『加齢による衰えでEDになる?日本性機能学会専門医が加齢によるEDの報告、原因、予防に関してやさしく解説』

加齢による衰えでEDになる

  • 加齢による衰えがEDを起こす事は世界中で報告されている
  • 加齢によるEDは動脈硬化・男性ホルモン低下・弾性繊維変性などが原因
  • 加齢によるEDの予防方法は適切な運動・睡眠・食事、仲間と競う事などです

全ての男性は加齢による衰えで、段々とEDになっていきます。


『加齢』 は日本性機能学会が編纂する 『ED診療ガイドライン』 にも 勃起不全の主要かつ強力なリスクファクターとして記載されております。


EDを発症する年代の差はあれども、 基本的には加齢による勃起不全症は、 男性誰しもが迎える事になる不可避な状態の一つなのです。


本稿では日本性機能学会専門医が、 この 『加齢による衰えが引き起こすED』 の医学報告、 そしてその原因に関して、また予防方法に関して、 やさしく、わかりやすく解説しております。


宜しければご一読くださいませ。


<当ページの項目リスト>

  1. 【加齢によるEDに関しての医学報告】
  2. 【シアリスは前立腺肥大症自体にも効果を示します】
  3. 【シアリスは前立腺肥大症自体にも効果を示します】

1.【加齢によるEDに関しての医学報告】

加齢によるEDに関しての医学報告

加齢による衰えがEDを引き起こすという事実は、世界各国の統計調査で報告されています。


アメリカでは、マサチューセッツ加齢研究という、とても大がかりな加齢の影響を調査する研究にて、加齢が明確にED発症に関連し、 また加齢が進んでいくにつれてEDの有病率が上昇していく事が、それぞれ報告されています。


一方の日本でも、企業健診や人間ドック受診者、また慢性疾患で通院している人など、様々なカテゴリーの調査にて、 加齢による衰えがED発症に関連すると言う同様な結果が報告されています。


こうした報告の中にはアメリカ人と日本人を比較した調査もあり、どちらも加齢がEDの発症に関連している事は変わらなかったのですが、 ショッキングな事に、日本人の方がアメリカ人よりもEDに対する加齢の影響が強いという結果が確認されています。 また、この調査では日本人男性の70歳代は71%もの人が中等度以上の勃起不全だったと報告しています。


2.【加齢によるED発症の原因】

加齢によるED発症の原因

それでは加齢は何を原因としてEDを引き起こすのでしょう? その原因は主に4つに分かれます。 『生理的な動脈硬化』 ・ 『男性ホルモンの分泌低下』 ・ 『弾性繊維の変性』 ・ 『EDリスクファクターの増加』 です。


『生理的な動脈硬化』 : これは加齢による、ある意味自然な動脈硬化の事です。動脈硬化が発生すると、血液がうまくペニスに集められなくなるので、 結果としてEDを発症しますが、この動脈硬化は高血圧などの生活習慣病だけでなく、加齢によっても発生する生理的なものが有り、 これが加齢によるED発症の原因の一つとなっております。


『男性ホルモンの分泌低下』 : 男性ホルモンは体内で性欲や勃起機能をコントロールしている物質なので、その不足はEDを引き起こします。 男性は一般的に20歳代くらいから年令が重なるにつれて男性ホルモンの分泌が自然に低下して行き、 老化にともない男性ホルモンの分泌低下が性機能を維持するに足りないレベルまで低下すると、 これも加齢によるED発症の原因になってきます。


『弾性繊維の変性』 : 老化に応じて皮膚にハリがなくなったり、しわができたりするのは、主に加齢による弾性繊維の変性が原因です。 ペニスにもこの影響はあり、加齢による弾性繊維の変性からペニスに血液を留めておく機構が障害される事によってもEDは引き起こされるので、 弾性繊維の変性も加齢に伴うED発症の原因になってきます。


『EDリスクファクターの増加』 : EDを引き起こすリスクファクターである高血圧、糖尿病、肥満、運動不足、前立腺肥大症、 慢性腎臓病などはそれぞれ加齢に応じて増加する傾向にありますので、 こうしたリスクファクターの増加もまた、加齢によるED発症の原因となります。


3.【加齢によるEDの予防方法】

加齢によるEDの予防方法

誰しも加齢による衰えからのEDを完全に避ける事はできません。
例えば20歳代の性機能を80歳代まで維持する事は至難の業でしょう。 しかし様々な工夫をする事で、その発症を遅らせる事、予防する事はできます。 その方法とは、まさに前述の 『加齢によるED発症の原因』 に対するそれぞれの工夫が相当します。


しかし上記の原因には改善できるものと、できないものが有ります。
上記の原因の内 『生理的な動脈硬化』 ・ 『弾性繊維の変性』 に関しては加齢に伴う肉体の自然な変化なので、 改善する事は難しいでしょう。


一方 『男性ホルモンの分泌低下』 ・ 『EDリスクファクターの増加』 に関しては、 工夫を加える事で加齢によるEDの予防をはかる事が出来ます。


『男性ホルモンの分泌低下』 に関しては、適切な筋トレ、適切な睡眠、仲の良い仲間と競う事、新しい習い事へのチャレンジなどが、 加齢による男性ホルモンの分泌低下を抑制すると言われているので、 こうした工夫を継続する事が加齢によるED発症の予防方法になります。


『EDリスクファクターの増加』 に関しては、この加齢によって増加するリスクファクターのほとんどが生活習慣病なので、 適度な持久力運動 ・ 筋トレ、適切な食事制限による肥満の解消、塩分 ・ 単純糖質の削減、適切なカロリー摂取などを継続する事で、 発症を防いだり、改善をはかる事が出来ます。 こうした工夫を継続的に実行する事も、加齢によるED発症の予防方法になります。


これらの予防方法は加齢によるED発症だけでなく、脳梗塞や心筋梗塞などの大病の発生を防いだり、 人生の生きがいを高める効果もありますので、是非とも日々の生活の中に取り入れて欲しいものです。



(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2020-04-08)


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