バイアグラは前提として射精してもペニスが立ち続けるような薬剤では有りません。
本剤は前提として強制勃起させる薬剤ではないです。
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バイアグラが強制勃起になってしまうというのは誤解です。 つまり、射精した後でも、性欲を感じない状況でも、 バイアグラでペニスが立ちっぱなしになってしまうと言うのは誤解と言う事です。 これは本剤の基本作用に関してよくある誤解の一つと言えます。 前提としてバイアグラは強制勃起させるものではなく、射精して性欲が解消されればペニスは収まりますし、 性欲を感じないような状況や適切な性器への刺激がない状況ではペニスが立つ事も有りません。 ただし、ごく稀に「持続勃起症」というペニスが強制勃起状態になってしまう副作用が出現する事がありますが、 これは主に白血病などの血液疾患のある方、また用法用量を度外視した過剰なバイアグラの服用などが、 原因となって発生するごく稀な副作用ですので、 バイアグラの通常使用を原因として強制勃起が発生する事はほとんど有りません。
「バイアグラは射精をしても強制勃起状態が続く」
「バイアグラは性欲を感じない状況でも強制勃起状態になる」
これはバイアグラ(シルデナフィル)使用前のED/勃起不全患者さんが危惧しがちな誤解の一つです。 こうした危惧が原因となって正規の医療施設でのED治療をさける方も少なくないようです。
当 新宿ライフクリニックは東京は新宿にある、エリアトップクラスの保健所認可ED治療施設です。 当院ではED患者さんとして1万8千人近くの登録があり、毎日様々な患者さんからの質問に応対しています。 こうした質問の中にはバイアグラなどのPDE5阻害薬に対する誤解も多く、 今回のテーマはそうした患者さんから実際にお伺いした内容を反映させたものです。
それは、「バイアグラは使用すると強制勃起状態になるので怖い」という内容のものです。 確かに強制勃起状態、つまりペニスが立ち続ける状態が継続するようであれば、 性行為中はともかく、その前後の社会生活が非常に難しいくなってしまいます。 また強制勃起状態は、いわばペニスの血流が低下している状態でもありますので、 その状態が継続する事は陰茎の組織にとっても望ましくありません、
しかしこのバイアグラを使用すると強制勃起状態になるというのは、 基本的には、本剤使用前のED患者さんにありがちな誤解の一つですので、 どうぞご安心下さいませ。
バイアグラはED/勃起不全を改善する薬剤ですが、その基本作用に強制性はありません。 本剤はED、つまり性行為をするにあたりペニスの固さが不十分である事が原因となって、 性行為が上手くいかない状態を改善する薬剤ですので、 その作用をわかりやすく表現すると「ペニスをED発症以前の状態に、その薬効が出ている間だけ戻す」 と言った感じが正しいかと思われます。
これは基本的に射精すれば通常のペニスの状態に戻りますし、 性欲を感じない状況でも強制勃起させる訳ではない事を示しています。
本稿では、バイアグラが強制勃起させるという誤解に関して、 詳細に説明させて頂いております。宜しければご参照くださいませ。
※その他、ありがちな誤解として「バイアグラは心臓の機能を低下させる」というものが有りますが、 これに関しては別項にて詳細な解説を加えております。宜しければご参照下さいませ。
⇒心臓に悪影響?
バイアグラ(シルデナフィル)が基本的に強制勃起になるような薬剤ではない事を解説するには、 バイアグラの薬効の出方を説明するのが直截と思われます。
バイアグラは血管拡張物質の作用をペニス局所で増大させることでペニスの血流を高め、 その結果としてED/インポテンツの改善効果が現れる薬剤です。 ちなみに「ペニスが立つ」という状態は実はペニスに血液がたまる事で成立します。 つまり水風船のように血液が海綿体に集まる事でペニスが膨らむのです。
ただしこの血管拡張の作用が出現するには脳の中枢からの指令、すなわち「性欲」が必要です。 性欲という情動が脳で発生する事で、ペニスを固くする指令が伝達されます。 実はバイアグラの仕事が始まるのはそこからになります。
細かく説明すると、 まず脳で性欲が発生し、その結果ペニスを固くせよという指令が送られます。 するとペニス側では、海綿体の血管を拡張する事でペニスに血液を集めようとします。 最も一般的かつ多数派なEDである血管性EDの場合、 この「血管の拡張」がうまくいかないのが主な原因ですが、 ここのタイミングでバイアグラの成分が血管の拡張を助ける事で、 重要なペニスへの血液の流入を進める事が出来るのです。
また特にバイアグラには中枢神経に働く作用は確認されないとファイザー社は報告していますが、 これはつまり性欲などを本剤が不自然に引き起こす薬剤ではない事を明確に示しています。
本剤はあくまでEDを改善する薬剤であり、強制勃起を引き起こしたり、 性欲を無理やり発生させるような作用は前提ではないのです。
前項にてバイアグラが基本的に強制勃起にならない理由を解説するにあたり、 バイアグラの薬効の出方を解説いたしました。
バイアグラの体内での作動には「性欲」という脳からの指令が必要であると上記しましたが、 逆に性欲がない状況、つまり真面目なビジネスシーンやお勉強などの状況ではどうなのでしょうか? 性欲がない、もしくは性欲が感じられない状況においては、このバイアグラは基本的にその作用を示しません。 と言う事は、性欲を感じられない状況でもバイアグラが強制勃起を引き起こす事は、 前提としては無い事になります。
また射精をした場合、これで性欲が解消されますので、 この場合もバイアグラが作用するにあたり重要な性欲が消失もしくは減少する事になるので、 基本的にバイアグラを服用しても、射精後のペニスは通常通り元の状態に戻ります。
このように「ペニスを固くする」事に対する総合的指令はペニスではなく脳が中心であり、 またバイアグラは脳などの中枢神経に対する作用がない事は、 ファイザー社によっても報告されている所ですので、 薬理動態的にバイアグラは前提としてペニスを強制勃起させるものではない事がわかります。
バイアグラはあくまで自然な性欲が前提に存在して作用する薬剤であり、 不自然に性欲を惹起して無理やりペニスを強制勃起させるような作用は、 バイアグラの薬効システムの前提ではありません。
ただしごく稀にバイアグラの副作用として強制勃起状態になってしまう事が報告されています。 この強制勃起は基本的なバイアグラの作用の話ではなく、 あくまでもごく稀な副作用としての強制勃起の話です。 この強制勃起状態になってしまう稀な副作用は医学的には「持続勃起症」と呼ばれています。
この強制勃起状態は非常に稀な副作用で、 どのくらい稀かと言うと、バイアグラの副作用リスト上、頻度不明と表現されるほどです。 この強制勃起になってしまう副作用は、 熱帯アフリカ系の人種に稀ながらも比較的発症しやすいともされていて、 その関係上、強制勃起に関する副作用の報告は日本より海外が主体のようです。
この強制勃起の副作用は性欲と無関係にペニスが立ち続ける状態になってしまい、 この場合はオルガズムに達して射精した後も、性欲の無い状態でも強制勃起状態です。 この強制勃起の副作用は一般的には4時間以上その状態が続く事が疾患定義の中心で、 日本人での発生例においては白血病などの血液の疾患がある方、 またバイアグラの用法用量を度外視した過剰服用をした方などが報告されています。 それ故に白血病などの血液疾患が有る方はバイアグラの慎重投与に該当しますので、 強制勃起の副作用を避けるためにも血液疾患をお持ちの方は受診される際に、 担当の医師にそうした罹病背景を必ず伝えるようにして下さい。 また、こうした強制勃起の副作用を避けるためにも、 バイアグラは規定の用法用量を必ず守るようにしましょう。
この副作用としての強制勃起が出現した場合は、泌尿器的な処置が必要になる場合があるので、 仮にバイアグラを使用している状況で性欲と無関係に強制勃起状態になってしまう、 射精しても強制勃起状態になってしまうという状況においては、 お近くの泌尿器科に早々にご相談される必要があります。
ただし重ねて申し上げますが、この副作用としての強制勃起はとても稀ですので、 上記の血液疾患に該当されない方やバイアグラの用法用量をキチンと守られている方は、 前提としてこれを危惧する必要性は高くはありません。
当新宿ライフクリニックはカルテの登録のあるED患者さんで1万8千人ほどですが、 当院で処方したバイアグラが原因となって、この副作用としての強制勃起状態になったという話は、 未だお伺いした事がありません。
バイアグラは主にセックスに運用する薬剤のせいか、前提として誤解の多い薬剤です。
「バイアグラを使用すると前提として強制勃起になる」
こうした誤解は強制勃起以外にも「バイアグラを使用するとベースの性機能が弱体化する」 など様々なバリエーションがあります。
こうした誤解の多くはバイアグラが非常に有名な薬剤であるにも関わらず、 その正確な情報は処方箋医薬品という立場上、 一般のテレビや新聞などの情報媒体で提示しにくいという、 情報的にアンバランスな立場に起因している事が多いです。
正確なバイアグラに関しての情報は、 当新宿ライフクリニックのような保健所認可の正規ED治療施設、 もしくはバイアグラで言う所のファイザー社など開発・生産元でもらう事が出来ます。 逆に言うと、これ以外の情報ルートは正確さに欠く事があり、 参照する場合十分な注意が必要です。
新宿ライフクリニックは「バイアグラは強制勃起させる」など製剤に関しての誤解の払拭に積極的です。 バイアグラに関しての心配や疑問のある方は、 ぜひとも東京は新宿駅前、新宿ライフクリニックにご来院下さいませ。
(記載:日本性機能学会専門医-須田隆興)