勃起も発汗も実は、自律神経がコントロールしています。
自律神経とは、 『自ら律する神経(みずからりっするしんけい)』 と書きますが、
これは我々の意思ではコントロールできないタイプの神経になります。
腕を動かすようには、汗をかいたりできないのは、そうした理由なんですね。
実は、この自律神経が障害されると、勃起不全症:EDになったり、立ちくらみを起こしたり、 汗をかきにくくなったりします。
こうした自律神経を障害する身近なお病気の代表が 『糖尿病』 です。
事実、糖尿病はED原因疾患の多数派であり、しかも改善しにくいEDを引き起こす傾向が有ります。
本稿では糖尿病による自律神経障害とEDと発汗の関連に関して、日本性機能学会専門医がわかりやすく解説させて頂いております。
<当ページの項目リスト>
こちらでは 『自律神経』 と 『ED』 と 『発汗』 の関連に関して報告した文献をご紹介しております。
この文献では82人のED患者さんで、電気刺激を利用した自律神経による発汗のしかたを比べています。
これによるとEDの人は、ペニスでの発汗の頻度が手足に比べて4割ほど減り、
また、7割ほどでペニスに汗をかくまでの時間が遅くなるとの事です。
これらの結果は、統計上の有意差が確認されているので、
『EDの人は、ペニスにて自律神経による汗をかきにくい』
と言えます。
これはEDの多数派原因である 『糖尿病』 が自律神経の障害から、 ペニスにEDと発汗の障害を同時に引き起こしているからと推察されます。
参考文献
Sympathetic skin response in patients with erectile dysfunction.
BLU international 104:1709-1712
『ペニスに汗をかきにくい』 と感じられるタイプのEDは、 主に自律神経の障害が原因となって発生しているのかも知れません。
こうした場合、早々に健康診断を受けることをお勧めします。 なぜならば、自律神経障害の原因、特に 『糖尿病』 があなたの中に隠れているかも知れないからです。
糖尿病がある場合は、これをキチンとコントロールする事で、ED自体の改善が見られる可能性が有ります。 一方、糖尿病に気がつかず、これを放置してしまった場合、脳梗塞や心筋梗塞など重大な疾患を二次的に引き起こされ、 知らない内に命を危険にさらしてしまう可能性が有ります。
ペニスに汗をかきにくいEDの人は、糖尿病があるかどうか検査をしましょう。
以上、日本性機能学会専門医が勃起不全症と勃起不全症と自律神経と汗の関連に関してご紹介させて頂きました。
(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2020-03-25)
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