デブはEDになりやすいです。
デブ、すなわち太っている状態とは、医学的には身長と体重で計算される体容積指数(BMI)25以上が該当します( BMI=『体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)} ) 。
現在、この数字に該当する日本人はなんと約2300万人も存在していて、今や日本人の5人に1人は医学的に ”デブ” という事になります。
そして、この太っている状態は、勃起不全症を引き起こしてしまいます。
こちらページでは、『デブがEDになりやすい2つの理由』 に関して、
日本性機能学会専門医がわかりやすく解説しております。
宜しければご一読くださいませ。
<当ページのもくじ>
太っている事が勃起不全症を引き起こす理由、その最初のご紹介は、
『デブは男性ホルモンの分泌が低下する』 になります。
健康診断で来院した125名の男性の調査にて、体容積指数:BMIが30より大きい数値を示す肥満者、 つまり医学的に太っている事が確認された人は、それ以外の人に比較して、 明らかにフリーテストステロンの量が少なかったと報告されております。
この 『フリーテストステロン』 とは男性ホルモンの作用上の主体をなすもので、 主にこの物質が男性の性欲や性機能をコントロールしています。 このフリーテストステロンが体の必要量を下回ってしまうと、 性機能の低下から勃起不全症が引き起こされます。
つまり 『デブは、男性ホルモンの低下を介して、EDになりやすい』 という事なのです。
なぜ、太っていると男性ホルモンの分泌は低下してしまうのでしょうか?
これは肥満に伴う、プロラクチンの増加、レプチンの増加、黄体化ホルモンの低下など、ホルモン環境の変化から、
それぞれ男性ホルモンの合成が低下してしまう可能性が指摘されており、
このようにデブが男性ホルモンの低下に関わる機序は、単独ではなく複数あると考えられています。
太っている事が勃起不全症を引き起こす理由、その二つ目のご紹介は、
『デブはEDリスクファクターを複数引き起こす』 になります。
EDリスクファクターとは、勃起不全症を引き起こす可能性のある危険因子の事を言います。
太っている状態は、それ自体がEDリスクファクターであるだけでなく、 糖尿病 ・ 高血圧 ・ 睡眠時無呼吸症候群など、 他のEDリスクファクターを引き起こす原因にもなるので、 肥満は肥満自体の機序によるEDだけでなく、 他の機序による二次的なED発症の理由にもなり得るのです。
つまり 『デブは、糖尿病・高血圧・睡眠時無呼吸症候群の発症を介することでも、EDになりやすい』 という事なのです。
この事は、肥満は、肥満自体を起点として、それによる男性ホルモン分泌の低下、 また糖尿病・高血圧による血管内皮機能障害の発生、 また睡眠時無呼吸症候群による海綿体の酸素化障害など、 複数の原因を合わせ持った重症EDを引き起こしうるという事でもあります。
以上、太っている状態が多角的にED発症に関わっている事を日本性機能学会専門医が解説させて頂きました。
しかし 『デブ』 は 『加齢』 などと違い、改善させる事のできるEDリスクファクターです。
太っている状態のED患者さんが、体重減少に伴い、男性ホルモンの分泌改善、
またEDの改善が見られたという報告は複数に及びます。
デブからのEDに悩まれているお方、
ED改善を目的としたダイエットに是非ともチャレンジしてみましょう。
(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2020-09-29)
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