20歳未満には処方できません

バイアグラは成人男性にのみ適応があります。



バイアグラの使用制限」

本剤は20歳未満での安全性が検討されていません。


<当ページの項目リスト>

  1. 【バイアグラは20歳未満は使用できません】
  2. 【バイアグラの適応年齢】
  3. 【何故に20歳未満はダメなのか?】
  4. 【EDの原因】
  5. 【薬物と対象年代】

1.【バイアグラは20歳未満は使用できません】

バイアグラは20歳未満の方に処方できません。 バイアグラの年齢的適応は成人以上の男性で、これには20歳未満は含まれません。 またバイアグラの安全性は20歳未満ではほぼ検討されておらず、 こうした若年者が使用した場合、どのような危険性があるかも明確では在りません。 以上の理由でバイアグラは20歳未満の方への処方また使用ができません。


バイアグラはED/勃起不全を薬効がある間改善をさせる、いわばペニス局所で作用する血管拡張薬です。 その用法用量や適応をキチンと順守する状況においては、 その危険度についてはとても低いと言え、 バイアグラは使用しやすい薬剤でもあります。
バイアグラはEDを改善させるという目的を考えると、 性行為の時に使用する薬剤である事は明確です。 下記に詳細を記載しますが、このバイアグラの使用は成人以上の男性に限定されており、 20歳未満の使用は前提として許可されておりません。


未成年の性行為に関して、 日本ではこれはほぼ認められておらず、 地方自治体の定める青少年保護育成条例においては青少年の性行為は禁止されており、 それには罰則規定も存在します。 ただ、実情「性行為を青少年はしてはいけない」と言っても、 日本において青少年による性行為は実在していると推測され、 また、そうした性行為をしている青少年の中にはEDで悩んでいる方も実在し、 その悩みは往々にして中高年のEDよりも深いものになってしまう可能性が有ります。


バイアグラは20歳未満は使用できないという事なのですが、 これは現行の日本の民法にのっとれば未成年がそれに該当します。
一方の上記条例における「性行為を青少年はしてはいけない」 という表現の中の「青少年」という定義ですが、 これは地方自治体の定める青少年保護育成条例では未婚の18才より下の男女がこの「青少年」に該当し、 言い換えるならば「未婚の18才から下の男女は性行為をしてはいけない」という表現になります。
それでは19才なら未婚でも、もしくは法的に合法な結婚をしていれば18才から下でも性行為が出来るので、 20歳未満でもバイアグラを使用して良いのかと言うと、やはりそれはダメで、 これは法規と言うよりもバイアグラという製剤に規定された使用制限から、 成人している、つまり二十才以上の男性でなければバイアグラの使用は許可されないと言う事であり、 青少年保護育成条例を引き抜いて考えたとしても、 20歳未満はバイアグラの使用は出来ないと言う事になります。


新宿ライフクリニック にも時に20歳未満の方がバイアグラを希望して来院される事があります。 その際は、20歳未満にバイアグラが処方出来ない理由を説明してお帰り頂いておりますが、 中にはそれを知っていて、問診票に虚偽の生年月日を記載する方もいます。 しかし問診票への虚偽の生年月日等の記載は私文書偽造に当たる可能性があり、 法規に抵触した行為に該当します。是非とも虚偽の記載はされないようお願い申し上げます。


本稿ではバイアグラと20歳未満というテーマを主軸に、 バイアグラの適応年齢や20歳未満がバイアグラを使用できない理由など多角的に記載しております。 ぜひともご参照くださいませ。


2.【バイアグラの適応年齢】

冒頭よりバイアグラは20歳未満に処方できないと記載させて頂いておりますが、 この主体の理由は、まずバイアグラ製造元のファイザー社による対象年齢規定にあります。


ファイザー社の作成したバイアグラの添付文書ならびにインタビューフォームから抜粋しますと、 その用法、用量ならびに適応に関して 「バイアグラは通常、成人には一日一回25㎎もしくは50㎎を性行為の1時間前に服用する。 65才以上の高齢者、肝臓に障害のある患者および重症の腎臓の障害のある患者については、 本剤の血漿中濃度が通常より増加する危険性が認められているので、25㎎を開始用量とする事。 また1日の投与は1回のみとし、投与感覚は24時間以上あける事。」 となっています。
つまりバイアグラの対象年齢は成人以上という事が規定されており、 ファイザー社が規定したバイアグラの用法用量では、明確に20歳未満は適応から除外されています。 つまり、まずバイアグラは20歳未満の使用・処方は製剤の服用規定上、 処方ならびに使用する事が出来ません。


実はこの日本における成人が二十才以上という規定は民法によって定められたものですが、 この成人と言う定義が今揺らいでいるそうです。 成人を18才以上に再定義しようという現政府の動きがあるとの事で、 これは国連の規定など世界標準に合わせようとする動きでもあるようです。
しかし、おそらくですが、仮に日本の成人の定義が18才からに変更されたとしても、 バイアグラの処方が20歳未満の方にできるようにはならないと思われます。 それは何故かと言うと、次の項目で記載しますが、 バイアグラは現状、20歳未満での安全性がほぼ確認されていないからです。


3.【何故に20歳未満はダメなのか?】

上記にてバイアグラはファイザー社の規定した用法用量上、 20歳未満の使用・処方ができないと記載しましたが、 このバイアグラが20歳未満の方に処方できない第二の大きな理由として健康上の問題があり、 それは20歳未満のバイアグラ使用における「安全性」に関してのお話です。


バイアグラのような処方箋医薬品が世に出てくるまでは、数多くの安全性のテストを繰り返します。 また発売後も市販後調査と言って安全性のテストは続けられて行きます。 バイアグラは用法用量や適応を守れば高度な安全性が確認されている薬剤ですが、 これには統計的な根拠があって、このように表現されており、 その根拠とはこの数多くのバイアグラにおける安全性のテストがベースとなっています。
実は20歳未満に関してはもともと適応がないという事もあり、 バイアグラはこうした安全性のテストがほぼされておらず、 20歳未満に関しては安全かどうか、危険かどうかもよくわからないのが現状です。 ひょっとすると、20歳未満つまり発育途中の体には望ましくない作用がある可能性も危惧されますが、 それがあるかどうか語る為のバイアグラに関する、 20歳未満における科学的・統計学的な根拠自体が無いという状況です。


ゆえにファイザー社が規定する適応・用法用量から離れても、 バイアグラは20歳未満の使用・処方はできません。 ですので、仮に上記のように民法上の成人定義が18才に引き下げられたとしても バイアグラは現在の未成年である20歳未満には使用・処方が出来ないという状況は変わらないと思われます。
「その時は20歳未満の男性でバイアグラの安全性の検討をすればいいじゃない」 という意見もありそうですが、 18~19才の男性で本剤の使用を検討する社会的なデメリット(父兄や社会による批判など)はあれども、 企業にとってはこうした20歳未満の男性における検討を重ねる営利的なメリットが希薄なので、 ファイザー社が大きな費用をかけて、 20歳未満の男性におけるバイアグラの大規模な安全性の再検討をするとは思えません。 ゆえに、たとえ成人や未成年の定義が変わったとしても、 今後も20歳未満のバイアグラの使用は出来ないと思われます。


4.【EDの原因】

上記に20歳未満がバイアグラを使用する事が出来ない規定上の、 もしくは安全性上の理由を記載しましたが、 この18才~19才の方がバイアグラを使用を希望するケースは、 成人同様にEDの悩みに関してが主体のようです。


人によっては「20歳未満にもEDってあるの?」と言った感想を抱くかもしれませんが、 実は20歳未満のEDは統計的頻度こそ不明なものの、 実際の臨床においては18才や19才の男性からEDの相談を頂く事があります。 (結果として、バイアグラの処方はできませんが)。 この20歳未満のEDの原因は実は、精神的なプレッシャーやストレスが主体です。 中高年以上のEDの原因が加齢的要素や生活習慣病、 また喫煙や運動不足等の習慣によるものが主体であるのに対して、 20歳未満の場合はこうした器質的要素は希薄で、おもに心理面の要素が主体です。


バイアグラは20歳未満には処方できないので、こうしたEDの薬物的な解決はできませんが、 EDにおける心理面の原因は、 上記の中高年以上の器質的要素に比べると比較的に改善しやすいと言えるので、 20歳未満の方はバイアグラを使用せずともEDを改善できる可能性が有ります。
一例として、精神的なEDの改善には、緊張やストレスに関しての把握とシェアが重要と言えます。 これは具体的には性行為のどうした状況に緊張やストレスを感じているのか、 これを自分自身で詳細に把握し、それを信頼できる性行為のパートナーとシェアするという事です。 これはいわばセルフの自己分析と性行為のパートナーを相手にしたカウンセリングとも言えます。


この方法はパートナーが「信頼できる人」と言う所が重要です。 もし信頼できるパートナーが居るようであれば、試してみる価値があります。 ただし、前提として地方自治体の定める青少年保護育成条例では 未婚の18才より下の男性は性行為はできませんので、 法的に合法な結婚をしている20歳未満の男性、 もしくは未婚の場合18才以上の男性からお試し頂く事のできる方法になります。


5.【薬物と対象年代】

以上、バイアグラと20歳未満というテーマを主軸に、 ファイザー社が規定した用法用量から、 また健康における安全面等から、 20歳未満に本剤を処方・使用する事が出来ない理由など記載させて頂きました。


20歳未満の成長期にある肉体は、これはある意味中高年の肉体とは生物が違うようなものです。
20歳未満が病院に受診する場合、 その薬用量が体重で換算されているのを見た事がある方もおられるかと存じますが、 大人だって体格・体重は千差万別なのに、なぜに20歳未満の方だけこうなのかと言うと、 未来のある未成年に対する薬物の影響は特に慎重に考える必要があるからでしょう。


確かに20歳未満の方が感じる性行為におけるEDへの深刻度は、 往々にして中高年よりもシリアスである可能性が有ります。 しかし、その後の20歳未満の方の人生の長さを考えると、 容易に20歳未満への安全性が検討されていない薬剤を使用する事は、 それ以上にシリアスな危険性が危惧されます。
「バイアグラは20歳未満の方は使用できません」この言葉には将来への危惧も込められています。 20歳未満の方はバイアグラなど勃起改善薬は必ず使用されないようお願い申し上げます。


新宿ライフクリニックは新宿トップクラスのバイアグラ処方量を誇る保健所認可施設として、 バイアグラが20歳未満に処方・使用ができない理由など、様々な質問に対応可能です。 新宿にお寄りの際はどうぞご気軽にご相談にいらして下さいませ。
(記載:日本性機能学会専門医-須田隆興)