レビトラは反復投与 における安全性が確認されている薬剤です。 用法用量をキチンと守って使用する分には、 1ヵ月間の長期反復投与も問題なかったと開発・生産元のバイエル薬品株式会社が報告しています。
年齢を重ねて発症するED=勃起不全は実質的に「不治の病」と言えます。 レビトラなどの勃起改善薬で一過性に機能が改善したとしても、 現状の医療技術で完全に10代.20代.の性機能に戻す事は難しいと言えます。
もともとEDは原因が多数集まって発症する傾向のある多因子疾患です。 こうした原因の中で強く大きなものとして「加齢」があるのですが、 「加齢」による肉体の変化はある意味とても自然な事であり、 EDの原因治療的に「加齢」した体を「治す」事は極めて難しいです。
男性の性機能が一番充実している時期を15~20歳くらいと考えたとして、 例えば医学的に40歳の男性の肉体における 「加齢」的要素をこの時期のレベルに戻す事ができるかと申しますと、 それは現段階では未来に紡ぐべき「夢の医療」です。
諸説ありますが、我々のご先祖である縄文人の平均寿命は30歳台くらいだったとされており、 時代を遡っていけば我々の寿命はより短かったと思われます。 また、これも諸説ありますが人類の誕生から10万年ほど経過しているとも言われており、 一方、縄文人が3000年前までいたとされているので、 我々の寿命が驚異的に伸び始めたのはざっと人類誕生からの時間経過における、 たった3%分の時間の間と言う計算になります。
つまり自然界の生命体としての我々はもともと現在ほどには、 長く生きる事を前提としてされてなかった可能性が高く、 また現代の我々は、 ご先祖の平均寿命をはるかに超えて40歳代でも妊娠・出産をしている状況ですが、 こうした年齢での性行為もまた自然界の生命体としての我々は、 前提としてされていない可能性が高いです。
しかし性行為は現代社会において「生活の質=QOL」と密接な関わりがあるとされており、 生殖を抜いて考えたとしても、性行為は社会生活上非常に大切な生理的行為です。
現在、この日本には1100万人強のED患者さんがいるとされており、 男性人口の約1/6という非常に高い頻度にて、 当新宿ライフクリニックのような多数のED患者さんを擁するED専門治療院においては、 30歳代でEDに悩む患者さんの来院はまったく珍しいものでは有りません。
仮に30歳代でレビトラを使用し始めたとして、 現代人の性交可能年齢は非常に高くなってきている関係上、 また上述した様に加齢性のEDが「不治の病」ある意味人類にとって宿命的な疾患である、 という前提においては、 その後、数十年という長期にわたりレビトラを反復投与する可能性もあり得ます。
故にレビトラなどの勃起改善薬は、 その長期的安全性や反復投与に関する安全性の検討が非常に大切と言え、 新宿ライフクリニックにご来院される患者さんの中にも 「レビトラを長期に反復投与しても大丈夫かな?」 という心配を抱く患者さんも少なくありません。
そこでこうした心配に対応すべく、 本稿においてレビトラの反復投与の安全性のお話を軸に、 皆様に詳細なインフォメーションをさせて頂きたいと存じます。
本稿では
とレビトラの反復投与に関して4項目に分けて記載しております。 どうぞご閲覧下さい。
レビトラの開発・生産元であるバイエル薬品株式会社では、 レビトラの反復投与に関して実際的な試験を施行しており、 その反復投与の安全性に関してきちんと検討しています。
この試験は健康な成人男性の43例に、 レビトラを毎日40㎎(レビトラの1日使用上限量が20㎎なので使用上限量の2倍です)を14日間、 また毎日20㎎または40㎎を1ヵ月間、 また2日に1回40㎎を1ヵ月間、 反復投与し続け、その安全性を検討しております。
この結果としては、このように多量・高頻度にレビトラを反復投与しても、 レビトラの血液中の濃度は、 反復投与した場合と一回だけ投与した場合とでほぼ変わら無い事が判明し、 またこうした多量・高頻度のレビトラの反復投与をしたとしても、 そのレビトラの成分の肉体への蓄積は明らかなものは見られなかったとの事です。
つまり試験の結果を端的に申し上げると毎日レビトラを反復投与しても、 それはレビトラを一回だけ飲んだ状況とほぼ変わらなかったと言う事になります。
レビトラの反復投与の試験的検討は安全性が高いという事を記載させて頂きましたが、 それではレビトラの販売後の安全性に関する経過はどうでしょうか?
よく患者様の中には「新しい薬は出てからしばらく経っているいる方が安全」 という事をおっしゃる方がいます。 確かに処方箋医薬品はその発売までにその安全性に関して何重もの検討が重ねられていますが、 その検証した人数は、発売後にレビトラを使用する人数には遠く及びません。 仮に発売までに安全性に関して十分な検討を重ねていても、 発売後に多数・多様な患者さんがその薬剤を使用する事で以外な事実が判明する事があります。
しかしレビトラがバイアグラよりだいぶ新しい勃起改善薬とは言っても、 本邦での発売開始からはすでに9年も経過しており、 これは一般的に処方箋医薬品の発売からの検討としては十分な時間経過と思われ、 またレビトラはセールスの非常に多い勃起改善薬にて、長い時間、 多数の人間が使用しているという発売後の安全性経過の検証土壌として十分な状況です。
現段階で用法用量範囲内のレビトラの反復投与が、 明確な原因となった重大な医療事故というのはほぼ報告が無く、 発売後の検証としてレビトラの反復投与の安全性は高度に検討されていると言えます。 またレビトラは反復投与による 薬物耐性 もつきにくいとされており、長期反復使用の適正は高いです。
実はレビトラの反復使用には以外な可能性が検討されています。
レビトラが改善する勃起の機構においては、血管内皮機能の一過性の改善が内包されていますが、 この血管内皮機能と言うのは実は動脈硬化の原因要素でもあり、 それをレビトラが改善すると言う事は、 レビトラの反復投与には動脈硬化の予防薬的な作用が期待できると言う事です。
またレビトラの有効成分であるバルデナフィルは、 肺高血圧症をコントロールする薬剤としての転用がすでにされており、 これもまたレビトラの反復投与による意外かつポジティブな効果と言えます。
レビトラを含めてこれら勃起改善薬は、 こうした勃起改善以外の有効な作用がたくさん検証されており、 これらは基本的には反復投与による慢性疾患のコントロールが主体です。
レビトラの反復投与に関してご心配の方もいらっしゃると思われますが、 レビトラの反復投与はその安全性の検証だけでなく、 反復投与による体へのプラスの効果も検証されています。
どうぞ安心してレビトラを反復投与されて下さい。 ただし、レビトラを反復投与するに当たって非常に重要ないくつかの点があります。 レビトラの反復投与に当たってはその用法用量を必ずお守りください、 またレビトラの処方を受ける際には、今までのご自身の罹病背景、 服薬背景をきちんと外来医師に伝えて下さい。
あくまで上記のレビトラの反復投与に関する安全性は、 その適応や使用方法をきちんと踏まえた上での事ですので、 何卒よろしくお願い申し上げます。
新宿ライフクリニック ではこうしたレビトラなど勃起改善薬についての様々インフォメーションを、 専門性をもって対応しております。ぜひ一度当院にご相談にいらして下さいませ。
(記載:日本性機能学会専門医-須田隆興)