『タバコでEDは発症します。専門医が解説するタバコで勃起不全が起きる4つの原因』

タバコはEDをおこします

タバコを吸い続ける事でEDは発症しやすくなります。


煙草は日本性機能学会のED診療ガイドライン上もリスクファクターの一つとして正式に登録されています。 これは世界中で報告されている数多くの研究結果から、 喫煙習慣が明確に勃起不全の原因になると判断されたからです。


喫煙は、その期間が長ければ長いほど、 また本数が多ければ多いほど、 本疾患が発生するリスクが上がって行くとされております。


どれだけの期間、何本吸えば、本疾患の発症に至るかは、癌などの疾患同様に個人差がとても大きいので、 明確に何本を何年吸えば勃起不全になるといった線引きは出来ません。


しかし喫煙習慣を止める事、つまり禁煙に関しては本疾患の改善に有効との報告がされております。 タバコの習慣があり、その上でインポテンツに悩まれている方にとって禁煙が望ましいのは、 まず間違い有りません。


こちらのページでは、一体タバコが何を原因としてEDを引き起こしているのか、 その4つの原因に関して日本性機能学会専門医が解説させて頂いております。 宜しければご一読下さいませ。


<当ページの項目リスト>

  1. 【血管の機能障害】
  2. 【動脈硬化による血流の障害】
  3. 【交感神経への刺激】
  4. 【海綿体組織の変化】

1.【血管の機能障害】

血管の機能障害

タバコでEDが発症する原因の一つ目は、喫煙が 『血管の機能障害』 を引き起こす事があげられます。


勃起という一連の生理現象には、血管が広がったり、縮まったりといった、 血管の機能が必要不可欠です。こうした機能は 『血管内皮機能』 と言われています。


この血管内皮機能は煙草の成分によって直接的に阻害されてしまいます。 つまりタバコは 『血管の機能障害』 を原因の一つとしてEDを引き起こすのです。


動脈硬化の形成がEDの長期的かつ慢性的な原因になるのに対して、 喫煙による血管内皮機能障害は、短期的かつ即時的な勃起不全の原因になり得ます。


ゆえにセックス直前の喫煙は、勃起のクオリティを下げてしまう事になるので、 EDの方には特に望ましく有りません。 お気をつけ下さい。


2.【動脈硬化による血流の障害】

動脈硬化

タバコによってEDが引き起こされる、その原因の二つ目です。
それは喫煙が 『動脈硬化による血流の障害』 を引き起こす事です。


勃起はペニスの海綿体に血液が集まる事で発生しますが、 動脈硬化は、血液の通り道である血管を狭くしたり塞いだりしてしまうので、 動脈硬化があると海綿体は血液を集めにくくなってしまいます。


そして、皆さんもご存知の通り、煙草は最も有名な動脈硬化の発生因子の一つです。 つまりタバコは 『動脈硬化による血流の障害』 をその原因の一つとして勃起不全を引き起こすのです。


動脈硬化は喫煙を始めとした様々な因子により、時間をかけて形成されていきます。 すなわち、前述の 『血管の機能障害』 のように、短期的かつ即時的な勃起不全の原因にはならないのですが、 動脈硬化は物理的な血管の構造変化なので、いったん形成されたら、これをもとの血管に戻すのはとても難しいと言えます。 つまり 『改善しにくいEDの原因』 になり得るのです。


すなわちEDに対する禁煙の効果をきちんと出すには、動脈硬化が形成される前に禁煙を始めた方が望ましいです。 皆様もぜひ動脈硬化が始まる前に禁煙を開始しましょう。


3.【交感神経への刺激】

交感神経

タバコがEDを引き起す原因の三つ目ですが、
これは喫煙が 『交感神経への刺激』 をしてしまう事があげられます。


交感神経は、自律神経と言う 『体の自動的なコントロール』 を司る神経の一種で、 実はこの自律神経には脳からペニスに 『勃起の指令』 を伝えるという重要な役割が有ります。


喫煙はこの交感神経を強く刺激してしまう事で、自律神経作用のバランスを崩してしまいます。 つまりタバコは 『交感神経を刺激する』 事をその原因の一つとしてEDを引き起してしまうのです。


これは前述の 『血管の機能障害』 と一緒で、短期的かつ即時的な勃起不全の原因になり得るので、 同様にセックス直前の喫煙による勃起のクオリティ低下に関わります。 セックスの直前の煙草にはくれぐれもご注意下さい。


4.【海綿体組織の変化】

禁煙

タバコがEDを引き起す原因の四つ目です。 これは喫煙が 『海綿体組織の変化』 を引き起してしまう事です。


海綿体は上述させて頂いたように、血液を集める事で勃起を成立させる役割が有ります。 しかし長期的な喫煙は動脈硬化同様に海綿体の組織構造にも変化をもたらしてしまいます。


煙草は長期的に海綿体組織の平滑筋を減少させ、またコラーゲンを増やしてしまいます。 その結果、海綿体の生理機能は大きく低下してしまいます。 つまりタバコは 『海綿体組織の変化』 を引き起す事を原因のひとつとしてEDを発症させます。


これは前述の 『動脈硬化による血流の障害』 と同じで、 短期的かつ即時的な勃起不全の原因にはならないのですが、 同様に物理的な構造変化なので、一度形成された海綿体組織の変化をもとに戻すのはとても難しいと言えます。


つまりEDに対する禁煙の効果をきちんと出すには、海綿体の組織の変化が始まる前が望ましいと言えます。 皆様もぜひ海綿体組織の変化が始まる前に禁煙を開始しましょう。



以上、タバコで勃起不全が起きる4つの原因について解説させて頂きました。 この4つの原因の内、 『1.血管の機能障害』 と 『3.交感神経への刺激』 については、禁煙による直接的な改善効果が出る可能性が有ります。


しかし 『2.動脈硬化による血流の障害』 そして 『4.海綿体の組織の変化』 については、一度発生した構造的な変化を改善する事はとても難しいので、 これらについては、発生する前に禁煙を開始された方が望ましいと言えます。


現在は薬剤など、禁煙に有用な様々なツールがあります。 ED改善の為にも、健康の為にも、積極的に禁煙にチャレンジしましょう。

(記載:新宿ライフクリニック-日本性機能学会専門医:須田隆興、最終確認日:2019-08-27)


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