花粉症用剤との飲み合わせ

バイアグラは花粉症の薬との併用は基本的に問題ありません。



バイアグラ一緒に使用しても平気?」

バイアグラの花粉症の薬との併用は基本的に大丈夫です。


<当ページの項目リスト>

  1. 【バイアグラ 花粉症の薬との併用】
  2. 【処方される事の多い花粉症の薬】
  3. 【薬理作用面からの解説】
  4. 【バイアグラには鼻づまりの副作用があります】
  5. 【飲み合わせに関してご気軽にご相談下さい】

1.【バイアグラ 花粉症の薬との併用】

バイアグラと花粉症の薬との併用が大丈夫かを心配される方がいますが、 基本的に花粉症に対して処方を想定される薬剤とバイアグラの併用は問題ありません。 しかしバイアグラには低頻度で鼻づまりの副作用が報告されているので、 花粉症によって鼻づまり感が強い時には、バイアグラは使用しない方が望ましい側面もあります。


春と言えば花粉症のシーズンですね。 当新宿ライフクリニックでもバイアグラ処方に当たっては、 花粉症の薬剤との併用が大丈夫か心配になられる方も多く、 実はよく頂く質問の一つでもあります。
花粉症は日本でも最大多数派疾患の一つです。 なんとその患者数は推定3300万人とも言われており、その患者数は高血圧の患者数に迫るほどの勢いです。 それゆえに各製薬会社にとっても花粉症の薬はメジャーコンテンツとして力を入れている傾向があるようです。
そんな超多数派疾患の花粉症の一方、 ED/勃起不全も日本人男性の1100万人強に発症しているとされる多数派疾患ですので、 花粉症の薬を飲んでいる方がバイアグラの使用を検討する状況は比較的頻度が高いと言えます。


しかしバイアグラには低頻度で出現する呼吸器系の副作用として鼻づまりや鼻炎がある関係上、 「バイアグラと花粉症の薬は併用が出来ない」という誤解も生まれやすいようです。 この本剤の副作用としての鼻づまりに関しては詳しくは後述しますが、 少なくとも本剤と花粉症の薬として標準的に処方されている薬剤との飲み合わせは、 基本的に問題ないと思われます。
本稿では、こうした花粉症の薬とバイアグラの飲み合わせに関して詳しく記載してあります。 宜しければお読みくださいませ。


※バイアグラの普段の生活への影響を心配されている方もいますが、 これに関しては別項にまとめてありますので、 宜しければ見てみてください。
普段の生活への心配


2.【処方される事の多い花粉症の薬】

バイアグラとの併用を検討する必要のある、花粉症に対して標準的に処方されている薬剤は、 大きく5種類になります。

  • ヒスタミンH1拮抗薬
  • メディエータ―遊離抑制薬
  • ロイコトリエン拮抗薬
  • フルチカゾンフランカルボン酸エステル
  • クロモグリク酸ナトリウム

などが代表的に花粉症に対して医療施設より処方される事が多い薬剤です。 上記の1.2.3.は内服の抗アレルギー薬で、 4.は点鼻薬、5.は点眼薬になり、 これら、またこれらの類型薬品を組み合わせて、 病状に合わせて運用するのが、現在の標準的な花粉症治療です。


これら花粉症用の薬剤の添付文書、ならびにバイアグラの添付文書の記載上は、 お互いにお互いの薬剤を併用禁忌や併用注意つまり、 併用してはいけない、もしくは併用するのに注意が必要な薬剤とは指定していません。 つまり各薬剤の開発元・製造元の会社の認識上はこれらの併用は問題ないとされている事になります。


3.【薬理作用面からの解説】

花粉症の薬のカテゴリーはさておき、 薬理作用的にバイアグラが併用できない、 もしくは本剤が併用し難いという薬剤は大きく3種に分けられます。

  • 《併用すると降圧作用が強く出てしまう薬剤》
    これは冠動脈拡張薬や降圧薬が該当しますが、 こうした薬剤の系統はバイアグラと併用すると、 降圧作用つまり血圧を下げる作用が通常よりも強く出てしまう事があります。 高血圧に使用される降圧薬に関してはバイアグラとの併用は注意しながらという前提で使用可能ですが、 ニトロ系を主体とした冠動脈拡張薬は禁忌指定として、 絶対にバイアグラとの併用が出来ない薬剤として指定されています。 今回の主題の花粉症の薬剤に関してはいずれも降圧作用は基本的に無いので、 このカテゴリーには該当しません。ご安心下さい。 なお「バイアグラは心臓に悪いのか?」というご質問を頂く事が多くございますが、 これに関しては別項にて詳述しておりますのでご参照くださいませ
    心臓に悪影響?

  • 《バイアグラの代謝経路に影響する薬剤》
    バイアグラはチトクロームP450・3A4という物質によって主に代謝され、無力化されます。 この代謝経路に影響を与えるチトクロームP450阻害薬やチトクロームP450誘導薬がバイアグラに併用されると、 バイアグラの血中濃度が望ましくないレベルに増加してしまったり、 また本剤の薬効が示されないほどの血中濃度低下が出現してしまう事があり、 こうした影響は併用される側の薬剤にも出現する可能性があります。 ゆえにこれらはバイアグラの併用注意薬剤として指定されていますが、 一般的にチトクロームP450阻害薬は代表的には胃薬や抗生物質、抗HIVの薬剤の一部があり、 またチトクロームP450誘導薬には抗真菌薬の一部などが含まれます。 今回の主題の花粉症の薬に関してはこうした代謝系との関連は希薄なので、 こうしたカテゴリーには該当しません。ご安心下さい。

  • 《併用すると望ましくない心電図変化が出てしまう薬剤》
    バイアグラと併用すると望ましくない心電図変化が出現してしまう系統の薬剤があります。 これは機序自体は不明なのですが、併用でこうした状態を引き起こし得るのが、 心電図変化への影響がもともとある抗不整脈薬の一部であり、 こうした心電図変化への作用自体が、今回主題の花粉症の薬に関しては希薄なので、 このカテゴリーにも花粉症の薬は該当しません。ご安心下さい。

以上をまとめますと薬理作用面から検討しても花粉症に一般的に処方される薬剤は、 とくにバイアグラとの併用上問題があるとは言えず、 安心して花粉症の薬剤と本剤は併用可能と言えます。
ただし、次項で記載しますが花粉症の薬剤とはまた別問題として、 花粉症による鼻づまり自体は軽度であった方が、 バイアグラを使用しやすいと本剤の副作用面からは言えます。


4.【バイアグラには鼻づまりの副作用があります】

上記にて各製薬会社の報告から、 またバイアグラの併用薬との薬理面の解析から、 バイアグラと花粉症の薬剤との併用は問題ない可能性が高く、 安心して併用する事ができると解説させていただきました。 しかし、花粉症の薬剤に関してではなく、 花粉症自体の病状としてバイアグラの服用が難しいケースがあります。


じつはバイアグラには0.1%未満に出現する可能性のある副作用として鼻づまりや鼻炎があります。 例えば、花粉症の薬によるコントロールがうまくいっていない状況で、 花粉症による鼻づまりがひどい時があったと仮定します。 こうした状況でバイアグラによる副作用として鼻づまりが出現してしまったら、 花粉症の鼻づまりがさらに増悪してしまう事が危惧されます。
それゆえに、普段、バイアグラを使用していて鼻づまりの副作用が出やすい方に関しては、 花粉症の時期は本剤の使用するタイミングは慎重になられる必要があると思われます。
ただ重ねて申しますが、花粉症の薬と本剤自体の飲み合わせに関しては問題ありません。


5.【飲み合わせに関してご気軽にご相談下さい】

花粉症の薬とバイアグラのように、 日常で使用する薬剤とバイアグラの飲み合わせが心配になる事は間々あると存じます。
しかしバイアグラにしても病院で処方される花粉症の薬にしても、 どちらも処方箋医薬品なので、 患者さんのお手元の情報が希薄な状況が多々あると思われ、 患者さんにしても、 どこでこれらの飲み合わせが安全かを聞いたらよいのか困ってしまう状況が想定されます。


当院、新宿ライフクリニックは新宿トップクラスのED治療施設にて、 専門的立場からこうした疑問にスムーズに対応する事が出来ます。 当院は内科専門医、糖尿病専門医、循環器専門医、 アンチエイジング専門医が所属する機能性の高い医療施設ですので、 対応できる質問の幅も一般的なED専門クリニックに比較して広いと自負しております。
バイアグラと他の薬剤の飲み合わせに関してお困りになる事がありましたら、 ぜひ東京は新宿駅の目の前、新宿ライフクリニックへお尋ねくださいませ。
(記載:日本性機能学会専門医-須田隆興)