顔のほてりが出る事が有ります

この顔のほてりはバイアグラによる副作用として頻度ナンバーワンです。



バイアグラの副作用」

顔のほてりは出たとしても薬効の消失とともに消え去ります


<当ページの項目リスト>

  1. 【バイアグラと顔のほてり】
  2. 【顔のほてりとは?】
  3. 【バイアグラによるこの副作用の頻度】
  4. 【何故に発生するのか?】
  5. 【対策として】

1.【バイアグラと顔のほてり】

バイアグラによる顔のほてりは最もポピュラーな副作用の一つです。 この顔のほてりはバイアグラによる局所の血管拡張による局所温上昇によって自覚されるもので、 これが出現したとしても特に危険性はありません。 バイアグラによる顔のほてりが気になる方は、 薬用量を調整されるか、もしくは服薬のタイミングと環境設定の調整がおすすめです。


バイアグラはED/勃起不全の改善薬として最も有名で、 その販売から17年、ほぼED治療薬の代名詞的立場としてあり続けています。 その作用体験について については良質な勃起改善効果が報告されており、 リピーターの多さも機能の優秀性を物語っています。
バイアグラはその適応、また用法用量を厳密に守る分には危険性は低く、 安全域の高い薬剤と言えますが比較的無害な副作用が低頻度に出現する場合が有ります。 その中で顔のほてりは実はバイアグラの副作用として最もポピュラーなものであり、 本剤のユーザーであれば一度は体験された事があるのではないかと思われます。


この顔のほてりは薬剤の副作用としてはマイルドかつ比較的無害なもので、 人によってはバイアグラが効いてきた効果の目安にされている方もいるくらいです。 (少数ですが本剤特有のドライブ感として喜ばれる方もいます。) しかしバイアグラユーザーの中には、この顔のほてりが比較的無害な副作用と知っていても、 どうしても気になってしまう方がいるようです。 当新宿ライフクリニック の外来でもバイアグラによる顔のほてりに関してご相談を頂く事が有ります。 バイアグラによる顔のほてりがとても気になる方は、主に外面的なニュアンスを気にしているようです。 これはお伺いしていると、 パートナーにこの副作用によってほっぺが赤くなったりするのを見せたくないといった事が主体のようです。


実はこのバイアグラは飲酒下ではあまり薬効をしめさなかったり、 顔のほてりと同じく低頻度な副作用の「立ち眩み」の発生頻度を上げてしまったりと、 お酒とバイアグラの愛称はとても悪いと言えますが、 不思議な事に、バイアグラによる顔のほてりを外面的なニュアンスで気にされる方は、 バイアグラとお酒の併用頻度が高いような気がします。
さらに不思議なのは、相談を受けているとお酒による顔のほてりは気にならないようですが、 バイアグラによる顔のほてりは気になるとおっしゃられます。 お酒による場合はお酒によって気分も良くなっているので、あまり気にならないのかも知れません。 もちろんバイアグラにはアルコールのように人の気分を良くさせる力はありませんので。


本稿ではこのバイアグラの代表的な副作用である顔のほてりに関して、 なぜこの副作用を感じるのか、また本剤による顔のほてりの頻度、 またその対策などに関して記載させて頂いております。 どうぞご参照くださいませ。


2.【顔のほてりとは?】

顔のほてりはバイアグラの最も代表的な副作用ですが、 これはどういったものなのでしょうか?


顔のほてりは、自覚的な症状つまり自分で感じるものとしては顔面局所の熱感の自覚で、 他覚的所見つまり人から見て感じるものとしては顔面が紅潮、 つまりほほ等が赤くなっているという事が該当します。
一般にこの顔のほてりとは、全身性熱感に対しての局所性熱感の事を示しており、 代表的には皮膚局所の発赤・血管拡張による局所温の上昇、 またヒスタミンなどの化学物質による局所性のアレルギーの際に出現するものとされています。 飲酒をしたり、発熱をしたときなどにもこれを感じられます。 症候性には女性の更年期障害に伴う顔のほてりは症状としてとても有名です。


3.【バイアグラによるこの副作用の頻度】

バイアグラによる顔のほてりは、副作用の分類上は皮膚に関するモノではなく、 循環器副作用として登録されています。 項目別副作用発現頻度においてはこの副作用は5.78%に出現し、 バイアグラにおける発現頻度の中ではダントツのトップです。

  • ・日本でのバイアグラ承認時における国内臨床試験(157例) では41.4%になんらかの副作用もしくは臨床検査値異常が見られたとの事で、 顔のほてりは10.83%と最大多数の副作用でした。

  • ・外国で実施された第二相・第三相試験(823例) では31.71%になんらかの副作用もしくは臨床検査値異常が見られたとの事で、 そこでも顔のほてりは最大数の副作用で頻度は15.19%でした。

  • ・バイアグラの国内市販後の使用成績調査(3152例) では5.27%になんらかの副作用もしくは、 臨床検査値異常が見られたとの事で、 そこでもやはり顔のほてりは5.27%と頻度ナンバーワンでした。

このように調査や試験によってその発生頻度自体はまちまちですが、 共通しているのは顔のほてりが副作用の頻度としてナンバーワンという事です。
ちなみに発生頻度としては一番調査例数の多い国内市販後の使用成績調査が信頼性が高いと思われ、 これを引用するとバイアグラを服用した人の内、 100人中約5名に顔のほてりが出る可能性があるという事になります。 これは頻度的には95人の方にはこれが自覚されないという頻度であり、 最大多数派の副作用がこれぐらいなので、バイアグラの副作用は個別に見た場合、 服用者のほとんどの人はそれぞれの副作用を自覚されないと言う事になります。


4.【何故に発生するのか?】

バイアグラの副作用としての顔のほてりは、 一番調査例数の多い国内市販後の使用成績調査において、 出現頻度が約5%とやはり最大出現頻度の副作用でした。


この症状に関しては2.【顔のほてりとは?】で発生原因のいくつかを解説させて頂きましたが、 それではバイアグラ副作用として発生する場合の 「顔のほてり」はどういった機序で発生するのでしょうか?


それにはバイアグラがどのような機序で勃起改善を実現するのかを説明する必要がありそうです。 バイアグラは決して性欲を刺激して勃起改善をはかるお薬ではなく 実はそのシステムの本態は血管拡張効果にあります。 人体の主要な血管拡張物質は一酸化窒素がそれに該当しますが、 バイアグラなどの勃起改善薬は、 この一酸化窒素の働きを補助する重要な物質を分解する酵素をブロックする事で、 一酸化窒素を作用しやすくするのが主要な作用です。


その結果、主に陰茎を中心に血管拡張効果をしめし、陰茎海綿体平滑筋の弛緩という、 勃起のスタートに非常に大切な生理的アクションを引き起こす事ができます。 要はバイアグラは陰茎の血管を拡張させる方向に働くのですが、 おおよそこの効果は陰茎に限局してはいるものの、 他の部位にも血管拡張効果が現出してしまう場合があります。


それが顔面に出た場合は顔のほてりという副作用になるわけです。 2.【顔のほてりとは?】にてこの症状の原因を皮膚局所の発赤・血管拡張による局所温の上昇と、 ヒスタミンなどの化学物質による局所性のアレルギーに二大別させて頂きましたが、 バイアグラによる顔のほてりの場合は、 前者の皮膚局所の血管拡張による局所温の上昇が原因になるという事ですね。


5.【対策として】

上記にバイアグラによる副作用としての顔のほてり、その発生頻度や原因に関して記載させて頂きました。 顔のほてりは上記のようにバイアグラの副作用として最も頻度の高い副作用です。


また前述したように、この顔のほてりは比較的無害な副作用で、 バイアグラの薬効消退とともに消えていきますし、 特になんらかの後遺症を残すような事も確認されていません。 しかしこの顔のほてりが外観上 気になってしまう方がいますので、 以下にバイアグラによるこの副作用の対策を記載させて頂きました。


  1. まず対策として直截なのは、バイアグラ薬用量を減らす事です。 バイアグラ50㎎を使用されていた方は25㎎でトライしてみましょう。 薬用量が下がれば顔のほてりの発生頻度やその強さが減少する可能性が有ります。 しかし当然ですが薬用量が下がれば勃起改善効果も減少しますので、 この方法の場合、勃起の改善効果の減少と顔のほてりの許容範囲のバランスが重要なポイントです。
  2. 次の方法として、顔のほてりに関して外観面だけが気になる場合には、 バイアグラはなるべく性行為の直前1時間前に飲むようにして、 性行為前のご本人の外観を露出する時間をぎりぎりに少なく設定する事がおすすめです。 また早々にお部屋を暗くしてしまえば、外観を見られる事はないので、 顔のほてりも気にならなくなると思われる所です。
  3. 第三の方法として、バイアグラからシアリスなど他の勃起改善薬に変更してみる事が有ります。 シアリスは三種の先発勃起改善薬の中では副作用としての顔のほてりが最も少ないとされています (無論、個人差はありますが)。上記2方法がバイアグラによる顔のほてり対策として奏功しなかった場合、 シアリスなどをトライして見るのが宜しいかと存じます。

以上、バイアグラによる副作用としての顔のほてりに関して、 その原因、対策などに関して記載させて頂きました。 新宿ライフクリニックは東京は新宿駅前のED専門クリニックとして、 バイアグラによる顔のほてりなど、皆さまのお悩みやご質問に多角的に対応可能です。 ぜひともご相談にいらして下さいませ。
(記載:日本性機能学会専門医-須田隆興)