「ながいき」との関連

セックス回数の維持は長寿に深く関わります



セックスと「ながいき」の関係」

 

性行為の維持と長寿の関連に関して記載しております


<当ページの項目リスト>

  1. 【セックスと「ながいき」の関係】
  2. 【性行為と長寿に関する報告】
  3. 【なぜにセックスと「ながいき」が関連するのか】
  4. 【性行為の回数維持における高齢者の注意点】
  5. 【加齢に負けない性機能の維持のために】

元気な老人

セックスを維持する事は長生きにつながります。


1.【セックスと「ながいき」の関係】

セックスと「ながいき」には深い関係が有ります。 つまり高齢になってもセックスをキチンとしている男性は死亡リスクが低く、 長生きになりやすいという事です。 このセックスと「ながいき」の関連に関して報告は海外の複数の研究で発表されており、 この性行為と「ながいき」との関連には、 男性ホルモンやセックスの運動的要素など多数の因子が関わると推測されています。


高齢者におけるセックスは、さまざまな意味でとても重要です。 しかし日本人は国際的な統計上も、セックスをあまりしないと報告されており、 性に奥ゆかしい傾向があるとされています。 この傾向は、年齢を重ねた高齢者ほど顕著で、 性機能専門医を擁する当院新宿ライフクリニックの診療経験上も、 高齢者の方が「いい年をして、いつまでもセックスをするのも…」と、 自身から性行為を放棄しようとしている状況に遭遇する事が多々有ります。


しかしこれは大きな間違いです。
後述しますが近年の海外の研究ではセックスをキチンとしている高齢者は死亡リスクが相対的に低く、 また長生きになりやすいと報告しているものが多数あり、 高齢者におけるセックスは高齢者の健康・長寿に重要な要素であると認識されています。 つまり健康的な「ながいき」を考えると、高齢者ほどセックスはした方が良いという事です。
もちろん、心筋梗塞のリスクが高かったり等、 罹患している疾病の関係で性行為がし難いケースは有りますし、 また加齢に応じてEDは発症し易くなるので、セックスをしたくてもできない方もいると思います。 (加齢によるED発症に関してはコチラで解説しています➡ED発症と加齢
しかしこうした状況もキチンと専門家に相談する事で解決するケースも多く、 状況によっては専門家と協力しあう事で、セックスの回数を維持する事は可能です。 自分からセックスをあきらめる必要は全くありません。 それに国際的にも未曾有の高齢化社会を迎えようとしている本邦 日本にとっては、 今後、高齢者が身体機能を維持しつつ、「ながいき」する事は、 国を維持する上でもとても重要な社会的テーマです。


本稿ではこのセックスと長生きの関連について詳細に記載しております。 高齢である事を理由にセックスしない事を考えている方、 是非とも本稿をご一読くださいませ。


2.【性行為と長寿に関する報告】

さて、冒頭よりセックスを維持する事が長生きにつながると記載させて頂いておりますが、 実はこうした報告をしている研究は世界のさまざまな地域から出てきており、 多数の根拠があるものです。
こちらではこのセックスと「ながいき」についての研究報告をご紹介しております。


  1. 《Duke 1st Logitudinal Study of Aging》
    こちらは性行為と「ながいき」に関する海外からの報告です。 この研究は調査開始時に60歳から94歳だった合計270名の男女を、 25年間、なんと四半世紀に渡って追跡調査したものです。 この報告では男性の長生きに、 男性のセックスの回数がダイレクトに関連しているという統計結果が出ており、 セックスを行う回数が「ながいき」に関連している髙い可能性を示唆しました。
  2. 《スウェーデンからの報告》
    こちらは性行為と「ながいき」に関する北欧のスウェーデンからの報告です。 調査開始時点で70歳だった既婚の男性128名を5年間追跡して調査したものです。 この報告では早くセックスを放棄する事でなんと死亡リスクが上昇するという統計結果が示されました。 本報告もセックスを放棄しない事が長生きにつながる可能性を示唆しています。
  3. 《ウェールズからの報告》
    こちらは性行為と「ながいき」に関するウェールズからの報告です。 こちらでは他の報告と違い45歳から59歳と比較的若い方を対象にしており、 なんと918名に及ぶ被験者を10年かけて追跡調査しています。 この報告では、セックス回数の少ない男性の方が明らかに死亡リスクが高かったと報告しており、 Duke 1st Logitudinal Study of Agingと逆説的に同じ結論に至っています。 つまりこの報告もまたセックスを行う回数が「ながいき」に関連している可能性を示唆しています。

このように世界中の様々な地域でセックスの回数と長生きの関連に関して報告が上がっています。 高齢だから長寿だからと言って性行為を放棄する事は、死亡リスクを上げてしまう可能性があり、 また一方で高齢者でもセックスの回数を維持していると、 さらに長生きできる可能性がある事が示されています。
皆さんも健康的な「ながいき」のためにもセックスをあきらめる事なく、 キチンと性行為しましょう!


3.【なぜにセックスと「ながいき」が関連するのか】

さて、前項ではセックスの回数と長生きの関連に関して、 さまざまな地域のさまざまな報告をご紹介させて頂きました。 これらは対象の年齢や追跡の期間、対象者の国籍などいずれもバラバラですが、 長生きにセックスの回数の維持が重要である事、 また高齢である事を理由にセックスを放棄する事の危険性に関して報告してます。


このように統計報告上はセックスと「ながいき」には深い関連性が示されていますが、 なぜセックスの回数と長生きにはこうした関連性があるのでしょうか?
この性行為と「ながいき」の関連性には 「身体機能の維持」と「男性ホルモン分泌」が大きく関与していると想定されます。


  1. 《身体機能の維持に関連したセックスによる長生き》
    まず身体機能に関してですが、実はセックスは医学的には「運動」にも分類されています。 セックスの運動量(運動強度)はおおよそ平地を時速5㎞で歩くのと同じくらいの運動量とされています。 つまり良くセックスする方は、良く運動をされる方と同じ意味合いを持ちます。 高齢者にとって運動をキチンとする事は、関節機能や筋力、心肺機能の維持につながり、 また痴呆を遠ざけるとも報告されおり、 こうした運動による身体機能の維持は「ながいき」の為の非常に重要な要素と言えます。 セックスの運動的要素は、性行為の回数が長生きに関連する一つの要因になっていると推測されます。
  2. 《男性ホルモン分泌に関連したセックスによる長生き》
    次に男性ホルモンの分泌に関してですが、 男性ホルモンはみなさんの知っている通り、男性のセックス全般に関して重要な役割を果たしています。 しかし男性ホルモンの役割はそれだけではなく、 近年の研究によれば男性の非常にたくさん機能に深く関連していると報告されています。 男性ホルモンは男性の認知機能の維持、筋肉の維持、前向きな気持ちの維持などに深い関連があり、 こうした理由から自然な男性ホルモン分泌を維持する事は、男性の長生きに繋がる可能性がとても高いです。 そしてこの男性ホルモンは実はセックスや射精をする事でその分泌量が増大します。 定期的にセックス回数を維持する事は、定期的に男性ホルモン分泌を促す事になり、 これもまたセックスの回数が長生きに関連する要因になると想定されます。

セックスの回数と長生きの関連にはこのように「運動量による身体機能の維持」、 ならびに「男性ホルモン分泌促進」が大きな理由として関わっていると想定されます。 皆さんも加齢を理由にセックスを放棄せず、健康長寿を目指してセックスの回数を維持するようにしましょう。


4.【性行為の回数維持における高齢者の注意点】

さて、上記ではセックスと長生きの深い関連に関して、 その国際報告そしてそのロジックの勘案に関して記載させて頂きましたが、 残念ながら、これは高齢者の誰しもが「ながいき」の為にどんどんセックスをすべきという訳では有りません。


ご高齢の方で、お持ちの疾病によっては、セックスの回数を維持するが難しい状況も有ります。 そうした疾病の代表的なものが心筋梗塞・狭心症などの心血管疾患です。 この心血管疾患は、心臓を栄養する冠動脈という血管が動脈硬化などを理由に狭小化、 もしくは塞がってしまう事で発症する疾患ですが、 心血管疾患の既往がある、もしくはそのリスクが高い状況においては、 セックスによる運動や性的興奮が影響して心血管疾患が増悪したり発症したりする恐れがあります。 つまり長生きとは、全く逆の状況をセックスが生み出してしまう状況が有り得ます。
心血管疾患の既往やそのリスクが高い方は、セックスの回数を維持しようとする前に、 「性行為をしても良い状態なのか」を主治医の先生としっかり相談しておく必要が有ります。 またセックスをして良い状態の場合は、どの程度まで可能なのか?等を詳細に相談しておく事で、 危険な状況を回避できます。


心血管疾患以外にもコントロールの悪い高血圧、高度な慢性腎臓病で運動が制限されている方など、 これら顕在化した罹病があり、それらのコントロールが悪いケースにおいても、 セックスの回数を維持しても良いのかどうか主治医の先生に確認された方が安心でしょう。


医師にこうした相談をされる事はなんら恥ずかしい事ではなく、 むしろ生活全般を見守りたい医師にとって、こうした相談はむしろ望ましいものです。 また医師には守秘義務があるので、プライバシー性の高い相談をされても実害はありません。 安心してセックスによる長生きを目指すためにも、 担当医に良くご相談される事はとても大事な事です。


5.【加齢に負けない性機能の維持のために】

以上、セックスと長生きの関連性に関する報告、そしてその理由、 また注意点に関して記載をさせて頂きました。 セックスは快楽だけでなく、 男性にとって長生きなど非常に重要な意味を持つ行為である事をご理解頂けたかと存じます。


しかし皆さんの中には加齢に応じて性機能が低下しつつあり、 長生きのためにセックスの回数を維持する事が、 ED/勃起不全などの発症によって難しい方もいらっしゃるのではないかと存じます。 そこで、コチラの項目ではみなさんの「ながいき」のために、 「加齢に負けない性機能維持」の為の幾つかのアドバイスをさせて頂きます。 そのアドバイスとは、1.「肥満の解消」2.「定期的な持久力運動」3.「くよくよせず前向きに暮らす」 4.「生活習慣病をキチンとコントロール」に関してです。


  1. 《肥満の解消》
    肥満は実はED/勃起不全の発症原因の一つです。 健康的なダイエットはEDの改善のみならず、男性ホルモンの分泌の改善にも好影響と報告されており、 生活の中で実践可能な性機能維持の方法として非常に有益です。 特に自然な男性ホルモンの分泌改善は男性の長生きにも好影響です。 ただし無理なダイエット、不健康なダイエットは「ながいき」に逆効果になる場合があるので注意してくださいね。
  2. 《定期的な持久力運動》
    運動不足もまたED/勃起不全の発症原因です。 筋力運動でなく持久力運動、 つまりウォーキングやランニングなど息がハアハア切れるような運動はEDの改善に有効とされています。 また適切な運動はアンチエイジング効果もあり男性の長生きにも好影響です。 ただしお持ちの疾病によって運動制限がある場合は、主治医の先生によく相談されてから、 定期的な持久力運動を実践されてください。 また運動時の事故やケガは「ながいき」に逆効果になる場合があります。よく注意されてくださいね。
  3. 《くよくよせずに前向きに暮らす》
    うつ症状、つまり落ち込んだり、過剰に自分を責めたりと言った精神状態が慢性化すると、 EDになりやすいと言われています。 くよくよせずに前向きに暮らしていきましょう! また精神衛生を良くキープする事は性欲の維持にも大切ですし「ながいき」にも好影響です。
  4. 《生活習慣病をキチンとコントロール》
    高血圧、糖尿病、脂質異常症に代表される生活習慣病は、そのコントロールが悪い場合、 EDやその他の性機能障害発症の原因になります。生活習慣病をお持ちの方は服薬だけに頼らず、 生活習慣改善による生活習慣病のコントロールを頑張りましょう。 もちろん生活習慣病のコントロールが良くなる事は長生きにも直結します。

以上加齢に負けない性機能の維持に関して、いくつかのアドバイスをさせて頂きました。 またこうした生活上の工夫によっても性機能がなかなか改善しない場合には、 勃起改善薬(PDE5阻害薬)の使用を検討される事も有意義です。

セックスは適切な人と適切に行う場合は、様々な意味合いで素晴らしいものです。 男女関係を良い形で維持しますし、 またこうした良いセックスの回数を維持する事は長生きに繋がるからです。
新宿ライフクリニックは性機能専門医のいるED専門クリニックとして、 こうしたセックスによる長生きなど、生活面に関する啓蒙も行っております。 EDや早漏など性機能障害でお悩みの方は是非一度、 東京はJR新宿駅の目の前、新宿ライフクリニックにご来院くださいませ。 皆様のご相談をスタッフ一同お待ちしております。
(記載:日本性機能学会専門医-須田隆興)