ED(勃起不全)を予防するために実践できる何かあるのでしょうか?
日本性機能学会専門医としてお答えすると、 男性は皆、加齢に応じてEDになりますが、予防的な対応を実践する事で勃起不全の発症を遅らせる事は十分に可能かと思われます。
EDとは、男性は皆、加齢などに応じていずれは発症してしまう宿命的なお病気と言えますが、実の所、遅く発症する人もいれば早く発症する人もいます。 しかし、なぜに同し年齢なのにEDを発症している人と発症していない人がいるのでしょうか? それはEDが加齢だけでなく、実は全身の状態を反映して発症する多因子な疾患だからです。
発症条件が揃ってしまえば若くても発症しますし、そうした条件が一切なければ年齢を重ねて行ってもなかなか発症しない事も有ります。 そうした発症条件を分けるのは、ほとんどのケースにおいては日々の生活の中で、それまでに、その人が、予防のために、何を、実践してきたかです。
モデルケースとして、私自身についてお話ししますと、 私は新宿ライフクリニックの院長で、2022年8月23日現在で48歳、日本性機能学会専門医になります。 正直に申し上げて、現在、私にはED:勃起不全症の傾向は、全くありません。 それは、私自身が日本性機能学会専門医としてEDを予防するために、また勃起不全の発症を遅らせるために、 実践している 『4つの事』 が大きく影響していると考えています。
今回は、私が日本性機能学会専門医としてEDを予防するため、勃起不全の発症を遅らせるため、日々実践している、
この 『4つの事』 をみなさんにご紹介させて頂ければと存じます。
宜しければご一読下さいませ。
<当ページのもくじ>
EDを予防するため、勃起不全の発症を遅らせるために、私が日本性機能学会専門医として実践している4つの事、 最初にご紹介しますのは、日々の 『食事の調整』 についてです。 こちらでは煩雑なカロリー計算などははっしょって、 勃起不全の発症を遅らせるために目標としている食事を概念的にご紹介します。
私がEDを予防するため、日本性機能学会専門医として実践している食事の調整は、 まずは 『生活習慣病を発症しにくい食事内容』 を目標にしています。 具体的には塩分を控えて高血圧を予防する、おかずを多品目にして糖質の割合を下げ糖尿病を予防する、飽和脂肪酸の多い食材を避けて脂質異常症を予防する、 といった感じで生活習慣病予防の観点から勃起不全の発症を遅らせるための食事内容の調整をしています。
これは何故かと言うと、 加齢以外のED発症の原因のほとんどが生活習慣病に由来するからです。 当院でもEDで受診される方のほとんどが高血圧など、生活習慣病の加療をすでに受けられている方で、 服薬歴として記載させて頂いている内容のほとんどが、 降圧薬であったり抗糖尿病薬、脂質異常症治療薬であったりします。
あとは食事の調整上、極端な糖質制限など、偏った内容にはならないようにしています。 亜鉛のような微量元素も性機能を調整する重要な栄養素になりますが、 激しく偏ったお食事はこうした微量元素の局所的欠乏を招くケースがあると思われ、 やはり食事は栄養も含めトータルバランスのとれたものを取るように心がけています。
むろん肥満症もEDの強力なリスクファクターなので、 総合的なカロリーも抑えて食事をするよう気を付けてます。
こうしたEDの予防を意識した食事内容を聞いていると 「なんか食事を楽しめなさそう」 と感じられる方もいらっしゃるかと思われますが、 日本性機能学会専門医として私は 「食事は特に、毎日が、楽しくなくても良いかな?」 と考えています。 『日常』 においては勃起不全の発症を遅らせるため、考えられた粗食を実践し、 家族や友人と外食などするような 『ハレの日』 は正直、 上に書いてあるような事は全く考えず、全力で食事を楽しんでいます。
私は、総合内科専門医としても 『過ぎる日常の我慢はいつかはじけてしまう』 と考えて診療しています。 時に食事が美味しく楽しい時間があった方が、 むしろ食事への工夫、この場合はEDを予防するために、あるいは勃起不全の発症を遅らせるために実践している食事の調製ですが、 こうしたものはより長続きできると考えています。
EDの予防を考えて、私が日本性機能学会専門医として日常の中で実践している事、 続いてのご紹介は 『運動』 についてです。こちらも運動量やMETsなど煩雑な計算は端折って、 私が勃起不全の発症を遅らせる事を目的として、行っている運動についてを概念的に説明いたします。
EDを予防するために私が日本性機能学会専門医として実践している運動とは、ズバリ持久力運動、ランニングになります。
ランニングと聞いただけで、うんざりした気持ちになる方もいらっしゃるかと思われます。
自分も昔はまさにそうでした。
以前はダイエットも食事調整主体、トレーニングはしても筋トレ主体と、昔は私も持久力運動から逃げ回っていました。
しかし、今では自分にとってランニングの時間はとても大切な時間で、ある意味、娯楽に近いものですら有ります。
そして、ランニングは勃起不全の発症を遅らせるために実践している事の中でも、
現在では基幹に相当するものと考えています。
適切な持久力運動には、上述した適切な食事と同様に、 勃起不全の一大原因である生活習慣病の発症を防ぐ、明確な効果が有ります。 また、運動不足自体も、明確なEDのリスクファクターの1つなので、 運動不足の方への持久力運動の導入は、生活習慣病を防ぐ事でEDを予防するという間接的な効果以外にも、 ダイレクトに勃起不全の発症を遅らせてくれるという、直接的な効果も期待できます。
私が日本性機能学会専門医としてEDの予防を意識して、実践しているランニング内容とは、 具体的に言うと、一日おきにジムのルームランナーで1時間ほど走るというものになります。 もちろん最初からいきなり1時間走れるようになったわけでは有りません。 ランニングを始めた頃はせいぜい10~20分走るのが限界でした。
なぜ屋外のランでは無く、屋内のルームランナーなのかと言うと、 1つは雨風など環境の影響を受けないのでスケジュール通り、定期的に行いやすい事、 次に正確な心拍・距離・スピード・傾斜・時間を把握する事が出来るので、 非常に微少な単位で距離やスピードなどを調整・発展させられる事、 この二つが主な理由になります。 また動画を見ながら走れる所も理由として大きいです。
なぜ一日おきなのかと言うと、毎日走っていた時期もあったのですが、40歳台にもなると、 毎日関節に負荷を与えていると、膝や腰などどこかしらに不具合が生じてくるので、 運動と関節の安息を一日交替で行う様になりました。
最初は、いやいや実践していたランニングには、勃起不全の発症を遅らせる以外にも、 様々な喜ばしい効果がありました。 ウェストが細くなり、活動的になり、くよくよ悩む事も減りました。
また運動以外に行っている、EDを予防するために実践している事を、運動がサポートしてくれるようになりました。 例えば、上記した 【食事の調整】 に関しては、うっかり食べ過ぎてしまった時、 運動によるカロリー消費が手助けをしてくれます。 また後述する精神衛生に関しては、 運動によるストレスコントロールが手助けをしてくれています。
持久力運動は厳しい内容で始めてしまうと、数日は続いても、どこかで「忙しさ」など『できない理由』を探し始めてしまい、 最終的には継続できない事の方が多い気がします。 私は最初はむしろ周囲が思わず笑ってしまうような遅いスピード・短い時間で始めた方が、 最終的には長続きし、結果として勃起不全の発症を遅らせる事に成功しやすいのではないかと考えています。
私の日本性機能学会専門医としての自己経験上もそうで、
自分の場合、最初のランニングは居合わせた友人に 「歩いているの?」 と笑われていました。
その時はとても恥ずかしかったですが、
現在では、その友人はとうに定期的な運動をやめており、近年、勃起不全を発症し、ED薬を処方されるようになりました。
本当に 『継続は力なり』 だと実感しています。
ED予防のために日本性機能学会専門医として実践している事、 続いてのご紹介は 『体重の調整』 についてです。 こちらも身長からの適正体重の計算など煩雑な内容は端折って、 私が勃起不全の発症を遅らせる事を目的として行っている体重の調整に関して、 概念的に解説いたします。
正直申し上げて、EDで受診されている方は、ぽっちゃり型もしくはお腹がぽっこりの方が圧倒的な多数派です。 ほっそりとされているのにEDである方もいるにはいますが、決して多くは有りません。
日本性機能学会専門医で有る自分も、実は一時的に勃起不全だった時期が有ります。 およそ10年程前、自分は現在64kgの体重が、当時は90kg以上もありました。 遠目にもわかるぽっちゃり型で、急激に太った事が影響して膝や足首を痛めてしまった事もありました。 その頃は性的興奮があっても思うように勃起せず、また生活習慣病など明かな他のリスクファクターがなかったので、 状況的には急激に太った事を原因として発症したEDであったと思われました。
肥満は明確なEDのリスクファクターであり、また高血圧や糖尿病、テストステロン低下、
など他のEDリスクファクターを二次的に引き起こすという、EDへの多岐に渡る悪影響を呈します。
一方で多岐にわたりEDを予防してくれる、上記 『運動』 とはまるで真逆の状態と言えます。
ただ、適切なダイエットの実践によるこの 『肥満』 の改善には、EDを改善するという明確な根拠が有りますので、
体重の調整はまさに勃起不全の発症を遅らせるために実践すべき事の中心に存在しています。
自分の場合、EDの予防を目的とした最初の体重調整は、リバウンドの予防もあり、また体に負担の多いダイエットはしたくなかったので、 1~2ヶ月に1kgくらいの体重減少を目標にゆっくりと、食事・運動の調整を実践していきました。 その内容とは、まさに上記 『食事の調整』『運動の導入』 に記載させて頂いたものです。 1年ほどかけて10kgほど体重が減った頃から、段々とEDが改善し始めました。 以降9年、現在の48歳に至るまでEDは一回として確認されていません。 客観的にこの状況は、継続した体重の調整によって、 加齢性の勃起不全の発症を遅らせる事に成功していると思われました。
つまりED予防のために日本性機能学会専門医として実践している 『体重の調整』 とは、 まさに上記の『食事の調整』『運動の導入』 による二次的な影響によってなし得ているものと言えます。 また勃起不全の発症を遅らせるために行っている体重の調整上、 とても大切な事として 『毎日体重計に必ず乗る事』 が有ります。 不思議なもので、体重計に乗らなくなると自分の体重への関心が段々と下がっていき、 食事の調整や運動の導入などの実践度が低下していきます。
日本性機能学会専門医として、毎日体重計に必ず乗る事は、 EDの予防上、是非とも実践して頂きたい事の1つとも言えます。
ED予防するために日本性機能学会専門医として実践している4つの事、 最後のご紹介は 『精神衛生』 についてです。 こちらも心理療法など技術的なものでなく、 私自身が、勃起不全の発症を遅らせる事を目的として行っている精神衛生について概念的に解説をさせて頂きます。
現代社会で生きる我々にとって、業務や人間関係で発生するストレス、 また様々な事象に対して感じる抑うつ気分の発生は、 我々の生活とは切っても切り離せないものが有ります。
実はこうした心理的・情緒的な要素もまた、明確なEDリスクファクターの1つであり、 勃起不全症の発症契機になります。 つまり精神衛生の実践は、こうした心理的・情緒的な要素を改善させる事で、 勃起不全の発症を遅らせてくれる非常に大切なアクションでも有るのです。
しかし一言に精神衛生とは言っても、 精神は食事のように目に見えるものでは無いので、 その実践においては具体性を感じにくいものだと思われます。
そこでコチラでは、日本性機能学会専門医としてEDを予防するために、 私自身が実際に、日常の中で実践している精神衛生に関して、概念的に、ご紹介をさせて頂きます。
実は、ストレスに伴う動悸や呼吸苦などの症状は、自律神経を介してやって来るもので、 それによって我々のストレスをさらに大きくしてしまうと言った、 悪いスパイラルを形成してしまう事が有ります。
この自律神経に対して我々が能動的にアプローチ出来る、もっとも具体的かつ簡便な方法が 『呼吸のコントロール』 です。 呼吸は自律神経が支配するものでもあり、また我々が能動的にコントロールする事もできる、 自律神経と、我々の能動性との一種の折衝点になります。
キチンとした呼吸法には自律神経を穏やかになだめ、ストレスやそれに伴う動悸や呼吸苦などの症状を緩和してくれる力が有ります。 具体的には、私が日本性機能学会専門医としてED予防を目的として、 実践している精神衛生の一環として 『ヨガの完全呼吸法』 が有ります。
詳しい方法などはweb等でプロの方の指導を見て頂いた方が良いかと思われますが、 概要としては、この呼吸法は腹式の呼吸からゆっくり始めて、段々と胸郭の呼吸につなげていくもので、吸気そして呼気はどちらもとてもスローにそして深く行います。 自分の今までの工夫としては、ネットなどで教示されている方法より、心持ち呼気を長めにした方が、自分にとっては効果的なように思われました。 このように基本を把握した上での個人個人でのアレンジメントはむしろ望ましいものと思われます。 また、こうした呼吸法は、できたら寝っ転がってやられた方が効果的です。
またストレスや抑うつ気分の源が、対人関係などではなく、業務内容に関連したものである場合、 自分が日本性機能学会専門医として勃起不全の発症を遅らせるために、具体的に実践している精神衛生としては、 徹底的に現状で出来るその事象に対する対策を、まさに考え得るかぎりPCなどに打込みまくり文書化する事です。 キータッチが苦手な方は勿論紙に書きまくる形でも有りかと思われます。
このように考えられる事を徹底的にPCや紙などにアウトプットしておくと、 脳内にストレス源、この場合は業務内容の悩みなどを置いておく必要が無くなるので、 一回脳内からそれを外しやすくなり、精神を休ませやすいかと存じます。 また文書化する事で事象の客観性が上がり、それに対して気持ちが引っぱられにくくなります。
個人的に良くないと思っているのは、集中せず中途半端に脳内だけで対策をぐだぐだと考える事です。 打込む・書くという面倒は省けますが、 結果としては、長時間に渡って精神も安まりませんし、不眠の原因にもなります。
また自分の主観では、精神の中で発生したストレスや抑うつ気分を、精神の力だけでコントロールするのは難しい様に思われます。 ほとんどの方はストレスや抑うつ気分が発生すると、活動を止め、考えこんでしまうように思われますが、 つらくても、こうした時は、外に出てしまったり、あるいは運動などをした方が、 精神の中で発生したストレスや抑うつ気分を外部要因から調整しやすくなるように思われます。
自分の場合、日本性機能学会専門医としてEDを予防するために実践している精神衛生の一環として、 上記 『運動の導入』 に記載されております、ランニングが有ります。 最近ではむしろストレスや抑うつ気分に遭遇した場合、「今日は終業後、ランニングにいかなくちゃ」 と思うようになっており、 メンタルマネジメントの柱としてもランニングが機能している状況です。
以上、EDを予防するために、私が日本性機能学会専門医として実践している4つの事、 『食事の調整』 『運動の導入』 『体重の調整』 『精神衛生』 をご紹介させて頂きました。 宜しければ、勃起不全発症を遅らせるための方策として、ご参考にされて下さい。
ただし、こうした工夫でも回避できないED原因ももちろん有ります。 原因としては多数派では有りませんが、 外傷や手術、高血圧、下部尿路症状、加齢、神経疾患、また生活習慣ではなく内分泌的な問題で発生している糖尿病などがそれです。
これらに対しては、それぞれ個別の対応が必要かと思われますので、
どうぞ、おかかりの専門医にご相談されますようお願い申し上げます。
(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医・総合内科専門医:須田隆興、最終確認日:2022-08-23)
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