『バイアグラを処方された人がやっては絶対ダメな事。バイアグラ処方後の注意として専門医が3つの実例を紹介』

バイアグラ シリーズ

  • バイアグラを処方された人が絶対やってはダメな事が有ります
  • こうしたバイアグラ処方後の注意として、代表的な3つの実例をご紹介します
  • 『友人など他の人に、自分が処方されたバイアグラをあげる事』
  • 『医師に指定された量以上を自己判断で飲む事』
  • 『女性に本剤を飲ませる事』
  • これらは、やっては絶対ダメな代表的実例になります


仮に、
ご本人が評判の良いEDクリニックを受診し、
日本性機能学会専門医によって、ご本人がバイアグラの禁忌に該当しない事が確認され、
本剤の使用方法や使用量など各種の詳細な説明を受け、
国内正規のバイアグラを正式に処方して貰ったとします。


これで 『後はもう全て大丈夫』 なのでしょうか?


残念ながら、そうでは有りません。
バイアグラには、処方後の注意もあり、 本剤を処方された人が、やっては絶対ダメな事がいくつか有ります。


本稿では実際に新宿ライフクリニックでお伺した、こうした事例の内、 その代表的な3つを、 バイアグラ処方後の注意として日本性機能学会専門医がご紹介申し上げます。 よろしければご一読下さいませ。


<当ページのもくじ>

  1. 【友人にあげる】
  2. 【医師に指定された量以上を飲む】
  3. 【女性に飲ませる】

1.【友人にあげる】

ご本人が処方されたバイアグラを友人など他の人にあげては絶対にダメです。

ご本人に処方されたバイアグラをご友人など、他の人にあげるのは絶対にダメです。
こちらではバイアグラ処方後の注意として、本剤の他の人への譲渡の実例をご紹介します。


EDの外来をしていると、時に患者さんから 「処方されたバイアグラを友人にあげました。」 とお伺いする事があり、とても驚きます。 その方はおそらく親切心から、 ご友人に 『胃薬を分けてあげるような感覚』 で本剤を譲渡されたのだと思われます。


しかし、まず前提として、こうしたお医者さんが出す処方箋医薬品の他人への譲渡は、 明確な違法行為になってしまいます。 いわゆる 『薬機法違反』 です。


また、もし本剤を譲渡されたご友人が、 実はバイアグラの 『禁忌』 などに該当する要素をお持ちで、 同薬の服用によって、生命や健康の障害に至ってしまうような場合、 これは譲渡してしまったご本人に 『傷害罪』 の適応もあり得ます。


つまり最悪、二重の罪に問われてしまいますが、 何よりつらいのはご本人が大切なご友人の生命や健康を危うくしてしまう事でしょう。


ご本人が安全に使用できた事と、ご友人が安全に使用できるかどうかは、全くの別問題です。
また、その薬剤を使用すると、生命や健康上危険な事があるという疾患や服薬内容などの各種ケースについては、 一般に 『禁忌』 あるいは 『警告』 の表示とともに薬剤の添付文書などに記載されていますが、 これを医師ならぬ一般の方が、正確に判断するのはとても難しいです。


このように、ご本人が処方されたバイアグラを、 ご友人など他の人にあげるのは絶対にダメです。 これは本剤処方後の注意点の一つとして是非とも覚えておいて下さい。


2.【医師に指定された量以上を飲む】

バイアグラは医師がご本人に指定した以上の量を服薬するのは絶対にダメです。

医師に指定された量以上に、バイアグラを飲むのは絶対にダメです。
こちらではバイアグラ処方後の注意として、指定された用量以上に服用してしまった実例をご紹介します。


バイアグラも飲み慣れてくると、 「今日は効きが悪いから、もう一錠飲んじゃえ」 と医師に指定された量以上に本剤を服薬してしまう事があると、 患者さんから外来でお伺いする事が有りますが、 これにも大変驚きます。


幸いに、この話をお伺した方は事故などの発生には至らなかったのですが、 実はバイアグラは飲めば飲むほど、勃起改善効果が増す訳では無く、 それどころか、一定量以上の服薬は、 むしろ深刻な副作用のリスクだけが増加して行き、有害な要素しか有りません。


例えば 『虚血性持続勃起症』 と呼ばれる病態は、 過量な勃起改善薬の服用で出現する副作用の一つですが、 この病態はペニスの虚血から、勃起機能に永続的かつ深いダメージを残してしまう可能性が有ります。


またバイアグラはご本人の年齢や臓器の状態に応じても、安全に飲める量が規程されており、 こうした、ご本人に特化した使用量を無視しても、 持続的な臓器障害などを引き起こしてしまう可能性が有ります。


つまりご本人が医師に指定された量以上に本剤を服薬する事は、 害はあれども益はないのです。


時にバイアグラは、その服薬に慣れるに従い、指定された用量から逸脱し、 段々と多量に飲むようになってしまう人がいます。しかしコレは絶対にやってはダメな事です。 一回やって大丈夫だったとしても、過量な服用を続ける事は、いずれは深刻な障害を招いてしまう可能性が有ります。 こちらも本剤処方後の注意点として是非とも覚えておいて下さい。


3.【女性に飲ませる】

バイアグラは例え正規なものであっても、女性に飲ませるのは絶対にダメです。

たとえ正規流通の、正しく処方されたバイアグラであったとしても、 女性にバイアグラを飲ませるのは絶対にダメです。
こちらではバイアグラ処方後の注意として、女性への投薬の実例をご紹介します。


時に外来にて、 「奥さんにバイアグラを飲ませた」 などセックスパートナーに、ご本人が処方されたバイアグラを飲ませたとする趣旨の発言を聞く事があり、 これも本当にびっくりします。


なぜに女性にバイアグラを飲ませようとするのでしょう? これは、お伺いしているほとんどのケースでは、 バイアグラによって 『女性に性的興奮を引き起こそう』 という意図のようです。


しかしここには一点の大きな誤解が有り、 バイアグラには全く性的興奮を引き起こす作用は有りません。 ゆえにこのような意図を持って本剤を女性に飲ませる事に意味は全く有りません。


そして、たとえ奥さんであったとしても、 上記 1.【友人にあげる】 に記載した通り、 ご本人に処方されたバイアグラの他の人への譲渡は違法行為ですし、 また禁忌該当などに伴う障害の発生時には、傷害罪の適応もあり得ます。


幸いにも、この話をお伺した方の奥さんは、特に薬害などの事故には至らなかったとの事でしたが、 このバイアグラは男性専用の薬剤として生まれた経緯もあって、実は女性における安全性の検討はほどんどされておりません。 つまり予想も付かないような問題が発生する可能性も有るのです。


男性であるご本人が飲んで大丈夫だったから、女性も飲んで大丈夫だろうと安易に考え、 パートナーに飲ませようとする方がいますが、 コレも絶対にやってはダメですし、そもそもそうする事には何の意味もありません。 こちらも本剤処方後の注意点として是非とも覚えておいて下さい。



以上、バイアグラを処方された人がやっては絶対ダメな事、 この内、代表的な三つの実例をバイアグラ処方後の注意としてご紹介させて頂きました。


これら三つの実例には前提として 『ご本人が今まで安全に利用できたから大丈夫』 という共通の誤った判断が有ります。 しかし、それは人に与えたり、また自己判断での増量についての安全性を示すものでは全く有りません。
何卒、ご注意下さいませ。

(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2020-09-07)

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