なぜ危険な偽造ED薬を使用する人がいるのでしょうか?
そこには日本人がネットでニセモノの勃起改善薬を購入するいくつかの理由が有ります。
その理由とは主に 『入手が簡便』 『匿名性が高い』 『価格表示がシンプルで安い』 の三つです。
現在、日本における偽造ED薬の市場規模は、厚生労働省認可の正規勃起改善薬の約2.5倍もあると報告されています。 勃起改善薬は医師が処方しなければならない 『処方箋医薬品』 なので、 前提としてネット上で売買する事は法律で禁止されており、 それ故に、ネット上で売買される勃起改善薬は、そのほとんどがニセモノです。
そして、これらニセモノのED薬は、そのほとんどが海外の不衛生な環境で、薬剤の知識の無い人が、製品のテストをせずに販売しているので、 実の所、健康被害が発生する可能性がとても高いです。
シンガポール厚生当局の報告では、偽造ED薬によって死亡・昏睡・重症の症例がそれぞれ報告されており、 また日本の奈良県薬務局などの報告でも、間質性肺炎発症による死亡例や脳血栓症発症による重症例など、複数の健康被害報告が上がっています。
なぜ人々は国内で正規流通するED薬でなく、このように危険なニセモノの勃起改善薬を使用するのでしょう?
それには 「自分はきっと大丈夫」 という正常性バイアス (時に災害時などで逃げ遅れる原因となる「自分は大丈夫」という思い込み) が働いているのと、
偽造ED薬における 『入手が簡便』 『匿名性が高い』 『価格表示がシンプルで安い』 などの三つの理由が影響していると思われます。
本稿では日本性機能学会専門医が、日本人がネットでニセモノの勃起改善薬を購入してしまう、これら三つの理由に関して、 わかりやすく解説させて頂いております。 宜しければご一読下さいませ。
<当ページのもくじ>
なぜ日本人はネットで、危険なニセモノの勃起改善薬を購入するのでしょう?
解説をさせて頂く、最初の理由は 『入手が簡便』 である事です。
日本における偽造ED薬の流通において、価格と購入量への影響を需要と供給のそれぞれの曲線から経済学的に分析した研究では、 日本人のユーザーの認識において、健康被害のリスクはその入手簡便性よりも明確に過小評価されていたとの事でした。
もともと勃起改善薬は心臓の疾患などによっては服用が危険な場合も有るので、 必ず医師の判断の下に処方されるようになっています。 その為、正規の手段で入手するには、保険外診療に対応した医療施設に行って、 EDの診断を受けた上で、医師に処方してもらうと言った手間を重ねる必要が有ります。
一方、ネットで偽造ED薬を購入する際は、前提として薬機法違反にはなりますが、 複数回のクリックとカード情報 ・ 個人情報の入力だけで全てが済みますので、 入手は、上記した正規の手段に比べてはるかに簡便です。
人々は、前述した正常性バイアスにより 「自分は偽造ED薬を使用しても大丈夫」 と思い込み、
健康被害のリスクを軽視してしまう事で、
面倒な 『正規の手段』 でなく、こうした 『入手が簡便』 な方法を、ついつい選択してしまうのでしょう。
こうした 『入手が簡便』 である事は日本人がネットで危険なニセモノの勃起改善薬を購入してしまう、
大きな理由になっていると思われます。
でも思い出して見て下さい。
その来歴不明なニセモノの勃起改善薬は、
頻度が少ないとは言え、複数の国で死亡例が報告されているものです。
こうした健康へのリスクは、本当に 『入手の簡便さ』 と引き替えにしても良いものなのでしょうか? 健康を失ってから後悔する事になるのではないでしょうか?
どうして日本人は危険な偽造ED薬をネットで購入するのでしょう?
解説をさせて頂く二番目の理由は 『匿名性が高い』 事です。
正規の手段で勃起改善薬を入手するには、上述したように、保険外診療のクリニックに出かけて、医師に会い、処方して貰う必要が有ります。 処方希望者は、この過程で少なくとも病院の受付と医師に、ご本人のお顔をさらす事になります。
一方、ネットでニセモノの勃起改善薬を購入する場合は、誰かに顔をさらす事も無く、 PCもしくはモバイル上の入力作業だけで事を完結できます。
EDというプライバシー性が高いお病気においては一見 『匿名性が高い』 と感じられる後者、
つまりネットでの購入を選びたくなってしまう気持ちは理解できます。
インターネットにおける売買の 『匿名性が高い』 と感じられる状況は、
日本人が偽造ED薬を使用してしまう大きな理由の一つになっていると思われます。
しかし冷静に考えてみて下さい。
ネットでニセモノの勃起改善薬を購入する場合、着払いにしたらご本人の住所が、郵便局留めにしたとしてもご本人のクレジットカード情報が、
あるいはご本人のPC/モバイルのIPアドレスが、
薬事法を無視するようなイリーガルな集団の手に渡ってしまいます。
お顔こそさらしていませんが、こうした状況は今後の二次的なトラブルが危惧されます。
一方、保健所に正式に認可されている医療施設にて、 法的な守秘義務をもつ医療関係者に、 お顔を見られる事は、 たとえ一時の気恥ずかしさがあったとしても、 今後のトラブルを心配する必要は全く有りません。
遵法精神も守秘義務もないアウトローに個人情報が漏れる事は、 はたして本当に 『匿名性が高い』 と言える状態なのでしょうか?
どうして危険なニセモノの勃起改善薬をネットで購入する日本人がいるのでしょうか?
解説させて頂く最後の理由は 『価格表示がシンプルで安い』 事です。
病院の請求額は事前に分かり難いイメージが有りますよね。 特に保険診療では複雑な請求書を貰って始めて、お財布から出すべき金額がわかる事も少なくないと思います。 一方、偽造ED薬はネットで購入する事がほとんどなので、 一般のネットショッピング同様にその価格表示はとてもシンプルで分りやすいと思われます。
また受診される施設によっても変わってくると思いますが、 正規流通の勃起改善薬に比べると、 ニセモノの勃起改善薬は表示価格が割安の場合が多いかと思われます。
このように正規の医療施設に比べて、
ネットにおける偽造ED薬販売サイトの方が 『価格表示がシンプルで、安い』 という長所は否めません。
こうした 『価格表示がシンプルで、安い』 事は日本人がネットで、ニセモノの勃起改善薬を購入する大きな理由になっていると思われます。
しかし、本当に偽造ED薬は勃起の改善効果があるのでしょうか?
そもそも、ほとんどの偽造ED薬は、薬効が全く無いか、あったとしても、
その薬効は正規流通の勃起改善薬には遠く及ばません。
これには理由があり、ニセモノの勃起改善薬はその製法上、正規流通のED薬を砕いたものを混ぜ込んで作っているものが殆どなので、
正規流通の薬剤の方が含有する有効成分が多く、効果も高くなります。
偽造ED薬は 『価格表示がシンプルで安い』 かも知れません、しかし機能が低い事が多い為に、
まさに 『安物買いの銭失い』 になる事が多々有ります。
また病院における保険診療の請求内容は複雑だとは思われますが、
実は保険外診療のEDクリニックの請求はシンプルな事の方が多いです。
当新宿ライフクリニックを始め、ED専門クリニックの請求は、
初診料・再診料などを薬剤代金以外を請求する所はとても少なく、
基本的には薬剤代金のみが請求されるため、
その請求内容はシンプルな事が多く、事前に支払額を推測できる施設の方が多数派です。
( 施設によっては薬剤代金以外を請求する所もありますので、
ご来院前にホームページなどで請求体系をご確認下さいませ。 )
以上、なぜ危険な偽造ED薬を使用する人がいるのか?
日本人がネットでニセモノの勃起改善薬を購入する三つの理由に関して解説させて頂きました。
偽造ED薬を選択する理由のいくつかは、男性として理解できるものは有ります。 しかし、どうしてもイリーガルな薬品には健康被害のリスクがついて回ります。
大前提として、ご自身の健康や生命は、 勃起改善薬の入手利便性や安さと引き替えには出来ません。 勃起改善薬は何卒、正規の手段で処方された正規流通品をご利用下さいませ。