1. ライフクリニック
  2. 用語集
  3. 「ふ」
  4. 勃起はどうやって起きるの?日本性機能学会専門医がペニスが立つ仕組みを4つのステップで解説

『勃起はどうやって起きるの?日本性機能学会専門医がペニスが立つ仕組みを4つのステップで解説』

勃起はどうやって起きるのか?

勃起はどのようにして起きるのでしょうか? なぜペニスは硬く大きくなるのでしょう?
その仕組みは 『性欲の増大』 → 『神経による指令の伝達』 → 『血管の拡張』 → 『海綿体の膨張』 と 4つのステップに分けられ、このステップが進む事でペニスは硬く大きくなって行きます。


勃起は男性にとって慣れ親しんだ生理現象です。
しかし、これは指先を動かすように自由には操作できません。 小さくやわらかなペニスが、硬く大きくなるのは、考えてみるととても不思議な事です。


つまり日毎のように起きる現象でありながらも、 どのようにしてこれが発生しているか、知っている方はほとんどいません。


本稿では、そんな疑問を埋めるべく、このペニスが硬く・大きくなる仕組みを 4つのステップに分けて、日本性機能学会専門医がわかりやすく解説しております。
よろしければご参照くださいませ。


<当ページの項目リスト>

  1. 【まずは性欲の増大から】
  2. 【神経が指令を伝えます】
  3. 【血管が広がります】
  4. 【海綿体に血液がたまりペニスが膨張します】

1.【まずは性欲の増大から】

脳における性欲の増大

勃起がどのようにして起きているのか?
ペニスが立つ仕組みの解説、最初のステップは 『性欲の増大』 です。


まず性欲は性ホルモンの濃度が上昇することで発生し、 それが 『性的な想像』 、もしくは 『見たり』 ・ 『聞いたり』 ・ 『触ったり』 などの感覚刺激で増大していきます。


この性欲は主に脳の 『視床下部』 という所でコントロールされています。 この視床下部にて性欲の増大が、ある程度のレベルに達すると、 脳から末梢神経に 『性的興奮』 という形で 「勃起せよ」 という指令が渡されます。


ペニスが硬く・大きくなる、その機構は、まず脳での 『性欲の高まり』 有りきです。
それゆえに性欲を全く感じない状況では、ペニスには変化が起きないのですね。


2.【神経が指令を伝えます】

神経による指令の伝達

勃起がどうやって発生しているのか?
ペニスが立つ仕組の解説、次のステップは 『神経による指令の伝達』 です。


脳から性的興奮という形で 「勃起せよ」 という指令が発生すると、その指令は脊髄を通り、末梢神経に渡されます。 この末梢神経が交代交代でリレーして、この指令を最終的にペニスに伝えます。


交通事故などによる脊髄の障害がEDの原因になる事があるのは、こうした指令のルート内に脊髄が入っているため、 そこが障害される事で、この指令が届かなくなってしまうからです。


この勃起の指令を伝える末梢神経は勃起神経などに代表される 『自律神経』 です。 自律神経は読んで字のごとく、自律する神経なので、自らの意思で指先のように自由には操作できません。
この自律神経が伝達機構を担っているために、僕らは自分の意思でペニスを自由に大きくはできないのですね。


3.【血管が広がります】

ペニスの血管の拡張

勃起はどのようなシステムで発生するの?
ペニスが大きく硬くなる仕組みの解説、次のステップは 『血管の拡張』 です。


脳で発生した、性的興奮という形の 「勃起せよ」 という指令は、 勃起神経などの自律神経をリレーして、 最終的にペニスの海綿体神経に到着します。


すると海綿体神経の指令で、ペニスの動脈の筋肉 (平滑筋と言います) が緩み、動脈が大きく広がる事で、 ペニスの海綿体にどんどん血液が流れ込んでいきます。
血液が流れ込み始めると、いよいよペニスが段々と大きくなっていきます。


なぜ動脈硬化を引き起こす疾患である、糖尿病や高血圧がEDを引き起こすかと言うと、 動脈硬化はこの動脈を狭めたり・塞いでしまう事で、海綿体に血液が流れ込むのをブロックしてしまうからなんですね。 動脈の健全性は勃起の発生には、とても大切なのです。


4.【海綿体に血液がたまりペニスが膨張します】

海綿体の血液による膨張

勃起は何故に起こるのか?
ペニスが硬く大きくなる仕組みの解説、最後のステップは 『海綿体に血液を貯める』 です。


脳で発生した、性的興奮という形の 「勃起せよ」 という指令が、末梢神経のリレーでペニスに伝わり、 ペニスの動脈が拡張する事で、ペニスの海綿体にどんどん血液が入って行きます。
海綿体はとても細かい血管で全体が構成されているため、 血液を含むとスポンジのようにどんどん膨らんでいきます。


なぜに動脈から海綿体に入った血液が静脈から逃げていかず、海綿体に貯める事ができるかと言うと、 この海綿体は白膜という、とても硬く強靭な膜で包まれていて、 この白膜の中で海綿体が膨らむことで、中がぎゅうぎゅうになり、 もともと内圧が動脈より低い静脈がぺちゃんこになって塞がれてしまうからです。


また海綿体自体は柔らかい組織なのですが、 この硬い白膜の中で海綿体がどんどん膨らむ事でぎゅうぎゅうに圧が高まるので、 勃起したペニスは硬く緊満して感じられるのです。


年齢を重ねていくとこの白膜が柔らかくなってしまい、静脈がしっかり塞げない事で、 海綿体に血液をためにくくなって行きます。これは加齢性のEDの原因の一つです。


ペニスが膨張し、静脈が圧によって塞がれて、いよいよ勃起が完成です。
このように数多くの神経・組織が精細に連動してペニスは硬く・大きくなっています。 これらのステップを構成する神経・血管など、 いずれに問題があってもEDは発症してしまいます。
勃起は実はとてもナイーブなシステムなのです。

(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2019-12-09)


日本性機能学会専門医証
※日本性機能学会について詳しくはこちら
新宿ライフクリニック院内看板
※新宿ライフクリニックについて詳しくはこちら



 ―このページの内容に関連した記事―