグラについての間違えたインターネット情報の分類上 『全くの間違い』 に関しては、主に 『ドーピング的な効果』 『副作用』 『譲渡』 に関するものが有り、 こちらでは、それらについて新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。
『ドーピング的な効果』:
これはバイアグラによって勃起がED発症以前より、あるいは通常の時よりもすごく硬くなる。または本剤によって何回でも性行為が出来るようになる。
また使用する事で一過性にペニスが通常の勃起状態よりも大きくなる。といった内容のもので、これらの情報は全てまったくの間違いと言えます。
バイアグラは性欲を感じる状況において、一過性にED:勃起不全を改善させるだけの局所性の高い血管拡張薬にすぎず、
肉体やその性的能力をブーストするものでは全く有りません。
『副作用』:
これは軽い動悸や火照りなどのバイアグラで通常想定される血管拡張効果に基づく正確な意味合いでの副作用ではなく、
本剤を連用する事によって、健康だった使用者の心臓が段々と悪くなっていくと言った、心毒性などについてのものが主体で、こうした情報は全くの間違いです。
バイアグラは、狭心症や心筋梗塞に使用されるニトロ/硝酸剤との併用が絶対的な禁忌に該当しているため、おそらくこうした情報が曲解され、
健康な心臓をどんどん悪くさせてしまうと言った、間違った情報を生み出していったのではないかと推察致します。
『譲渡』:
インターネット上において、個人の方が、バイアグラを友達にもらったなど、さも譲渡が自然な事のように記載がされている場合が有りますが、
バイアグラなどの処方箋医薬品は、処方された本人しか使う事は出来ず、これは厳密な法規に基づくものです。
これらの処方箋医薬品は身体や既存の服薬の状態によっては使用する事で健康被害が発生するような可能性もあるため、
処方や使用の可否については医師が責任を持って行っております。
たとえ好意で友人に譲渡したつもりでも、結果としては友人の健康を害してしまうような危険性も有るので、
バイアグラなどの処方箋医薬品の個人的譲渡に関しては、全くの間違いと言えます。何卒お気をつけ下さい。
このようにバイアグラにおける間違えたインターネット情報には 『全くの間違い』 に属するものが複数有り、 新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医として これらの情報にはくれぐれもご注意頂きますようお願いを申し上げます。
バイアグラについての間違えたインターネット情報の分類上 『若干の間違い』 に関しては 『作用システム』 『購入』 などに関するものが有り、 それらについて新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医が解説をさせて頂いております。
『作用システム』:
これについては、バイアグラの効き方に関しての間違った情報が主体で、バイアグラが人の性欲を亢進させる事で最終的に勃起を改善させる、
つまり興奮剤的な記載がなされている場合が有りますが、これは間違いです。薬剤の作用システムは本来的には患者さんにはあまり関係の無い話なので、
こちらは 『若干の間違い』 に分類をさせて頂いておりますが、この間違いには連動して 『全くの間違い』 へと繋がる事があるので、先頭にて記載をさせて頂きました。
バイアグラは自然に発生する性欲に応じてペニス局所の血管拡張をはかる薬剤なので、ペニスの無い女性には投薬する意味の無い薬剤とも言えますが、
バイアグラが性欲を亢進させるという間違った情報を信じている方の中には、女性の側の性欲を上げる目的で本剤を女性に飲ませようとする方がいらっしゃいます。
これにはどんな実害が女性に出るのか不明な所もあり、とても危険な行為のため、作用システムに対する間違い自体は 『若干の間違い』 ですが、
女性にバイアグラを飲まそうとする行為自体は 『全くの間違い』 に分類すべきものと思われます。
こうした間違えた作用システムの把握に伴うバイアグラの誤用に関してはくれぐれもご注意下さいませ。
『購入』:
これはバイアグラの入手方法に関しての間違った情報で、インターネット上で海外にサーバーを持つ無数の日本語サイトにおいて、
「バイアグラ的なものをネットで買える!」 と表示されてしまっているため、さもバイアグラは医師を介在しない通販サイトでも買えるものかと思われてしまうかも知れませんが、
これは間違った情報で、上記 『譲渡』 に記載させて頂いたようにバイアグラは処方箋医薬品なので、仮に本物だったとしても、
インターネット上だけで医師を介在せずに購入する事は違法行為であり、
またその一方で、ファイザーなど正規の製薬会社などはこうした非合法なサイトに真っ当な薬剤を卸す事は完全に無いので、
そうしたサイトで扱われる薬剤のほとんどは、どこで誰によって作られたのかも知れない偽造品である事がほとんどになります。
これは患者さん個人と言うよりインターネット環境の問題とも思われますので 『若干の間違い』 に分類させて頂きましたが、
偽造品によって効果が出ないような事はさておき、健康被害が発生してしまうような場合については、
これも 『全くの間違い』 に分類すべき事象になってしまうかと存じます。
このようにバイアグラについての間違えたインターネット情報には 『若干の間違い』 に分類されるものが有りますが、 状況次第でこれらも 『全くの間違い』 に転化しうるので、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医として、 こうした情報に対しても、くれぐれもご注意を頂きますよう重ねてお願いを申し上げます。
以上、新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医から、バイアグラについての間違えたインターネット情報に関して、 それらを 『全くの間違い』 と 『若干の間違い』 に分類し、それぞれを解説させて頂きました。
こうしたバイアグラなどについての正確な情報は、日本性機能学会専門医の外来にてお伺いになるのが最も安心で最も正しいです。
ぜひお近くの日本性機能学会専門医にご気軽にご相談下さいませ。
(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2025-03-31)
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