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『レビトラ:バルデナフィルとタバコの煙との関係について新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医から文献をご紹介』

【専門医解説 レビトラ:バルデナフィルとタバコの煙】


レビトラ:バルデナフィルとタバコの煙

タバコの煙はレビトラ:バルデナフィルの主要な治療ターゲットであるED:勃起不全症を発症させるリスクファクターの一つであるばかりか、 慢性閉塞性肺疾患:COPDを引き起こす主体の原因でも有ります。 また近年の研究では慢性閉塞性肺疾患:COPDの患者さんは性機能が低下しており、レビトラ:バルデナフィルを必要とするレベルのEDを発症されている方が多く内包されると報告がされており、 その一方で、マウスの実験では慢性閉塞性肺疾患:COPDにおいて、レビトラ:バルデナフィルがタバコの煙の悪影響を軽減させてくれる可能性があるとも報告がされております。



タバコの煙はED:勃起不全の発症における明確なリスク因子であり、 19件のコホート研究を含むレビューにおいては、EDの男性と一般集団の喫煙率は、それぞれ40.1%、27.7%であり、 ED男性における喫煙率は有意に高かったと報告がされております。 また喫煙期間や喫煙本数とEDの発症との間には用量反応関係があるとも報告がされております。


一方でタバコの煙は、慢性閉塞性肺疾患:chronic obstructive pulmonary disease:COPDを引き起こす主要な原因であり、 慢性閉塞性肺疾患の疾患定義においても 『慢性閉塞性肺疾患はタバコの煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露する事などにより生ずる肺疾患であり,呼吸機能検査で気流閉塞を示す. 気流閉塞は末梢気道病変と気腫性病変がさまざまな割合で複合的に関与し起こる.臨床的には徐々に進行する労作時の呼吸困難や慢性の咳・痰を示す」 とタバコの煙が原因の主体としてその疾患定義の中にも内包されている状況になります。


慢性閉塞性肺疾患は2004年に報告された大規模COPD疫学調査にて、 40歳以上の10.9%(男性16.4%,女性5.0%)に認められ、 その有病率は40歳以上の約530万人と推定されており、 隠れた国民病とも言える膨大な患者数になります。


そんなタバコの煙によって引き起こされる慢性閉塞性肺疾患の男性患者さんには、 レビトラ:バルデナフィルを必要とするレベルのED:勃起不全症を併発されている方が多いとも報告がされており、 また、慢性閉塞性肺疾患におけるタバコの煙による悪影響をレビトラ:バルデナフィルが軽減してくれるという報告もあって、 レビトラ:バルデナフィルとタバコの煙との間には、多角的な関係性があり、 『レビトラ バルデナフィル タバコの煙』 と言ったインターネット検索が多くなって来ているのは、 こうした背景が関わっての話かと存じます。


こちらのページでは、 慢性閉塞性肺疾患の男性患者さんにはレビトラ:バルデナフィルを必要とするレベルのED:勃起不全症が併発している事が多いという可能性に関しての報告、 ならびに 慢性閉塞性肺疾患におけるタバコの煙による悪影響をレビトラ:バルデナフィルが軽減してくれるという可能性に関しての報告、 このそれぞれに関して記載がされた文献を新宿ライフクリニックの日本性機能学会専門医がそれに私見を添え、わかりやすく解説をさせて頂いております。
宜しければご一読くださいませ。


1.【文献1.慢性閉塞性肺疾患の方にはレビトラ:バルデナフィルが必要となるレベルのEDが多く併発しているという可能性】

COPDの方にレビトラ:バルデナフィルが必要となるレベルのEDが多く併発している可能性

慢性閉塞性肺疾患はED:勃起不全症のリスクファクターには内包されてはおりませんが、 現在、内包はされてはいないけれど、ED:勃起不全症の発症に関わる可能性があると思われている疾患は実は多数あり、 その内の一つに慢性閉塞性肺疾患も名前を連ねております。


なぜならば慢性閉塞性肺疾患は、他の疾患と関連して全身的な影響を及ぼす慢性疾患であり、 その影響は、他のシステムの機能メカニズムの障害につながってくる可能性があるからです。


こちら文献1.でご紹介する研究は、この慢性閉塞性肺疾患が男性の性機能および関連する心理状態に及ぼす影響を調査する目的で施行されております。 こちらの研究においては、2023年3月から2024年5月の間に慢性閉塞性肺疾患:COPDと診断された男性患者60名が登録され、 また健康な個人60名からなる対照群:コントロール群も設定がされたとの事でした。


全登録者に対して呼吸機能評価のためにスパイロメトリーが実施され、その評価には、COPD評価テストと修正された医学研究評議会スケールが用いられ、 また性機能評価に対しては国際勃起機能指標(IIEF)テストが用いられたとの事でした。


※スパイロメトリーとは、呼吸機能に関する生理機能検査の事で,これにより呼吸困難の主要な原因である換気、ガス交換の障害の種類と程度を評価する事ができます。 内容としては主に換気能力をみるスパイログラム(呼吸曲線)、肺の過膨張や縮小の程度を示す肺気量分画、ガス交換をみる一酸化炭素肺拡散能力などがあります。 これらは数値で示されますので、疾患の重症度,治療経過の判定の決定にも用いられております。

※国際勃起機能指標(IIEF:International Index of Erectile Function)とは、ED:勃起不全症の診断や治療効果判定などに関して世界的に用いられている問診票の事で、 勃起の硬さ、勃起の維持能力、性交の満足度などを数値的に評価する事ができます。


これらの評価の結果として、慢性閉塞性肺疾患群では、IIEFおよび射精機能スコアは対照群と比較して統計的に有意に低かったと報告がされており(それぞれp < 0.001およびp = 0.001)、 慢性閉塞性肺疾患群の中にレビトラ:バルデナフィルを必要とするレベルのED:勃起不全症が有意に多く含まれている事が分かりました。


この事を受けて、こちらの文献では、慢性閉塞性肺疾患は呼吸器系以外の器官系にも影響を及ぼす疾患であり、性機能に対しても悪影響を及ぼす可能性が高いと帰結しております。 しかし慢性閉塞性肺疾患もレビトラ:バルデナフィルを必要とするED:勃起不全症も、同じタバコの煙が発症の原因となります。 つまり、慢性閉塞性肺疾患がダイレクトにED:勃起不全症を引き起こしているというより、どちらもタバコの煙の影響で発症した、 すなわちタバコの煙が統計上の潜在的なバイアスとなっている可能性も示唆され、 今後のこうした潜在バイアスを処理した前向きコホート研究の蓄積が、 慢性閉塞性肺疾患がED:勃起不全症の独立したリスクファクターとして登録されるのに必要な要素と思われました。


2.【文献2.慢性閉塞性肺疾患にてレビトラ:バルデナフィルがタバコの煙による悪影響を軽減してくれる可能性に関しての報告】

COPDにてレビトラ:バルデナフィルがタバコの煙による悪影響を軽減してくれる可能性

上記、文献1.では慢性閉塞性肺疾患の患者さんの中に、 レビトラ:バルデナフィルを必要とするレベルのED:勃起不全症の方が有意に多く存在しているという報告に関して解説をさせて頂きましたが、 こちら文献2.では、レビトラ:バルデナフィルが慢性閉塞性肺疾患におけるタバコの煙の悪影響を軽減させてくれるという可能性に関しての研究について解説をさせて頂いております。


慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、その高い有病率、発症率、および死亡率から、常に世界的な注目を集めている疾患で、 タバコの煙への曝露は、慢性閉塞性肺疾患発症の主な原因の1つになります。そのため、その病因を研究し、早期予防と治療のための新しい治療戦略を見つける事は今もって非常に重要な課題と言えます。 その一方、ED:勃起不全治療薬のレビトラ:バルデナフィルは肺高血圧症など、呼吸器疾患にもその有効成分の適応が拡大されている薬剤となります。


こちらの研究は、マウスに対してタバコの煙の吸入を行い、タバコの煙誘発性の慢性閉塞性肺疾患モデルを作製し、 そちらにレビトラ:バルデナフィルを30日間投与して、その後の肺の損傷程度を組織学的に分析し評価したという内容になります。


その評価の結果、レビトラ:バルデナフィルはAMPK/mTORシグナルという伝達経路を介してオートファジーを活性化する事により、 タバコの煙抽出物による悪影響を消失させる事が有意に示され、これはタバコの煙による肺障害および炎症反応をレビトラ:バルデナフィルが減弱させた事を示しているとの事でした。

※オートファジー(自食作用)とは、細胞が細胞内部の不要な物質やタンパク質などを分解・リサイクルするという真核生物にそなわる浄化システムの一つになります。


このようにタバコの煙によっても引き起こされるED:勃起不全症だけではなく、 タバコの煙によって主に発症する慢性閉塞性肺疾患に対してもレビトラ:バルデナフィルはその効果を発揮するという可能性が示唆され、 タバコの煙とレビトラ:バルデナフィルとの間には多様な関係性がある事が示されております。


3.【総合まとめ. レビトラ:バルデナフィルとタバコの煙との深い関係】

  • ―文献1.慢性閉塞性肺疾患は、現在確認されているED:勃起不全症のリスクファクターには内包されておりませんが、 2025年の研究報告によると、慢性閉塞性肺疾患群では、IIEF:国際勃起機能指標および射精機能スコアが統計的に有意に低い傾向があり(それぞれp < 0.001およびp = 0.001)、 慢性閉塞性肺疾患群の中にレビトラ:バルデナフィルを必要とするレベルのED:勃起不全症が有意に多く含まれている可能性があるとの事でした。

  • ―文献2.2023年の動物実験の報告では、マウスにタバコの煙の吸入を行い、人工的にタバコの煙誘発性の慢性閉塞性肺疾患モデルを作成し、 そちらにレビトラ:バルデナフィルを30日間投与した所、レビトラ:バルデナフィルはAMPK/mTORシグナルという伝達経路を介して、 細胞のオートファジー(自食作用)を活性化する事により、 タバコの煙による肺障害および炎症反応を有意に減弱させたとの事した。

  • ―総合まとめ.レビトラ:バルデナフィルはタバコの煙によっても引き起こされるED:勃起不全症だけではなく、 タバコの煙によって主に発症する慢性閉塞性肺疾患に対しても改善効果を示す可能性が示唆され、 レビトラ:バルデナフィルはタバコの煙と関連性が非常に高い事が浮き彫りとなりました。 また慢性閉塞性肺疾患の患者においてはレビトラ:バルデナフィルを必要とするレベルのED:勃起不全をお持ちの方が多いという可能性も示され、 今後の研究によっては慢性閉塞性肺疾患が独立したED:勃起不全症のリスクファクターとなってくるという可能性もあるかと存じます。

4.【Q&A|レビトラ:バルデナフィルとタバコの煙に関してよくある質問】


―Q1.「タバコの煙はレビトラの効果を弱めますか?」
A.レビトラ:バルデナフィルは血管機能に作用する薬剤ですが、タバコの煙は逆に長期的には動脈硬化の形成という形で血管機能を阻害し、 短期的には血管内皮機能障害を引き起こす事で血管機能を阻害しますので、 タバコの煙は長期的にも、また短期的にもレビトラ:バルデナフィルの薬効を阻害してしまう可能性があります。


―Q2.「レビトラは喫煙によるEDに有効ですか?」
A.はい。基本的にレビトラ:バルデナフィルなどのED:勃起不全症治療薬は、EDの原因を問わず使用する事ができます。 ただし、長期多量の喫煙により重症の動脈硬化がすでに存在している、また重症の糖尿病である、また神経温存ができなかった前立腺への手術的既往があるなど、 こうしたものに由来して発症する重症のEDにはこれらED治療薬が奏功しない可能性も十分に有り、 これらの薬効は原因次第というより重症度次第であるといった傾向がございます。


―Q3.「バルデナフィルは肺やCOPDにも良い影響がありますか?」
A.はい。すでにレビトラ:バルデナフィルは肺固有の疾患である肺高血圧症のコントロールに対してもその有効成分が転用されており、 また2023年の動物実験による研究報告では、レビトラ:バルデナフィルは細胞のオートファジー(自食作用)を活性化することにより、 タバコの煙による肺障害および炎症反応を有意に減弱させたとも報告がされております。


―Q4.「喫煙者がEDを改善するには何が最も効果的ですか?」
A.喫煙は明確なED:勃起不全発症のリスクファクターなので、喫煙家の場合は禁煙が最も望ましいと言えます。 喫煙は短期的には血管内皮機能障害によって、長期的には動脈硬化の形成によって、 ED:勃起不全症を発症させ、そして悪化させていきます。


―Q5.「レビトラと禁煙を併用するメリットは?」
A.禁煙によって血管内皮機能障害が改善すると、レビトラ:バルデナフィルの効果がより高くなる可能性も有ります。 また喫煙によって形成された慢性閉塞性肺疾患におけるタバコの煙による悪影響を、 レビトラ:バルデナフィルが軽減してくれるという研究報告も有ります。


【引用文献】


1.Erectile Dysfunction in COPD: A Consequence or a Sign?
Journal:Archivos espanoles de urologia. 2025 Apr;78(3);280-288. doi: 10.56434/j.arch.esp.urol.20257803.38.
Author:Nihat Türkmen, Cemil Kutsal, Müfide Arzu Özkarafakılı, Eminegül Yavuzsan
※原著はこちら


2.Vardenafil alleviates cigarette smoke-induced chronic obstructive pulmonary disease by activating autophagy via the AMPK/mTOR signalling pathway: an in vitro and in vivo study.
Journal:In vitro cellular & developmental biology. Animal. 2023 Oct;59(9);717-728. doi: 10.1007/s11626-023-00820-z
Author:Weihao Li, Jingxia Yan, Jing Xu, Liqin Zhu, Cuijuan Zhai, Yajuan Wang, Yuxin Wang, Ying Feng, Huifang Cao
※原著はこちら


(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2026-03-02)

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